魚神 の商品レビュー
読んでみて、と特別な人にもらった本。 読んでるうちに匂いや、なにかに触ったときの感触が浮かんでくるそんな気がした。あまりにも大切に思うあまり、すれ違ってしまう姉と弟が切なくて愛しかった。最後に掴んだものは、ふたりにとっての幸せなのかな。蓼原がすごく好きだったので最後までしぶとく...
読んでみて、と特別な人にもらった本。 読んでるうちに匂いや、なにかに触ったときの感触が浮かんでくるそんな気がした。あまりにも大切に思うあまり、すれ違ってしまう姉と弟が切なくて愛しかった。最後に掴んだものは、ふたりにとっての幸せなのかな。蓼原がすごく好きだったので最後までしぶとく生き抜いてくれてほっとした。
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うつくしくて、ほの暗くて、せつなかった。 遊郭で栄える閉ざされた島で生まれ育つうつくしい姉弟のお話。 * 「いや、白亜は僕がいなくなったらたくさん泣いて、僕のことなんか忘れてしまうといいよ」 ”人は忘れるために泣く”というスケキヨが白亜に語ったこの台詞がなんだかとても刺...
うつくしくて、ほの暗くて、せつなかった。 遊郭で栄える閉ざされた島で生まれ育つうつくしい姉弟のお話。 * 「いや、白亜は僕がいなくなったらたくさん泣いて、僕のことなんか忘れてしまうといいよ」 ”人は忘れるために泣く”というスケキヨが白亜に語ったこの台詞がなんだかとても刺さった。
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現代よりも少し昔のような時代の伝説のような物語。 まとわりつくような湿度や匂い・臭いが、文章から瑞々しく伝わってくる。
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物語を通して、何も進行しなかったし、姉と弟の関係性の変化も見られなかった。 読み終わった時に、得られたものは何もなかったようにも思う。
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千早茜『魚神』 2012年 集英社文庫 2009年刊行の第21回小説すばる新人賞受賞作で、千早茜さんのデビュー作。魚神と書いて「いおがみ」と読みます。 感想の表現がとても難しいけど、奇麗な愛の物語だと思いました。 時代背景は大正か昭和初期のようなきもするけど、遊女や陰間や腐っ...
千早茜『魚神』 2012年 集英社文庫 2009年刊行の第21回小説すばる新人賞受賞作で、千早茜さんのデビュー作。魚神と書いて「いおがみ」と読みます。 感想の表現がとても難しいけど、奇麗な愛の物語だと思いました。 時代背景は大正か昭和初期のようなきもするけど、遊女や陰間や腐った匂いのする川など、インパクトも強烈で文章からも鼻を押さえたくなるようなにおいも立ち上がってきます。さらにじっとりとした湿り気に包まれた世界。 それなのにとても奇麗な愛の物語の印象が強く残りました。 陰と陽であれば限りなく陰の世界が広がり強く、夢を見ることもできない世界なのに、そこに太陽のような強さもない儚い力の月光や香、存在のよってバランスがとられているというか。 とても浮遊感もある作品でした。でも最後には夢を見ることへのつながりも感じられてよかったです。 #千早茜 #魚神 #集英社文庫 #読了
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とても重量のあるお話でした。読了感としては、もったりどろどろした感じ。体力がある時じゃないと読めないかな…。昔の話という設定ではないのに、舞台になっている島の特殊な成り立ちや遊廓の詳細な描写によって、どっぷり御伽話の世界観に連れ込まれました。癖の強い装丁の雰囲気もあいまって、今夜...
とても重量のあるお話でした。読了感としては、もったりどろどろした感じ。体力がある時じゃないと読めないかな…。昔の話という設定ではないのに、舞台になっている島の特殊な成り立ちや遊廓の詳細な描写によって、どっぷり御伽話の世界観に連れ込まれました。癖の強い装丁の雰囲気もあいまって、今夜は夢に出てきそう。面白いです。
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すべての出来事が白亜の知らないところで起こっているのがなんとなく恐ろしくまた悲しくもある。二人はお互いを心から大切に思っているからこそ嫌われたくないと感じ踏み込めなくなっている。そのもどかしさにこちらがなんだか落ち着かなくなる。最後は白亜が自暴自棄のようになり遊郭に火をつけ、その後スケキヨに買われる。二人が無事あえてよかったと素直に思えない。もし、もっと早い段階で会えていたら、お互いが恐れず歩み寄っていたらとつい考えてしまう。
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容姿の美しい姉弟がすれ違う物語。 姿は見えないけれどお互いに存在を必要とし、嫌われることを怯えていたのは同じだったのだという姉弟愛に惹き込まれました。 回想によく出てきたあの夜の出来事は、白亜を誰かの手によって汚されたくないというスケキヨの人間味溢れる気持ちからきたことだとわかったところが良かったです。 読み終えてから、もう一度冒頭のほうにある雷魚の伝説のお話を読み返しました……!
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こうゆうお話好きだ...となった作品です。 蓮沼のキャラ良すぎるな スケキヨは欲を言うならもう少し掘り下げて欲しかったなという感じです。そしたらもっともっっと素晴らしい作品になったのに!と個人的に思いました。
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閉塞感と名付けるにはあまりにも残酷なのに、汚さを感じさせず世界が描かれていました。 「時間や生活、悩み、葛藤、矛盾、一切のものからふっと一瞬離れていける。」 「どうして私達は試されなければならないのかしらね。」
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