死者のための音楽 の商品レビュー
耳の聞こえない母が魅せられた、死の間際に聞こえる美しい音楽。古い井戸の底に住む謎の美女。全てを黄金に変える廃液を垂れ流す工場……。 親と子の絆を描いた怪談七編。 怪談専門誌『幽』で無冠デビューをはたした山白朝子の初著作。初読の作家さんですね。……と思いきや、こちら実は人気作家...
耳の聞こえない母が魅せられた、死の間際に聞こえる美しい音楽。古い井戸の底に住む謎の美女。全てを黄金に変える廃液を垂れ流す工場……。 親と子の絆を描いた怪談七編。 怪談専門誌『幽』で無冠デビューをはたした山白朝子の初著作。初読の作家さんですね。……と思いきや、こちら実は人気作家・乙一さんの別名義での作品です。 雰囲気は昔放送していたまんが日本昔話の怖い回。もしくは、小泉八雲の『怪談』のような、恐ろしくも寂しく、どこかノスタルジックな雰囲気。幻想怪談と表現するとイメージに近いかなと思います。 親子交互の語りで進行していく表題作の『死者のための音楽』が、悲しく儚くも愛情に溢れた作品で一番好きです。
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乙一さんの別名義。 「死」にまつわる7編の短編集。 各話ごとに時代設定は様々だったけど、どこか懐かしい昔ばなしを読んでる様だった。 薄気味悪さもあるけど、どちらかと言うと物悲しいお話が多かったな〜。 どれも普通に良かったけど、「鳥とファフロッキーズ現象について」が一番好きでした...
乙一さんの別名義。 「死」にまつわる7編の短編集。 各話ごとに時代設定は様々だったけど、どこか懐かしい昔ばなしを読んでる様だった。 薄気味悪さもあるけど、どちらかと言うと物悲しいお話が多かったな〜。 どれも普通に良かったけど、「鳥とファフロッキーズ現象について」が一番好きでした。 乙一さん、ほんとに多才!!
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「長い旅のはじまり」☆☆☆ 「井戸をおりる」☆☆☆☆ 「黄金工場」☆☆☆☆ 「未完の像」☆☆☆☆ 「鬼物語」☆☆☆☆ 「鳥とファフロッキーズ現象について」☆☆☆☆ 「死者のための音楽」☆☆☆☆ 昔話風に語られる短編を読んでいると、夏目漱石の『夢十夜』を思い出した。 どの物語も美...
「長い旅のはじまり」☆☆☆ 「井戸をおりる」☆☆☆☆ 「黄金工場」☆☆☆☆ 「未完の像」☆☆☆☆ 「鬼物語」☆☆☆☆ 「鳥とファフロッキーズ現象について」☆☆☆☆ 「死者のための音楽」☆☆☆☆ 昔話風に語られる短編を読んでいると、夏目漱石の『夢十夜』を思い出した。 どの物語も美しさと怖さを併せ持った作風で、おどろおどろしいだけではない独特のホラーの世界観になっている。 もの悲しい作品ばかりだが、後味が悪くならないのはさすが着地の上手い乙一。 現代が舞台となっている「私の頭が正常であったなら」の方が好きではあるが、この昔話風の作品も好きだ。 『エムブリオ奇譚』も読んでみよう。
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同じ人が書いた作品でも、山白朝子の名前で書いてある話が一番好き。この小説もエムブリヲ奇譚などのように切なくて、不気味な話がたくさん書かれている。この度の話は優しさを感じるものもあった。最後の名も分からぬ大きな鳥と主人公の話が特に良かった。
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写本をしている坊様の所に、刺されてやってきた娘。 井戸の下で生活をしている娘の所に通う、男。 工場の廃液で、黄金に輝く生き物たち。 過去と現在が交差する、鬼がいる山の近くにある村。 罪を犯した後、自首する前に…と仏像を彫りに来た娘。 恩返しに、ずっと世話をしてくれる鳥。 昔死にそ...
写本をしている坊様の所に、刺されてやってきた娘。 井戸の下で生活をしている娘の所に通う、男。 工場の廃液で、黄金に輝く生き物たち。 過去と現在が交差する、鬼がいる山の近くにある村。 罪を犯した後、自首する前に…と仏像を彫りに来た娘。 恩返しに、ずっと世話をしてくれる鳥。 昔死にそうになった時に聞いた音楽を探す母。 短篇集で、すべてが何かおとぎ話のような感じでした。 鳥の話は確実に現在だと思うのですが 工場と音楽の話は、若干昔のような感じがします。 想像すると怖いのは鬼ですが、人として怖いのは工場。 もしも彫り終えていたらどうなるのか、は娘。 そもそも小鳥も少年も…でしたし。 どれも何だか、澄んだ感じがする話でした。
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モヤモヤして読後感は最悪である。文章だけでこんなに後をひく話を作ってこその小説。だからこそ、この作家さんの他の作品も読んでみたくなった。
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近現代を舞台にした怪談ふうの短編集。綺麗で透明感のある言葉、文体で紡がれるのが「怪談」とは一見相反するようで、その実それぞれの短編の世界観を作っている。特に風景や音の表現に拘りが感じらる。フワッとしているんだけど印象的な話が多い。
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『鳥とファブロッキーズ現象について』と『死者のための音楽』が一番好き。作者さんは絶望的な希望を描きたいのねきっと。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
表紙が怖い。 作中では桜の色に、滴る血のイメージを重ねていたけど、この表紙の色合いはほんのり淡く色づいた肉の色を感じさせる。 どの話にもしっかり死者が出ていてホラーテイストではありながら、親子の情愛が色濃く物語に息づいていて、とにかく悲しい気持ちにさせられた。 巻末で作者自身の言葉として挙げられていた「物語がうまく閉じてない」というのも本作の特徴だと思う。ただ、それが民話ぽさとして意外にすんなり受け入れられるというか、読後感がわるくない。 特に「黄金工場」は全体的にすごくアバウトなのに印象に残る話だった。
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