花競べ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
向島なずな屋は、花師として品種改良や庭造りの確かな技を持つ新次と、おりんの夫婦が営む苗物屋。 花木の良さはもちろん、手習の師匠をしていたおりんが書き添えるお手入れ指南の添え書きが評判だ。 江戸一番の花師を選ぶ“花競べ”、新次の師匠の娘で優れた花師でもあった理世との再会、預かった少年との心の通い合い…と、さまざまな物語が語られる連作短編集。 朝井まかてさんの、これがデビュー作とのこと。 うーん、デビュー作とは思えない。 花師という仕事を通して描く江戸の風俗は、火事と喧嘩ではない、花々に彩られたガーデニングブーム。 ムラサキシキブやソメイヨシノの名付けにまつわる物語も興味深い。 親の勧める縁談を拒み自立しようとしたおりん、名家の娘ながら花師として成長しようとする理世など、個性的で自立しようとする女性の姿も、デビュー時から大切な視点だったんだなぁ、と。 新次と理世が、一夜限りと決めていたにしても、あっさり契りを結んでしまうエピソードが、ちと意外。 最近はそうでもないけれど、少し昔は時代小説とハリウッド映画には、必ず色っぽいシーンを入れなきゃいけない決まりでもあるのかと思っていた。 その時代のデビュー作品なのかな。
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人情溢れる素敵な関係性。時代小説はあまり読まないのですが、さくさく読めた。淡々と進みながら、言葉にできないらやりきれなさも胸を打った。時間は一方向。継いで継いで残されたものの美しさに感謝したい。
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さすがは朝井さん。背表紙の内容では、面白く読めるかなと思ったけれど、一気に読めた。変などろどろ感は皆無。 人生は思い通りにいかないことや、後悔はたくさんある。しかし、そのなかで、今を大切に生きること を感じさせられる作品だったように思う。 そりゃ、本の中くらい思い通りにいってほし...
さすがは朝井さん。背表紙の内容では、面白く読めるかなと思ったけれど、一気に読めた。変などろどろ感は皆無。 人生は思い通りにいかないことや、後悔はたくさんある。しかし、そのなかで、今を大切に生きること を感じさせられる作品だったように思う。 そりゃ、本の中くらい思い通りにいってほしいと思わないでもないが、ひととしとった自分にはこの作品の哀愁と前向きさが伝わってくる。
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植物がたくさん出てくる本が読みたくて読んでみた。 すごく園芸が盛んだった江戸時代に、花を育て、品種改良で新種もつくる花師という職業があった。腕のいい花師である主人公が、奥さんや友人たちと毎度起こる難題に立ち向かう。 とくに印象的だったのはクライマックスの桜の話。ソメイヨシノという...
植物がたくさん出てくる本が読みたくて読んでみた。 すごく園芸が盛んだった江戸時代に、花を育て、品種改良で新種もつくる花師という職業があった。腕のいい花師である主人公が、奥さんや友人たちと毎度起こる難題に立ち向かう。 とくに印象的だったのはクライマックスの桜の話。ソメイヨシノという品種はどこの誰が作り出したのかわかっていないらしいんだけど、その経緯がこうだったら面白いよね、っていう話。 期待どおり、たくさんの草木が出てきて楽しめた。
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ぎゅっと、ぎゅっと、詰まった一冊。短編集になっているのが、もったいない。 桜の描写も美しくて。 来年の桜は、この話を思い出して切ない気持ちで見上げることになりそうです。 辰之助の人生を、別冊でじっくり読んでみたいなぁ。
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詳細は、こちらをご覧ください あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1302.html NHKテキスト 趣味の園芸 2019年 04 月号 の 朝井 まかてさんの コラムでは、江戸時代の植...
詳細は、こちらをご覧ください あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1302.html NHKテキスト 趣味の園芸 2019年 04 月号 の 朝井 まかてさんの コラムでは、江戸時代の植物が話題になっていて ちょっと興味を惹かれました。 そこで紹介されていた 「先生のお庭番」 と 「 花競べ」 を 読んでみよう と 借りました。 読み始めると止まらない! 面白さ。 自然と園芸と江戸の暮らしが、親しみ深く描かれています。
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新人賞を取った作品ということを読了後に知った。読んでも外れない作家さんだということはこの本の面白さからもわかる。
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江戸中期、花師の「なずな屋」 若夫婦とその周りの人々の人情物語 ちょっとしたミステリ要素もあり 恋愛模様もあり。 これがデビュー作と知ってびっくり なんと達者な・・・
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こちらも、 朝井まかてさんの著作 「向嶋なずな屋繁盛記 花競べ」です。 向嶋 なずな屋を舞台に繰り広げられる、人情、職人魂、 恐ろしい企み、なずな屋の主人 新次は 江戸で有名な 霧島屋で修行を積んだ花師、女将のおりんはもとは裕福な大店の 娘、この夫婦がいとなむ店が なずな屋。...
こちらも、 朝井まかてさんの著作 「向嶋なずな屋繁盛記 花競べ」です。 向嶋 なずな屋を舞台に繰り広げられる、人情、職人魂、 恐ろしい企み、なずな屋の主人 新次は 江戸で有名な 霧島屋で修行を積んだ花師、女将のおりんはもとは裕福な大店の 娘、この夫婦がいとなむ店が なずな屋。 花の好きな人はオススメです。 江戸は花ブームに沸き、確か黄色い朝顔もあったとか このままにしといちゃあ、いまに江戸中 得体の知れない花で 埋め尽くされる。 新次は案じます。 よろしかった読んでみてください。 やっぱり何度も読んでしまいます。
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花の話が中心かと思いきや複雑な人間関係が絡まって面白く読めた。花魁が火事で亡くなってしまってハッピーエンドということにはならなかったけど、それなりに納まって良い感じだった。
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