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親鸞 激動篇(下) の商品レビュー

3.8

33件のお客様レビュー

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2013/07/25

懸命に自らの罪を悔い懺悔しひたすら念仏すべし、そうすれば成仏できる。しかし、鉄杖は己の罪を悔いることができず、自分に罰を与えることを選び、黒面法師もまた十悪五逆の悪人で救いを拒んでいた。こういう本当に救われるべきものを救うことこそ念仏の本懐ではないのか。頼重房の問いに対し、親鸞は...

懸命に自らの罪を悔い懺悔しひたすら念仏すべし、そうすれば成仏できる。しかし、鉄杖は己の罪を悔いることができず、自分に罰を与えることを選び、黒面法師もまた十悪五逆の悪人で救いを拒んでいた。こういう本当に救われるべきものを救うことこそ念仏の本懐ではないのか。頼重房の問いに対し、親鸞は浄土への往生する時の差と答えていたが、この問いは非常に重要でまた難しいと思った。不信の者に対して必要なのは理想論ではなく、納得だ。そして、いよいよ都へ。親鸞の志は受け入れられるのか。

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2013/06/22

とても面白かったです。 最後はなぜか涙がこぼれてきて、自分でもσ(゚ρ゚@)ハテ? 激動変は越後の国から関東へ向かうところからでしたが、途中信濃の善光寺に立ち寄るところは、信州人の私には懐かしく嬉しい限りでした。 人の解釈とは本当に受け取り手の気持でも変わってしまいますが、...

とても面白かったです。 最後はなぜか涙がこぼれてきて、自分でもσ(゚ρ゚@)ハテ? 激動変は越後の国から関東へ向かうところからでしたが、途中信濃の善光寺に立ち寄るところは、信州人の私には懐かしく嬉しい限りでした。 人の解釈とは本当に受け取り手の気持でも変わってしまいますが、親鸞も自分の教えが正しく伝わっていないことを気に病んでおりましたね。 そしてご自身でも心の奥底に潜むものと苦悩しておりましたね。 自分も長いこと生きてきて、若いころとは同じことでも考え方が違っているの感じます。 人はいくつになってもこれが絶対なんてことはないのでしょう。 幼いころ出会った、ツブテの弥七やましらの三次、そして極悪人だけれど黒面法師など懐かしい顔ぶれが・・・ 相変わらず黒面法師の残忍ぶりには怒り心頭です。 明法房の苦しみを見ながら何もできない親鸞の気持ちを思うと、私も悲しかったです。 後に自らの指を折って詫びる親鸞の心が痛々しかった。 黒面法師に逃げられたのは残念━━(⊃Д`;)━━━!!!!。 絶対また何か企んで出てくるでしょうね。 冷夏と長雨で豊かだった常陸の人々の暮らしも一変し、また各地でも凶作などで人々の暮らしは病んでいた。 都でもまた様々な問題が起きていた。 親鸞は60歳を一つ過ぎ、都へと向かう決心をする・・・ あぁ続きが早く読みたいです。 「完結編」文庫になるのはいつ頃だろう。

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2013/07/21

親鸞が六十を過ぎ、京をめざし出発するところまで。 主な登場人物の欄を見て、誰が登場し、どんな話の展開が起こるのか想像できてしまう部分もありましたが、とても面白く最後まで一気に読んでしまいました。 時代は違えど、人の心に宿る闇や不安は同じだと思います。 これはあくまで小説ですが...

親鸞が六十を過ぎ、京をめざし出発するところまで。 主な登場人物の欄を見て、誰が登場し、どんな話の展開が起こるのか想像できてしまう部分もありましたが、とても面白く最後まで一気に読んでしまいました。 時代は違えど、人の心に宿る闇や不安は同じだと思います。 これはあくまで小説ですが、生きていくうえでの心の支え、不安や恐れの中に差し込む光の重要性など、繰り返し述べられており全くその通りだなと思いながら読んだ次第です。

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2013/02/02
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お救い下され、阿弥陀さまではない。 念仏とは、自分がすでにして救われた身だと気づいたとき思わず知らず口からこぼれている念仏なのだ。 十悪五逆の徒であっても、救われるのか。 念仏する者は、今、その時、新しい人間に生まれ変わる。 念仏に出会わなかった人は、死んでのちに救われる。

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2013/01/14

久しぶりに読んだ時代小説だったけど、範宴の、綽空の、善信のそれぞれの人間だからこそ抱える苦悩が描かれていて、面白かった。生まれ変わったことを心に刻むために改名したそうだけど、ひとつの名前でそのまま生涯を終える人も多分にいる。どう生きるのが正解か、それは人それぞれだけど、ひたむきに...

久しぶりに読んだ時代小説だったけど、範宴の、綽空の、善信のそれぞれの人間だからこそ抱える苦悩が描かれていて、面白かった。生まれ変わったことを心に刻むために改名したそうだけど、ひとつの名前でそのまま生涯を終える人も多分にいる。どう生きるのが正解か、それは人それぞれだけど、ひたむきに悩み生きた人の考え方は、現代にも通じるものがあると感じた。

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2012/11/18
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すごーく面白かった! それにしても親鸞が自分の子供を1人友達にあげちゃうのが・・・優しいんだか冷たいんだか。 仏教のことは愛していたけど自分の子供たちのことは本当に愛してたんだろうか?

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2012/10/05
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親鸞聖人はごく普通の人だったようである。 ただ、ある一時に人並みでは出来ぬ力を発揮する。 それに普段から変わらぬ意志が存在している。

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2012/08/11

親鸞の生涯を描いた第二部。本激動篇は流刑者として越後に流され家族とともに暮らした時代を描く。本作品の特徴は二つ。鎌倉時代初期の国司、守護等多くの支配者が知略と武力をつくして争う混沌とした時代を的確に描写。そしてその時代に生きた人々を救うため、親鸞がいかにして念仏者として道を究める...

親鸞の生涯を描いた第二部。本激動篇は流刑者として越後に流され家族とともに暮らした時代を描く。本作品の特徴は二つ。鎌倉時代初期の国司、守護等多くの支配者が知略と武力をつくして争う混沌とした時代を的確に描写。そしてその時代に生きた人々を救うため、親鸞がいかにして念仏者として道を究めるか。仏とは無縁の私でも理解出来るよう平易な例えがちらほらと。さすがの五木作品。「人に語るとは教える事ではない。人に・・する事である。」なーるほど説法の極意!煩悩多き私にはうってつけ。

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2012/07/26

関東に移った後の親鸞の活躍の話。物語としては非常に面白かった。 前の話で出てきていた黒面法師や、つぶての弥七、犬麻呂など以前京で親鸞の周りにいた人が勢揃いしてまた活躍する。ちょっとできすぎの感があるが、話として面白い。 ただ、やはり宗教の話が所々エッセンスとして入っているので、宗...

関東に移った後の親鸞の活躍の話。物語としては非常に面白かった。 前の話で出てきていた黒面法師や、つぶての弥七、犬麻呂など以前京で親鸞の周りにいた人が勢揃いしてまた活躍する。ちょっとできすぎの感があるが、話として面白い。 ただ、やはり宗教の話が所々エッセンスとして入っているので、宗教とはそういうものか、ということを感じることができた。 でもやはり宗教も世の俗世の影響を受けて育ってきたことがよくわかった。 ただちょっと終わり方があれ!?という感じで終わっちゃったなあ・・・・ これは本当に宗教の話はほんのちょっとで後はその生い立ちからの奇跡の話で物語としては丸でした。

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2012/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これぞ歴史小説のお手本と思いました。 史実と史実の間をいかに物語として面白くつなぐことができるのか、というのが自分の歴史小説の評価基準ということも再認識しました。 親鸞の場合は史実上、具体的なエピソードが少なく、前作「親鸞」及び「激動編 上」では完全なフィクションに近く親鸞が活躍しすぎるように思いました。 「激動編 上」の時間進行や創作エピソードてんこ盛りから、激動編は法然の死までになるのではないかと思っていましたが、下巻は時間経過が加速し、越後での登場人物を大胆にも一旦リセットして、関東での布教活動を通じて、親鸞の念仏信仰への探求と煩悶が見事に描かれていました。 親鸞の帰京、黒面法師との決着などが語られる最終編が出てくれるのではないかと期待しています。

Posted byブクログ