親鸞 激動篇(下) の商品レビュー
(2012/4/27) 関東で考えを深める 親鸞激動篇 下 五木寛之 乞われて越後から関東に移る親鸞。 そこで念仏の意味を深める。 念仏で病気が治るか、貧乏から脱することができるか。 否。 ではなぜ念仏するか。 先が見えない闇の中では歩くのが不安でたまらないが、 遠い先でも光...
(2012/4/27) 関東で考えを深める 親鸞激動篇 下 五木寛之 乞われて越後から関東に移る親鸞。 そこで念仏の意味を深める。 念仏で病気が治るか、貧乏から脱することができるか。 否。 ではなぜ念仏するか。 先が見えない闇の中では歩くのが不安でたまらないが、 遠い先でも光が見えれば安心して歩ける。 光が阿弥陀仏で歩くのが人生。 目標を持てば人生の意味が生まれるというところか。 念仏すれば救われるが極悪非道は別、という経典をどう考えるか。 極悪非道でも後悔反省し念仏を唱えれば救われる。 しかし極悪非道のまま一生を終われば地獄に落ちるのか? 否。 そういう人間も浄土に行ける。 それでは念仏を唱えても意味がないのではないか? 否。 反省し念仏を唱えれば、その時から極楽浄土にいける。 反省もしなければ生きているうちは極楽浄土には行けない。 死んだ瞬間に行ける。その違いがある。 そんなくだりが印象に残った。 「善人尚もて往生をとぐいわんや悪人をや」 の意味を五木親鸞が、物語の中で説明している。 面白い。 念仏がおさえつけられつつある京都に渡ろうとするところ、親鸞61歳で激動篇は終わる。 三部作になる。 また東京新聞などの地方紙に連載される親鸞三部作目。楽しみだ。
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親鸞さんの30代から60代の話。 ツブテの弥七、かっけー。 鎌倉時代の乱世で宗教人である親鸞が殺されずに済んだのは、弥七みたいな隠れキャラが本当にいて守ってたのかもしれないな。 このシリーズもあと完結編上下で終わる。なのに親鸞の教えが、わかるようでほぼわかっていない私は、、、悲...
親鸞さんの30代から60代の話。 ツブテの弥七、かっけー。 鎌倉時代の乱世で宗教人である親鸞が殺されずに済んだのは、弥七みたいな隠れキャラが本当にいて守ってたのかもしれないな。 このシリーズもあと完結編上下で終わる。なのに親鸞の教えが、わかるようでほぼわかっていない私は、、、悲しい。
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前作同様、冒険小説のようなシーンが折々展開する。特に下巻の緊迫したシーンはアクション映画さながら(笑) しかし、これらのシーンも含め、前作以上に、特に法然上人没後の布教に対する親鸞自身の迷いが、民との問答、恵信とのやりとりなどに臨場感をもって表現されており、物語に引き込まれていく...
前作同様、冒険小説のようなシーンが折々展開する。特に下巻の緊迫したシーンはアクション映画さながら(笑) しかし、これらのシーンも含め、前作以上に、特に法然上人没後の布教に対する親鸞自身の迷いが、民との問答、恵信とのやりとりなどに臨場感をもって表現されており、物語に引き込まれていく。 やはり面白い!
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歳を取るとともに動から静へと変わっていく親鸞。 だが、心の奥底にある熱いものは変わらない。 仲間に対する熱い思いなどは、自分の中の親鸞のイメージには無かった。 だが、この巻では、念仏を広めようとどこでも法話をし、誰とでも気安く対話する自分の中でのイメージに合った親鸞が頻繁に出てき...
歳を取るとともに動から静へと変わっていく親鸞。 だが、心の奥底にある熱いものは変わらない。 仲間に対する熱い思いなどは、自分の中の親鸞のイメージには無かった。 だが、この巻では、念仏を広めようとどこでも法話をし、誰とでも気安く対話する自分の中でのイメージに合った親鸞が頻繁に出てきた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
★2016年11月24日読了『親鸞 激動篇(下)』五木寛之著 評価B 雨乞いの法会での願いは届き、雨は豪雨となって降り注ぐ。親鸞は命を奪われる危機を脱したものの、強欲な守護代戸倉兵衛は、豪雨で溜まった堰き止めた水を一気に決壊させて、河原に住む外道院を追い払う策に出る。間一髪、危地を脱した外道院たちは、廃船を使い洪水の流れに乗って越後を去る。 その後、親鸞たちは外道院たちが去って面倒を見るものがいなくなった病人などを診療する施術所を開設する。しばらくは幸せな日々を送っていたが、京の法然上人死去の知らせが入り、親鸞は衝撃を受ける。そして、これからは自らが念仏の道を指し示す先達とならねばならないことを自覚する。関東宇都宮氏の招きもあり、親鸞一家は関東常陸の国へ移住する。念仏信仰を親鸞の考えるやり方で焦らず徐々に広げていく。とうとう親鸞も60歳を過ぎ、関東をでて、京都に戻る気持ちが芽生えてくる。いよいよ自らの念仏信仰をまとめる時期となる。 小説としては、五木氏らしくエンターテイメント性もしっかり網羅して、面白く読ませてくれる。 それを、宗教家の親鸞の物語として相応しいかという議論はあるにしても、それでも多くの読者に親鸞を知らしめて読ませてしまう五木氏の巧みさには舌を巻く。さすが希代のベストセラー作家ではある。
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Wikipediaでみると、親鸞聖人についてはあまり文献が残っていないのですね。 前半には、どういう時代に生まれ、どういう背景で悟りを開いていくのかという人生を楽しく読みました。そして、激動編では、彼が法然と別れたのちの新たな模索、その教えに魅せられているたくさんの地域とその人...
Wikipediaでみると、親鸞聖人についてはあまり文献が残っていないのですね。 前半には、どういう時代に生まれ、どういう背景で悟りを開いていくのかという人生を楽しく読みました。そして、激動編では、彼が法然と別れたのちの新たな模索、その教えに魅せられているたくさんの地域とその人々の人生が描かれているのも面白いです。
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この巻は流石に派手過ぎ。次の巻に繋げたい感出過ぎ。仮にも下巻、新たな登場人物簡単に出過ぎ。と、言いながら続編楽しみ。
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アクションが安っぽいので入れない方がいいんじゃないだろうか。親鸞が戦うわけがないから、ピンチで助っ人登場のご都合主義になるわけで。水戸黄門か。 この要素が要所要所に、特に前後編のクライマックスで入ってくるせいで、物語全体が大味なファンタジーになってくる。せっかく真面目な仏教の会話...
アクションが安っぽいので入れない方がいいんじゃないだろうか。親鸞が戦うわけがないから、ピンチで助っ人登場のご都合主義になるわけで。水戸黄門か。 この要素が要所要所に、特に前後編のクライマックスで入ってくるせいで、物語全体が大味なファンタジーになってくる。せっかく真面目な仏教の会話が面白いのだから。すごくわかりやすく語ってくれるのだから、そこに力を入れて欲しい。 五逆十悪の人間も救われる。阿弥陀如来を信じれない人も救われるが、それは死後においてである。信じる者はその時点で心が救われるー とか、依頼と、感謝の違いとか。 こういう話とか凄くわかりやすい。本当にバカでもわかる。こんなにわかりやすくて面白いのに、大味なアクション入れないと読者がついてこないのか。なら仕方ない。
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20140615読了 あとがきによれば、親鸞の生涯はおおまかに3つに分けられる。幼児から30代にいたる放浪・勉学の時代。越後や関東で家族と暮らした時代。60代から90代までの京都。激動篇の下巻は関東での親鸞を描いたもの。師の教えを継承しつつも自分なりの念仏を確立したいともがく鬱々...
20140615読了 あとがきによれば、親鸞の生涯はおおまかに3つに分けられる。幼児から30代にいたる放浪・勉学の時代。越後や関東で家族と暮らした時代。60代から90代までの京都。激動篇の下巻は関東での親鸞を描いたもの。師の教えを継承しつつも自分なりの念仏を確立したいともがく鬱々とした姿。主人公、全体的に停滞期っぽい雰囲気なのだが、「親鸞」で登場していた懐かしいキャラクターが再び出てきて、スリリングな展開も用意されていた。
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親鸞の生き方が五木流に描かれている。親鸞の中年時代の歴史と悩む人である親鸞の性格ががよく分かる。しかし一方、親鸞の教えが迫力をもって伝わってこない。読んでもこれが親鸞の説く他力本願だと納得できるに至らない。また小説としても淡々としすぎていて、盛り上がりに欠ける。若い頃の五木氏の小...
親鸞の生き方が五木流に描かれている。親鸞の中年時代の歴史と悩む人である親鸞の性格ががよく分かる。しかし一方、親鸞の教えが迫力をもって伝わってこない。読んでもこれが親鸞の説く他力本願だと納得できるに至らない。また小説としても淡々としすぎていて、盛り上がりに欠ける。若い頃の五木氏の小説に溢れていた前向きの生命力が感じられないのが残念。
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