スウィート・ヒアアフター の商品レビュー
今回も身近な死と再生の物語。 3.11に傷ついた全ての人に贈られた 静かで優しい世界。 重苦しくも空虚な時間が「マブイを落とした」と言われればまさにシックリ。 無理に拾いにいかなくてもいいんだね。 【図書館・初読・12/23読了】
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生きてるって幸せなんだなーって思った。 ほんわかと。 じんわりと。 なんかじわーっと伝わってくる。
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再生というデビューから一貫したテーマを、 今回もたどっています。 体と心がつながっていること、 喪失から生きていくこと、 思いは消えないこと。 私もきっと、いつかは。
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3.11にがらりと変わった空気がだんだんまた懲りずに間延びしてきたような日々で、久しぶりに腹の底から、ぞっ、とした。 不自然と言ってもいいような、上擦った幸福。実体のない幸福。約束のない幸福。全てを無くしたばらばらでぼろぼろの身体と頭に、さんさんと降る。それこそ最終処理場などない...
3.11にがらりと変わった空気がだんだんまた懲りずに間延びしてきたような日々で、久しぶりに腹の底から、ぞっ、とした。 不自然と言ってもいいような、上擦った幸福。実体のない幸福。約束のない幸福。全てを無くしたばらばらでぼろぼろの身体と頭に、さんさんと降る。それこそ最終処理場などない、悲しみと憎しみの浅黒い熱にがんがん溶かされても、溶かされても、それでも「生きている」という事実が馬鹿みたいに降らせる、残酷な幸福。 それがこんなにも清くて白くて儚くて美しいなんて、卑怯だよ。 身体が動いてくれなくても、頭に響く声がある。 頭が死にたいと叫んでも、空腹で胃がきゅるきゅると鳴く。 何をどれだけ両手いっぱいに抱えても、見えないベールに守られていても、全てを跡形もなく粉々にできるハンマーがいつ振り下ろされるかなんてわかるはずない。 何をどれだけ歩いた道に零しても、あらゆる風景が消し炭にされても、生きている限り日々は続く。死ねるわけない。そんなタイング、どこにもなかったはずなんだ。レコードは回る。傷ついても擦り切れても。レコードは回る。針が飛んでも。レコードは回る。回る。回る。
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2011年3月11日のあの日から、生きること死ぬことについて強く考えたこの一年の終わりに、とても心に優しく響く物語でした。 何気なく当たり前の、けれど多くの人が忘れている真理に触れて、自分の意思と関係がない場所から涙が運ばれてくるような感覚を得ました。 それはまるで今生きている...
2011年3月11日のあの日から、生きること死ぬことについて強く考えたこの一年の終わりに、とても心に優しく響く物語でした。 何気なく当たり前の、けれど多くの人が忘れている真理に触れて、自分の意思と関係がない場所から涙が運ばれてくるような感覚を得ました。 それはまるで今生きている人もう死んでしまった人の哀しみの涙が、私という入れ物を通じて溢れてくるような不思議な感覚でした。 私はこの目に見えないものの存在を基本的には信じていないけれど、それが必要な人にとっては確実に存在するのだと思っているから、ばななさんが描くそういう不思議な存在はふんわりと受け入れることができます。 ばななさんが後書きに書いているように、全ての人の心を癒すことが出来るような物語ではないかもしれないけれど、さりげなく隣に座ってそっと肩を抱かれるような優しさに溢れた物語でした。
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この本の全ての言葉が、 静かな歓びで満ち溢れています。 失う、とか、別れる、とか、 そういうことにとらわれている人に、 ぜひ読んでほしい。あたたかいなみだを流してほしい。 人が死ぬのは、必然。 のこされたわたしたちが すごくつらくて暗いところで彷徨っているときには、 ばななさん...
この本の全ての言葉が、 静かな歓びで満ち溢れています。 失う、とか、別れる、とか、 そういうことにとらわれている人に、 ぜひ読んでほしい。あたたかいなみだを流してほしい。 人が死ぬのは、必然。 のこされたわたしたちが すごくつらくて暗いところで彷徨っているときには、 ばななさんの言葉と、わたしたちのこころの奥の奥が、共鳴して、 すごくすごく淡~いけど、 しあわせに似た希望とか安らぎを感じることができると思います。 きっと、ほんとうに大切にしたくなる一冊って、 こういう本なんだろうな。 そして、自分のことも今よりもっともっと大切にしたくなる。 あたりまえのこと。 すごくシンプルになること。 全ての人に読んで、感じてほしいです。
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生と死の間が、いかに曖昧で、いかに皮一枚で生きていて(それを生かされている、というのかもしれない)、死は決して遠くの境界線ではなくて、すぐそこに、毎日目の前にある境界線である、ということ。 いつものばなりんのメッセージだけれど、3.11の地震で、 普通の毎日が一瞬で崩れ去るのを...
生と死の間が、いかに曖昧で、いかに皮一枚で生きていて(それを生かされている、というのかもしれない)、死は決して遠くの境界線ではなくて、すぐそこに、毎日目の前にある境界線である、ということ。 いつものばなりんのメッセージだけれど、3.11の地震で、 普通の毎日が一瞬で崩れ去るのを目の当たりにした今、いつもより鋭く心に響く。 紀行物と比べて、沖縄とかハワイとか、要素があちらこちらに散らばって散漫な感じがしていたのが少々残念。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み始めて、何度も涙が出て、胸が締め付けられる思いをしながらも あわてず、ゆっくりと読もうと思ったのだけど、やっぱりもう読み終わっちゃった たくさんの小説の中の言葉が、忘れず大切にして行きたい 自分がいま生きていること、苦しいことがあったときに 下を向きながらも少しずつ上を向ける自分になっていった時期 悲しかったこと、切なかったこと、色々な自分の人生が愛おしくなる 人はひとりで生きているわけじゃない、 どんなに寂しくたって、ひとりじゃないんだなと思えること なんだか、とっても救われたような気がします
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本屋で目があっちゃってね(^^; 久々の「よしもとばなな」 キラキラの素敵な言葉がいっぱいでした。 どこかに書き留めておきたい言葉が沢山あったけど、 読後一番に思ったのは 「恋愛に行く心配のない誰かと安心して手を繋ぎたいなぁ。」 でした^^
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内容(「BOOK」データベースより) お腹に棒がささった状態から生還した小夜子は、幽霊が見えるようになってしまった。バーに行ったら、カウンターの端に髪の長い女の人がいる。取り壊し寸前のアパートの前を通ると、二階の角部屋でにこにこしている細く小さい女の子がいる。喪った恋人。元通りに...
内容(「BOOK」データベースより) お腹に棒がささった状態から生還した小夜子は、幽霊が見えるようになってしまった。バーに行ったら、カウンターの端に髪の長い女の人がいる。取り壊し寸前のアパートの前を通ると、二階の角部屋でにこにこしている細く小さい女の子がいる。喪った恋人。元通りにならない頭と体。戻ってこない自分の魂。それでも、小夜子は生き続ける。
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