スウィート・ヒアアフター の商品レビュー
皆なにかしらあるんだよね。 本書は東日本大震災を経験した全ての人に向けて書かれています。でも、直接的な表現は無く、さりげなく言葉の端々にメッセージが込められているような気がしました。 無理に”頑張れ”を押し付けられることも無く、ただ淡々とストーリーは続きます。 そして思うんで...
皆なにかしらあるんだよね。 本書は東日本大震災を経験した全ての人に向けて書かれています。でも、直接的な表現は無く、さりげなく言葉の端々にメッセージが込められているような気がしました。 無理に”頑張れ”を押し付けられることも無く、ただ淡々とストーリーは続きます。 そして思うんですよ、「あぁ、そういうことなんだ」って。 私は序盤からラストまで、ずっと涙が止まりませんでした。号泣するわけではなく、ただ流れるんです。 大事な人や大事な何かをなくした辛さは本人にしかわからないし、乗り越える術も本人にしかわからないんですよね。 けど、ヒントにはなりました。 大事に読んで行きたい本です。
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下まぶたに涙が表面張力のようにたまったまま読み続けた。 仕事帰りの電車で、肩こりも眼の疲れもあったのに、 地元の駅に着く頃にはどちらもすっきりしていた。 ばななさん、息をさせてくれてありがとう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
恋人をなくした女の人が、いろいろな、きれいなものや、やわらかいものや、あたたかいもの、ちょっとしたそういうものに少しずつ癒されていくお話。 性愛抜きで、誰かと手をつなぎたい時や、抱きしめたい時が誰にでもあると思うんだけど。よしもとばななはそういうものをあたりまえのように描くなぁ、と。そしてそれができる登場人物たちが羨ましい。 3.11の後で書かれたこの小説。あとがきでよしもとばななは「とてもとてもわかりにくいとは思いますが、この小説は今回の大震災をあらゆる場所で経験した人、生きている人死んだ人、全てに向けて書いたものです」って言ってるのを読んで、「ああそうなのか」って思った。少しわかったようなわかんないような、わかったような気がした
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ここんとこちゃんと本を読めてなくて、大好きな西かなこさんの本も途中で挫折してしまうくらいに集中できてなかったけど、なぜかというかやっぱりというか、ばななさんのこの本はさっくりと心地よく気持ちよく読めました。 ハゴロモも好きだったけど、、、 それをさらに上回る癒しの小説。 本ぜ...
ここんとこちゃんと本を読めてなくて、大好きな西かなこさんの本も途中で挫折してしまうくらいに集中できてなかったけど、なぜかというかやっぱりというか、ばななさんのこの本はさっくりと心地よく気持ちよく読めました。 ハゴロモも好きだったけど、、、 それをさらに上回る癒しの小説。 本ぜんたいからみずみずしくあふれでる、なんだろうこの優しい癒しのほわほわ感。 この本は手元に置いておきたいかも。。。と、ひさびさに思えたくらいの素敵な本でした。
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よしもとばななさんが昨年の大地震の後に書いた作品。 全体的にほんわかした作品。 しかし、この人の紡ぐ言葉に 多くの人達が元気づけられていると思う。 大切な人を喪った悲しみは、 いつまでもその人の心の中にあり続けて、 完全になくなるって事はないけれど、 その悲しみと共存し、力強...
よしもとばななさんが昨年の大地震の後に書いた作品。 全体的にほんわかした作品。 しかし、この人の紡ぐ言葉に 多くの人達が元気づけられていると思う。 大切な人を喪った悲しみは、 いつまでもその人の心の中にあり続けて、 完全になくなるって事はないけれど、 その悲しみと共存し、力強く生きていく事が、 辛いけれど、遺された人の使命なのだと思う。 涙が溢れたり、怒りたくなる日もあるけれど、 微笑んだり、腹の底から笑える日も、 いつか必ずあるから。 理性では割り切れない、 絶対受け入れたくない、受け入れられない 大切な人の死。 でも、その人と過ごした幸せな時間が思い出となり、 その人が遺してくれたものが宝物になり、 時にそれは自分の胸をきゅっとしめつける事もあるけれど、 生きていく自分の心と体を温めてくれる何かであってくれるはず。
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気合を入れて生きなくても、 毎日充実させなければと焦らなくても、 もっとラクに日々を過ごしていいのだな…と 安心させてくれる、そんな小説だった。
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「みんな悲しいほどにいろんなことを背負って生きている。鈍くてあまり背負ってない人を見ると一目でわかる。彼らは不思議とロボットみたいに見える。背負ったことのある人だけ色がついていて細かく美しく動く。だから、背負ってしまってよかったな、そう思っていた。わたしは生きている限りは細かく美...
「みんな悲しいほどにいろんなことを背負って生きている。鈍くてあまり背負ってない人を見ると一目でわかる。彼らは不思議とロボットみたいに見える。背負ったことのある人だけ色がついていて細かく美しく動く。だから、背負ってしまってよかったな、そう思っていた。わたしは生きている限りは細かく美しく動きたい、そう思っていた。」2011年3月11日の震災後、ばなな氏が全てに向けて書いた作品。肉体的にも精神的にもありえない痛みを背負った主人公…と思っていたが、ありえないことなんて、あるのだろうか、と震災後、思う。そんな気持ちで読みました。
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最近のよしもとばななさんはスピリチュアルなものが多くてだめだったけど、これは平気でした。 恋人を失い、半分幽霊になった小夜。 ――洋一と最後にしたセックスで妊娠していますように、と願った。頭が痛くなるくらい。 よしもとばななさんの描く男性はほんとうに素敵。 途中から出てくるゲイの...
最近のよしもとばななさんはスピリチュアルなものが多くてだめだったけど、これは平気でした。 恋人を失い、半分幽霊になった小夜。 ――洋一と最後にしたセックスで妊娠していますように、と願った。頭が痛くなるくらい。 よしもとばななさんの描く男性はほんとうに素敵。 途中から出てくるゲイのあたるくんなんかすごく魅力的。
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大切な人(もちろん自分も含む)の生き死にを経験した人は今までとは何かが違う気がする。この本で言う”マブイ”をどこかに落としてきてしまったのだろうか。マブイを取り戻すのはもちろんその人その人のタイミングなのだろうし、取り戻せないままの人もいるのだろう。そんな人に人が優しく寄り添え...
大切な人(もちろん自分も含む)の生き死にを経験した人は今までとは何かが違う気がする。この本で言う”マブイ”をどこかに落としてきてしまったのだろうか。マブイを取り戻すのはもちろんその人その人のタイミングなのだろうし、取り戻せないままの人もいるのだろう。そんな人に人が優しく寄り添えたら(いろんな人の心地良さを考えなくてはならないので非常にむずかしいことだけれども・・)いいなと思う作品でした。
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スピリチュアル系と思いきや脱力系の心を癒してくれる作品。 半分幽霊になった主人公っていうのがなんだか説得力をもつ 私の理想的な精神状態かもしれない。 どんぐり姉妹もそうだったけど私の理想とするものを ばななさんはよく書いてくれる。
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