ペット・サウンズ の商品レビュー
150509 中央図書館 『ペット・サウンズ』を愛聴する音楽ファンは多いそうだ。『サージェント・ペッパーズ』のように大げさに持ち上げられてはいないのだが、通好みということだろうか。
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確かスプリングスティーンがレコーディング状況を見てみたいアルバムの一つに挙げていた『ペット・サウンズ』。 『ティファニー』の再読時に挟まっていた宣伝用紙に村上春樹訳の本作が含まれていたのに気付き購読。 今『ペット・サウンズ』を久しぶりに聴きながら本レビューを書いておりますが、ポッ...
確かスプリングスティーンがレコーディング状況を見てみたいアルバムの一つに挙げていた『ペット・サウンズ』。 『ティファニー』の再読時に挟まっていた宣伝用紙に村上春樹訳の本作が含まれていたのに気付き購読。 今『ペット・サウンズ』を久しぶりに聴きながら本レビューを書いておりますが、ポップアルバムの良作。詩の意味とか色々あるんだろうが、とにかくポップを楽しめば良いかと。 ただこの本を読んで改めて思ったけど、やっぱり60年代のロック・ポップはドラッグにどっぷり漬かっているんだと。 この傑作はドラッグの産物なのか否か、愚問とは思いつつも頭をよぎることは否定できないですな。
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ペットサウンズが好きな作者が書き上げたビーチボーイズ=ブライアン・ウィルソンに捧げた作品です。 個人の思い入れだから「いや、それは違うよ」というのは野暮なもの。 自分もウィーザーのピンカートンならこれぐらい熱心に語り合えるかもと思いました。 村上春樹さんの訳も非常に良くて、訳され...
ペットサウンズが好きな作者が書き上げたビーチボーイズ=ブライアン・ウィルソンに捧げた作品です。 個人の思い入れだから「いや、それは違うよ」というのは野暮なもの。 自分もウィーザーのピンカートンならこれぐらい熱心に語り合えるかもと思いました。 村上春樹さんの訳も非常に良くて、訳される方の文章力が良いとこんなにも読みやすいのかと感心しました。
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山のように存在する音楽批評本のなかで本書は数少ない大傑作と呼べる1冊である。そもそも、日本の音楽批評というのは良くも悪くも「ロキノン系」というジャンルの圧倒的な影響下のもと、もしくはその底流に支えられる形で今日まで存続してきた。その結果生まれたのが、今日の栄えているようなどうしよ...
山のように存在する音楽批評本のなかで本書は数少ない大傑作と呼べる1冊である。そもそも、日本の音楽批評というのは良くも悪くも「ロキノン系」というジャンルの圧倒的な影響下のもと、もしくはその底流に支えられる形で今日まで存続してきた。その結果生まれたのが、今日の栄えているようなどうしようもない印象批評であったり、蓮實重彦のようなねじまがった文体に固執しただけのような批評文だったりするのだ。 しかしながら、本作はこれらと立ち位置を全く異にする。それは技術的な見地からの補足に支えられながら、音楽という存在を自分の個人史のなかに位置づけようとしている点である。要約すると、これは「僕にとっての『ペットサウンズ』」について書かれた文章なのである。 もちろん、それは客観性というものを放棄していると解釈されてしまっても仕方がないのかも知れない。しかしながら、その点において、本書はさきほど私が挙げた印象批評などとは天と地ほどの差を生み出しているのだ。一体、誰が「素敵じゃないか」のなかでブライアンが序盤にしゃくりあげて歌っていることに気付くのだろうか?それは、まさしく本書が、著者自らによって書かれた個人史であることの証左であり、著者の青春時代における「ペットサウンズ」との甘く切ない出会いの記録なのである。
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サーフバンド、コーラスグループ、「JCペニーのキャンディストライプ・シャツを着た」アイドルバンド、そしてブライアン・ウィルソンの高い音楽性がジョンレノンやらポールマッカートニーやらにライバル視されていたバンド、ビーチ・ボーイズ。 そんでもってそのバンドの中でも特異な音楽性を持つア...
サーフバンド、コーラスグループ、「JCペニーのキャンディストライプ・シャツを着た」アイドルバンド、そしてブライアン・ウィルソンの高い音楽性がジョンレノンやらポールマッカートニーやらにライバル視されていたバンド、ビーチ・ボーイズ。 そんでもってそのバンドの中でも特異な音楽性を持つアルバム「ペット・サウンズ」について、 そのときのバンドエピソード、時代背景なども踏まえて一曲ずつ丁寧に、愛情たっぷりに紹介した本。 読んでる途中から凄くペット・サウンズ聞きたくなりました。聞きながら読むのがお勧め。 個人的にペット・サウンズって、俺がよく聞くロックで感じる善し悪しの評価軸から外れたところにあるアルバムでした。 それは悪い、ってことじゃないのがややこしくて、真面目な音楽の後ろの方でいきなりパフパフとか女だらけの水着大会みたいな音が鳴るし、犬が鳴くし、それよりも凄く個人的な曲を歌ってる割りには、ボーカルが全然生々しくないし。 なんかすげえってのは分かるんだけど、自分の発想の外から生まれた音楽のような。 でも何度も聞いてると凄さがわかってくるのかな。この本読んでみんなそんな感じだったので、まずなんだか安心しました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ビーチボーイズのアルバム、「ペットサウンズ」について語り尽くした一冊。訳は村上春樹である。音楽にも造詣の深い彼だからこそ、という部分もあるのかもしれない。うまい訳だと評価が高いらしい。 もともとは過日、隣で飲んでいた大先輩のお勧めで、その場でポチッと購入したものである。実は私は、ビーチボーイズをあまりきちんとは聴いたことがないのだ。勧められなかったら出会わなかったであろう一冊である。圧倒的に、ビーチボーイズ・ファンの読者が多いのだろうが、、でも知らないからこそ、感情移入せずに読むことができた、という面もある。 評論めいた部分もあるけれど、全体を通して考えるとやはり、筆者がどれだけ入れこんでいるか、が伝わってくる、そこが醍醐味の文章だと思う。ブライアン・ウィルソンの生い立ちや人間関係、各々の曲が生まれたいきさつまで細かく検証し、その価値を論じる。 誰が何と言おうと音楽は、最後は自分自身が決めるもの。 こうした「他人の意見」を楽しむもよし、無視して自分だけの聴き方をするもよし、だと私は思っている。だからもちろん、「読んで楽しむ」もアリなのだ。 影響されてこのアルバムを買うことにする、、 かどうかは、まだ未定だけれども。
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『陽だまりの彼女』からCD購入を経ての一冊。 ブライアンの個人的な背景、バンドの歴史や 詩の分析からコード進行、編曲 筆者の強い思いい入れまで混ぜた, 長めで濃いライナーノーツ
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この作者,本業はミステリー作家らしい.ペットサウンズに衝撃を受けて人生が変わった1人であり,この作者の目を通してペットサウンズの内容と,それを創作するブライアン・ウィルソンが語られる. 時々見かけるビックリするくらい分厚いミュージシャンの伝記の類と異なり,新しい事実が明らかにされ...
この作者,本業はミステリー作家らしい.ペットサウンズに衝撃を受けて人生が変わった1人であり,この作者の目を通してペットサウンズの内容と,それを創作するブライアン・ウィルソンが語られる. 時々見かけるビックリするくらい分厚いミュージシャンの伝記の類と異なり,新しい事実が明らかにされたりすることもないのだけれど,その時に起こりつつあった事象と,ペットサウンズおよびそれに先立つ幾つかの曲の歌詞の内容が,作者の解釈によってリンク付けされており,また,各曲のコード進行や楽器(ペットサウンズでは本当に沢山の楽器が使われている)についても語られており,ペットサウンズ(アルバムの方)を聞きながら読んでしまった. 実はペットサウンズ(アルバムの方)を聞いた回数は,恐らく軽く100回を超えている.でも,これまで英語の歌詞や曲のタイトルについては何にも考えずに聞いていたわけで,こんな形で歌詞についてもまとめてもらえると,またこれから何百回も聞き続けることになるんじゃないか,と思った. しかし,新潮社の広告の「ビーチボーイズと村上ファンにお勧め!」というコピーはセンスのかけらも感じられない.ガッカリなんだけど,それでも,そもそも村上春樹の力がなければ,ブライアン・ウィルソンを語った本を読む人が一体何人いるのかを考えれば,致し方がないか?
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音楽のことそしてビーチボーイズやブライアン・ウィルソンのことはほとんど知らないながらも、その魅力を感じ取れる文章だった。前にも村上春樹氏によるブライアン・ウィルソンについて書かれた文章を読んだことがあったけれど、かなり詳しい記述であるだけに、この本に書かれていた彼の方に少し明るさ...
音楽のことそしてビーチボーイズやブライアン・ウィルソンのことはほとんど知らないながらも、その魅力を感じ取れる文章だった。前にも村上春樹氏によるブライアン・ウィルソンについて書かれた文章を読んだことがあったけれど、かなり詳しい記述であるだけに、この本に書かれていた彼の方に少し明るさを感じた。 ペットサウンズの内容に僕がついていけるのか心配だけれど、ビーチボーイズの楽曲を聞いてみようと思う。
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ボクが東京へ出た頃、陳腐で下世話な夢があって…それは、 赤いフェアレディZのサンルーフを思いっきり開けたまま、 助手席にワンレン、ボディ・コンの娘を乗せて、横々道路をつっ走る… そこに流すのは、ビーチ・ボーイズ。 で、ボクは彼女に云うんだ… ーブライアン・ウィルソンのコーラス・...
ボクが東京へ出た頃、陳腐で下世話な夢があって…それは、 赤いフェアレディZのサンルーフを思いっきり開けたまま、 助手席にワンレン、ボディ・コンの娘を乗せて、横々道路をつっ走る… そこに流すのは、ビーチ・ボーイズ。 で、ボクは彼女に云うんだ… ーブライアン・ウィルソンのコーラス・ワークって美しいね! やっぱり美しいものには、心奪われちゃうなぁ… 君が隣にいると、ボクが前見て運転できなくなるようにサ! …なんて妄想とは、まったく縁のない日常を過ごしていたんだけれど、 ボクにとってのビーチ・ボーイズって、そんなサウンドにすぎなかった。 あれこれ、いろいろな音を聴くにつれ、どうやら「ペット・サウンズ」って すごいらしい…と知り、随分後になって手に入れた… そこには、山下達郎の思い入れに満ち満ちた長いライナー・ノーツが あって、あ、そういうアルバムなんだな…と思いつつも、 スルーしちゃっていた…今日…久しぶりに ずっと「ペット・サウンズ」をまわしながら、本書を読んだ。 何度も聴いたはずのアルバムなのに、何も聴けてなかった! 説明されて、はじめてわかることばかりだったんだ… このアルバムを通じて想う世界が、180度転換した。 「God Only Knows」では、こんなふうに歌われている… I may not always love you. But long as there are stars above you. You never need to doubt it. I'll make you so sure about it. 昨年の今日…あれから、世界は変わった。 いままでのように感じられなくなったことが、どれほど多いだろう? でも、変わらぬ思いがあることを、それが、どれほどのものであるのかも あらためて見つめ直したい…そんなことを感じる一冊になったのです。
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