ぼくはお金を使わずに生きることにした の商品レビュー
「ぼくはお金を使わずにいきることにした」マーク・ボイル著 を読みました。この本で3点の気づきを得たので記録しておきます。 1.本当の持続可能社会とは 持続可能社会を作るために本当に必要なことは(政府の国民年金制度を維持などではなく)石油資源を始めとするエネルギーへの依存...
「ぼくはお金を使わずにいきることにした」マーク・ボイル著 を読みました。この本で3点の気づきを得たので記録しておきます。 1.本当の持続可能社会とは 持続可能社会を作るために本当に必要なことは(政府の国民年金制度を維持などではなく)石油資源を始めとするエネルギーへの依存度を低くことだろうと思います。著者は1年間お金を使わないで生活することによって、エネルギー依存度の低い生活(石油製品の未使用など)をどの程度行えるかどうかを検証しました。 2.地域社会の中での自給の重要性 彼は森に自生しているものやゴミ箱行きで賞味期限切れ(おそらく健康上なんら問題はないと思う)の食品を譲ってもらってそれを食べています。これは地域と折り合えをつける方法として一番現実的だと思います。最初、私はお金を使わないで生きるという生活者のイメージを「衣食住すべてを自給自足で行う骨太な生活者」と想像していましたがこれは実際には労力の面で現実的ではないと思います。著者はこの点を以下のような言葉で指摘しています。 P268 結局のところ、少人数が互いに依存しあって働くことによって「地域社会の中で自給」を実現するやり方が、一番うまくいくだろうし、もっとも望ましいと思う。 著者は最後にこの金無し生活を1年で一旦終了させ、「お金がいらない暮らしのモデル・ビレッジ」を作るための活動を開始しました。著書の印税を「お金がいらない暮らしのモデル・ビレッジ」を作るための土地購入資金にあてるようです。 金無し生活は一人で行うよりも、ビレッジという集団で実行したほうが機能的分業の効果を期待でき、よりよい成功モデルとなるだろうという考えなのだろうと考えます。 3.お金の意味 私たちはもっとお金というツールの意味を考えないと行けないと思っています。例えば、AさんとBさんが取引をする場合、仲介者の数はお金というツールを介しているが故にほとんど制限がありません。これによって大量の消費・廃棄という、カーボンフットプリントの観点から悪い影響が発生していると考えてよいと思います。お金というツールとしての意味をよく吟味し、お金を使わないという社会を築こうとする著者の考えも一つの選択肢として考えられても良いと思います。 そうすると、著者、マーク・ボイル氏は、現代の森の生活者ヘンリー・D・ソローというよりもインド独立の父ガンジーに見えてきます。
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お金を使わない生活を記録した本です。サバイバル術の紹介ではなく、人々の助け合いがテーマ。無償で与えれば、無償で自分に返ってくるという考え方に感動しました。
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「カネ無し生活」についての本です。この本の主題はエコ活動でも節約術でもなく、「無償で与え、無償で受け取る」ということです。著者は現在の過剰消費に基づく環境破壊の根源は人と消費する物の関係が見えにくくする「カネ」であると考えています。よって「売ること」と「与えること」を明確に区別し...
「カネ無し生活」についての本です。この本の主題はエコ活動でも節約術でもなく、「無償で与え、無償で受け取る」ということです。著者は現在の過剰消費に基づく環境破壊の根源は人と消費する物の関係が見えにくくする「カネ」であると考えています。よって「売ること」と「与えること」を明確に区別し、カネなしで実際に1年間暮らし、自然環境と調和した持続可能な社会という理想のためのテストをします。これは映画にもなった「ペイフォワード」の実践とも言えます。1年間の生活を終えた著者も、カネなし生活で必要なスキルはサバイバル能力等ではなく、惜しみなく与え、分かち合う力だと行っています。つまり自給自足ではないのです。地域社会との関わりで成立するのです。著者はカネなしによって生じる様々な問題を、人との繋がりによって、フリースキルによって現実的に解決していきます。「人の価値はどれだけ与えたかによって決まる。」とは、近頃常識となっている考え方ですが、この本は消費経済から逸した面からそれを伝えています。
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より中身に忠実なタイトル付けるなら、「カネなしで過ごす1年:フリーエコノミーのすすめ」みたいな感じでしょうか、インパクト無いですが。 本作で語られているのは、環境保護とかエコロジーとかだけではなくて、さらに価値観や生き方についての問題提起だと思う。今思ったけど、見方によっては現代...
より中身に忠実なタイトル付けるなら、「カネなしで過ごす1年:フリーエコノミーのすすめ」みたいな感じでしょうか、インパクト無いですが。 本作で語られているのは、環境保護とかエコロジーとかだけではなくて、さらに価値観や生き方についての問題提起だと思う。今思ったけど、見方によっては現代版・出家のススメみたいだ。仏さんこそ信じるわけじゃないが、生臭は食べない(ビーガン)し、カネ使わないと自然に俗世間の諸々と距離を置くことになるし。インターネットがなかったら隠遁生活になるところ。全部真似はできないが、ヒントはたくさん与えてくれる。 同じ考えを持つ人同士を距離を越えて結び付けるインターネットの力はやはりすごい。新しくコミュニティを組織していくこと、カネ至上の価値観からの脱却志向。私も含め世界中の若者が、いま、閉塞感を克服しようと足掻く中で考えていることなのかもしれない。
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一年間お金を使わずに生活を送るという内容の本。 著者が送ったような完全にお金無しの生活を真似る事は難しいとは思うが、カネ、モノに支配されない生活を送るために、自分にも何かできるのではないかと感じることができた。
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