ソーシャル・キャピタル入門 の商品レビュー
ソーシャル・キャピタルは、良いことばかりではなく、格差を生み出す可能性や犯罪を助長する可能性もあり、ダークサイドの部分も理解しておかないといけないのが気づきだった。
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ソーシャルキャピタルは、簡単に言うと、人と人、社会との相互信頼や絆としてのネットワークであると解釈した。それを強めていくことが人との人との関係性、仕事の中での生産性、教育、政治経済、といった自分を取り巻く大きな範囲までその影響をうけることから、その重要性について理解できた。ソーシ...
ソーシャルキャピタルは、簡単に言うと、人と人、社会との相互信頼や絆としてのネットワークであると解釈した。それを強めていくことが人との人との関係性、仕事の中での生産性、教育、政治経済、といった自分を取り巻く大きな範囲までその影響をうけることから、その重要性について理解できた。ソーシャルキャピタルが強く形成されていればそれは好転するが、弱い、または、ない状況には社会問題や経済に悪い影響を及ぼす。 また、時代の変化により、ソーシャルキャピタルが希薄化し、格差社会によりその溝がさらに深まっていく悪循環の恐れがある。資本主義経済において、今後の世の中で格差社会をなくすことはできないと考える。格差を格差と感じさせない、表面的には格差がある上でもソーシャルキャピタルが築いていけるような人との関係性、地域との関係性を作っていくことが重要であり、それが好循環化、社会の好転に繋がっていくことも理解できる。問題は、どのようにそのような社会を作っていくか。 個人としては、日常での人とのつながりや長い人生を考える上で、人との関わり方、自分の幸せを感じられるような生き方と振る舞いを意識して生活していきたいと思う。 メモ ・社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)とは、その定義には実にさまざまなものがあるが、わかりやすく言えば、人々が他人に対して抱く「信頼」、それに「情けは人の為ならず」「お互い様」「持ちつ持たれつ」といった言葉に象徴される「互酬性の規範」、人や組織の間の「ネットワーク(絆)」。おおざっぱに言えば、これらの社会関係資本によって、集団としての協調性や、「ご近所の底力」といった、市場では評価しにくい価値が生み出される。
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目的: 人とのつながりが、なぜ重要か、社会科学的に理解するため。 感想: ソーシャル・キャピタルの入門として良書。 わかりやすく、コンテクスト、先行研究がまとめられている。ソーシャル・キャピタルとは、一般的に人々に協調的行動を促す「信頼・規範・ネットワーク」だと定義される。 ...
目的: 人とのつながりが、なぜ重要か、社会科学的に理解するため。 感想: ソーシャル・キャピタルの入門として良書。 わかりやすく、コンテクスト、先行研究がまとめられている。ソーシャル・キャピタルとは、一般的に人々に協調的行動を促す「信頼・規範・ネットワーク」だと定義される。 特に、社会関係資本が不平等によって毀損されるという議論が面白い。筆者は、社会関係資本を豊かにすることが社会に不可欠であると論じており、そのためには不平等の改善が急務であるとまとめている。 また、社会関係資本のダークサイドとして、悪いネットワークや規範の強制の議論が見られる。この部分は、人間的に成長することが不可欠だと思う。
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デジタル化で私たちの人間関係がどう変わるか、興味があります。よく考えたら、その前にそもそも絆とか社会的関係をよく知らないと思い、本書を読みました。 基本的な知識を得るには十分な内容だと思います。
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ソーシャル・キャピタル(以下SC)の概説本。 渡辺京二の戦国→江戸論や、イースタリーやスティグリッツの開発経済学での順序が大事論や、テキヤ稼業と地域社会との関係性や、たまたま最近はSCが気になるワードだった。SCみたいなものが大事だね、というところまでは直観で分かるが、その先の...
ソーシャル・キャピタル(以下SC)の概説本。 渡辺京二の戦国→江戸論や、イースタリーやスティグリッツの開発経済学での順序が大事論や、テキヤ稼業と地域社会との関係性や、たまたま最近はSCが気になるワードだった。SCみたいなものが大事だね、というところまでは直観で分かるが、その先の分析的な研究の様子が知りたかった。 ソーシャル・キャピタル、または社会関係資本は「信頼」「規範」「ネットワーク」の3つの要素からなる。著者はこれらに「心の外部性」を伴った、というちょっと分かりにくい定義を付け加えている。たしかに、人の心の中での認識と切り離せないが、敢えて「心の」と銘打つことによって、むしろ曖昧で分かりにくくなっている。本書全般に言えることだが、何がSCを形作り、SCは何に影響を与えるかが分析されるものの、相関と因果の見極めも難しく、因果関係のメカニズムについてはっきりと仮説が提示されるわけでもない。何となく話はわかるが、モヤモヤ感がつきまとう。パットナムにも同様の批判があるそうなので、研究分野自体の未発達を反映しているのだろうが。 井伏鱒二の小説で、働く旅館によって全然ちがう扱いを受ける番頭さんの話をSCの一例にあげる。フィクションなのがイマイチだが、SCが個人でなく社会・ネットワークに帰属するという主張を解説するには面白い。 SCの「心の」外部性の特徴 ・人が認識してはじめて意味を持つ ・市場に内部化できない(人の好意にカネを払えない) ・他者の存在が必要 ・社会の中での相対的位置で左右される、クローズ/オープンネットワーク、橋渡し型/結束型 ・波及効果が高い →敢えて言う価値がありそうなのは2点目、4点目くらい? 私的財→クラブ財→公共財 →私的財は人脈みたいなものか、ある意味当たり前。公共財のSCが興味深い。 SCの効用 経済、地域社会安定、健康、教育、政府の効率(パットナムですな)に役立つとして、様々な研究が列挙されるが、逆の結論が出る場合もあるし、因果関係やメカニズムは全くはっきりしない印象。難しいって事だが。 SCの測定 NPOの数や寄附金額、献血者数などの客観的データと、調査票による主観的データの両方で測定する。著者は測定方法は進歩しているというが、どこまで信頼性がありそうなのかは本書の記述では伝わらず。山岸俊男の本にもあった、「他人をどれだけ信頼できますか?」というパターンの質問が定番だそう。定番の質問があれば、国や時系列での比較ができるわけで。 長野県須坂市での調査。古い農村の区が残り、「助け合い起こし」・保健婦・産婦人科医の招致など、地域社会レベルの活動が盛んな土地柄。調査の結果はso what感があるが、人助けだけでなく、助けられた方を表彰するというエピソードが面白かった。たしかに助けられる側の抵抗感は普通あるだろう。表彰することでそれが低減できるかどうかはよく分からんが、目の付け所がよい。 SCには男女差がある。男性の方がSCが少なく、特に退職後の近所づきあいへの転換が難しい。でも、これも世間知の範囲を全くでない。 経済的格差(所得&資産)がSCを破壊する。因果的には逆ルートが強そうな気もするが。ここの議論も通俗的で、ハッとするところはない。 SCはしがらみにもなりうる。そりゃそうだ。
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書店で本を買うときは、大体池袋で、東武の旭屋書店かサンシャインの新栄堂書店。店舗面積としては圧倒的に旭屋書店に分があるのだが、読みたくなる書をよく発見するのは新栄堂書店。先日「つながり」をテーマにした書をコーナーにしていて、思わず本書を含めて数冊買い漁った。 ソーシャル・キャピタ...
書店で本を買うときは、大体池袋で、東武の旭屋書店かサンシャインの新栄堂書店。店舗面積としては圧倒的に旭屋書店に分があるのだが、読みたくなる書をよく発見するのは新栄堂書店。先日「つながり」をテーマにした書をコーナーにしていて、思わず本書を含めて数冊買い漁った。 ソーシャル・キャピタルは大学4年の時に卒論を書いているときに気になった言葉。当時面白いテーマだと思ったが、それ以来あまり目にしなかった。懐かしいなあと思いながら読んだ。 「もう少し社会関係資本について知りたい読者のためのリーディングリスト」を見ると、2000年以降の著書がほとんど。最近になってようやく研究され始めたということなのだろう。 ソーシャル・キャピタルが経済活動・地域社会の安定・健康・教育水準・政府の効率などと相関関係があるとしている。いまだに魅力のあるテーマだという印象があるが、今冷静に考えると、著者も指摘している通り、ひとえにソーシャル・キャピタルをそれらの好影響の要因とするのはなかなか難しい。相関関係は必ずしも因果関係にはならないし、第三の因子も検討する必要がある。また、概念が広すぎて、相関関係すら測定するも難しいと感じた。今後の研究に期待したい。
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「社会関係資本」と訳されるソーシャル・キャピタルに関する入門書。 ソーシャル・キャピタルの定義やその概念の歴史、 ソーシャル・キャピタルが醸成されることによる得られる効果と負の側面についてまとめられている。 筆者はソーシャル・キャピタルを「心の外部性を伴った信頼・規範・ネットワ...
「社会関係資本」と訳されるソーシャル・キャピタルに関する入門書。 ソーシャル・キャピタルの定義やその概念の歴史、 ソーシャル・キャピタルが醸成されることによる得られる効果と負の側面についてまとめられている。 筆者はソーシャル・キャピタルを「心の外部性を伴った信頼・規範・ネットワーク」と定義している。 ソーシャルキャピタルが豊かな地域は、政治的コミットメントの拡大、子供の教育成果の向上や、地域の治安向上、地域住民の健康状態の向上など、経済面社会面において好ましい効果をもたらしていると指摘している。 また、これらの外部性(筆者の言うところの"心の外部性")は内部化せずに外部化したままがよいとも指摘している。 人とのつながりが大事であることは分かるのだけど、疑問が多い本だった。 研究事例から、相関関係がありそうなものはあげられていたが、 それがどういうメカニズム、因果関係なのかは疑問の余地がありそうと感じた。 また「しがらみ」に見られるように、ソーシャル・キャピタルが多いことによる負の側面について、 ソーシャル・キャピタルが多い=よいこと という論調で書かれているのも気になった。 (負の側面についても章立てされているが、両刃の剣だから注意してね、としか言及していない) スマートフォンやSNSの普及に伴い、 ソーシャル・キャピタルの質も変容、多様化してきていると思うが、 それらに関する言及はないため、あくまで現実で接している人とのみの話でしかない。 ICTにより世界中の人とつながれるようになった今、 ソーシャル・キャピタルはかつてないほどに豊かになったのではないか? しかしそれらが、子供の教育成果の向上や、地域の治安向上、地域住民の健康状態の向上など、 経済面社会面において好ましい効果をもたらしているとは言えない。 入門書としてはこれでいいかもしれないが、 最新の研究についてもほしいところ。
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これは格差が固定するのは仕方ないな、という感想。育ち方とソーシャルキャピタルの質は緊密に結びつく。負の側面、と言っている部分が説得力があった。
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ソーシャル・キャピタルって、「つながり」とかいうけどなんだか漠然としているなぁ、よくわかんねぇなぁ…という迷える子羊に。いや結局ソーシャル・キャピタルはこれだ!と定義できるようになるわけではない。(一義的に定義するものではないとわかりました)しかしそれがに何とつながっているか、特...
ソーシャル・キャピタルって、「つながり」とかいうけどなんだか漠然としているなぁ、よくわかんねぇなぁ…という迷える子羊に。いや結局ソーシャル・キャピタルはこれだ!と定義できるようになるわけではない。(一義的に定義するものではないとわかりました)しかしそれがに何とつながっているか、特に経済学などとの関連が、偉大なる先生方がなぜソーシャル・キャピタル棒を振りかざして走り回っているのか、なるほどこういうことね、くらいは思えるようになった。結論:イイ感じに入門書。
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入門と銘打っているだけあって、現状把握のための調査報告的資料が続き、読み物としての面白味には欠けるけれど、説得力はあり。取り敢えず、ご近所さんとは仲良くしようっと。
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