排出権商人 の商品レビュー
国家間、先進国と発展途上国、排出権の供給者と需要家などの思惑の描写が生々しく描かれており面白い。そこに投資家、空売り屋が介在して誰のための制度なのか、利益の再配分が適切にされているのか、というような問題提起がされる。 一般向けでなくなるかもしれないが、個々をもっと深く厚く描写して...
国家間、先進国と発展途上国、排出権の供給者と需要家などの思惑の描写が生々しく描かれており面白い。そこに投資家、空売り屋が介在して誰のための制度なのか、利益の再配分が適切にされているのか、というような問題提起がされる。 一般向けでなくなるかもしれないが、個々をもっと深く厚く描写して、上下巻くらいにしてもよかったかも。
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再読。 これまでの黒木氏の作品でほぼ唯一の、女性が主人公となった作品(他には、『国家とハイエナ』ぐらい)。 所謂”ガラスの天井”と、排出権ビジネスを、身に迫るストーリーで体験できる本作。 女性総合職の扱いに困る企業とか、私の周りでもよく聞くので、このように取り上げられて問題...
再読。 これまでの黒木氏の作品でほぼ唯一の、女性が主人公となった作品(他には、『国家とハイエナ』ぐらい)。 所謂”ガラスの天井”と、排出権ビジネスを、身に迫るストーリーで体験できる本作。 女性総合職の扱いに困る企業とか、私の周りでもよく聞くので、このように取り上げられて問題意識を持ってもらうということだけでも意味があると思う。 また、地球温暖化が進んだ今だからこそ、排出権ビジネスの虚像はしっかりと学べたのも、再読した価値があった。 テーマを上述の2つだとすると、欲をいえば文庫版で上下巻になるぐらいのヴォリュームで書いてほしかったな。
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ESGがリベラルアーツになりつつある昨今、排出権取引あたりもちょっと勉強できると良いなぁと思っていたら図書館の棚で発見。ちょっと古いけど黎明期の話を勉強するのも良いかなと思って読んでみました。 著者の本に触れるのは4作品目。ビジネス小説が読みやすいと思うお年頃になってきてしまいま...
ESGがリベラルアーツになりつつある昨今、排出権取引あたりもちょっと勉強できると良いなぁと思っていたら図書館の棚で発見。ちょっと古いけど黎明期の話を勉強するのも良いかなと思って読んでみました。 著者の本に触れるのは4作品目。ビジネス小説が読みやすいと思うお年頃になってきてしまいました…(苦笑 さて本著、京都議定書が発効した2005年から少し経った頃の話のようなので、ざっくり15年前の話。 「実は、地球は温暖化していなかったなんてことになったら、この会社はつぶれるんだろうな」なんて論調のフレーズは、まぁ15年後の今では全くなくなった…とまでは言わないものの、かなりのマイノリティになってますね。 しかし、結局ヨーロッパ主導で本当に地球のためになってるのかわからないという点は変わらず。(足元では石炭火力やエンジン自動車が過剰に冷遇されてるよなぁ…) あと、著者の『獅子のごとく』では比較的知っていた業界なのでどの会社がモデルになっていて…というのが推測できたんですが、本著は馴染みのない業界だったので主人公の「新日本エンジニアリング」のモデルの推測がつかず…。JFE?ストーリー展開を鑑みると明確なモデルは設定してないのかもしれませんが。 「やまとパワー」はJPOWERなんだろうなぁと当たりをつけてみたんですが、こういうのがわからないとちょっと自分に対してモヤッとします(笑 本著、ストーリー展開としてはそこまで手に汗握るとまではいかず、ただ元々がこの分野を軽く勉強したいという目的だったので、学習マンガ的な位置づけでほどほどに楽しく読了しました。 後は、足元の状況をアップデートしないと…。
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はじめ、排出権の仕組みを理解するのが疲れた。ほんと、こういったことはルールを決めたもん勝ちだと思う。日本はこういうのは苦手なのかな?空売りファンドとどう繋がってくるのかを期待しながら、楽しんで読めた。
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主人公の冴子みたいだな、と言われて読んだ本。 なるほど…と納得する部分もあり(マッサージ好きなところとか、すぐ感情移入するところとか)、そうでもない部分もあり。でもなんとなく重ねて読んでしまった。 あと、国際的な会談の場の描写などが個人的に面白かった。平常心を装いつつも心の中で「...
主人公の冴子みたいだな、と言われて読んだ本。 なるほど…と納得する部分もあり(マッサージ好きなところとか、すぐ感情移入するところとか)、そうでもない部分もあり。でもなんとなく重ねて読んでしまった。 あと、国際的な会談の場の描写などが個人的に面白かった。平常心を装いつつも心の中で「こいつ…!(ギリギリ)」みたいな場面もあるんだろうな〜と。
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排出権と女性のキャリアについて描いたお話。 排出権って難しいですね。 仕組そのものも難しいが、一番難しいのが排出権の存在意義。 物語中にも出てきたが、物そのものだけでなく、それに携わる人の心が伴って本当に良いものができあがるわけ。 排出権は本当に環境のためになっているのか? 読ん...
排出権と女性のキャリアについて描いたお話。 排出権って難しいですね。 仕組そのものも難しいが、一番難しいのが排出権の存在意義。 物語中にも出てきたが、物そのものだけでなく、それに携わる人の心が伴って本当に良いものができあがるわけ。 排出権は本当に環境のためになっているのか? 読んでいて、いろいろと考えさせるお話でした。
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考えたこともない世界。 イイも悪いも世界はドライだなと思う。まるで0と1の羅列、デジタルな世界とで言わんばかり。 それに一番怖いのは最後、排出権の存在意義。ある博士から話を聞かせてもらい、本当に二酸化炭素が地球の温暖化に関与しているかどうかだ。 ビジネス先行の思考が歪めて...
考えたこともない世界。 イイも悪いも世界はドライだなと思う。まるで0と1の羅列、デジタルな世界とで言わんばかり。 それに一番怖いのは最後、排出権の存在意義。ある博士から話を聞かせてもらい、本当に二酸化炭素が地球の温暖化に関与しているかどうかだ。 ビジネス先行の思考が歪めてしまっているのではないかとボク自身も感じました。 何を持ち、何を考え、どう行動するか。 一つ間違えれば、すべてが揺らぐ綱渡りのような世界をボクらは生きているのかもしれない。
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当時の鳩山由紀夫首相が国連気候変動サミットで温室効果ガズ排出量を2020年までに25%削減すると公約した。これをチャンスと捉えた企業は排出権、環境ビジネスを世界景気低迷の救世主と位置づける。現在の状況はというと、2020年ごろには二酸化炭素の排出が増えることで気温がほとんど上昇...
当時の鳩山由紀夫首相が国連気候変動サミットで温室効果ガズ排出量を2020年までに25%削減すると公約した。これをチャンスと捉えた企業は排出権、環境ビジネスを世界景気低迷の救世主と位置づける。現在の状況はというと、2020年ごろには二酸化炭素の排出が増えることで気温がほとんど上昇しないことが明らかになり、温暖化バブルは崩壊している。知りたいことはエピローグとあとがきを読めば十分である。
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排出権のしくみが小説ならではの読みやすさでよくわかる。今の仕事に役に立ちそう。ただ、興味のない方は読むのが疲れるかも。
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エンジニアリング会社の仕事が分かる。世界中の僻地を飛び回って切った張ったの交渉をする、こういう働き方は自分には出来なさそうだな。日本を支える立派な仕事。 もちろん、排出権の仕組みも分かります。
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