排出権商人 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
概要に書かれているスリリングな展開がなかなかはじまらない…そして始まったと思ったらあっさりと終わっていました。 期待していたものとは違っていましたが、排出権取引の様子がわかったという意味では良かった。(ところで、この本はどこまでリアリティがあるのでしょうか)
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排出権取引と、女性総合職の生き方をテーマにする経済小説。 何が善で何が悪なのか。環境ビジネスとは何なのか。この小説はこのような素朴な疑問を掻き立ててくれる。 登場人物も、初めは環境問題の解決のため尽力出来ているという誇りや、達成感を持つが、ビジネスに深く関わるにつれ、環境ビジネス...
排出権取引と、女性総合職の生き方をテーマにする経済小説。 何が善で何が悪なのか。環境ビジネスとは何なのか。この小説はこのような素朴な疑問を掻き立ててくれる。 登場人物も、初めは環境問題の解決のため尽力出来ているという誇りや、達成感を持つが、ビジネスに深く関わるにつれ、環境ビジネスの政治性や経済性が浮き彫りにされ、自分のしている事の意味とは何か、という思いに苛まれる。 私見としては、このような政治性、経済性をもってしても、排出権取引というビジネスの格好よさは変わらないし、京都議定書の負け組である日本であるからこそ、このビジネスで利益をあげる意味があるのではと感じた。 また、未知のビジネスを自分の手で形作って行く、このような生き方に強い憧れを抱いた。
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京都議定書で誕生した排出権の取引について書かれた小説。 テーマがわかりにくいだけに、なかなか読むのは疲れる。また、読めば読むほど排出権というもの自体の胡散臭さが際立つ。
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環境ビジネス、特に排出権については如何に多くの利権が絡んでるかが良く分かる。今日本では、原発に替わるエネルギー源として自然エネルギーが脚光を浴びているが、今までの利権構造は変わらず、登場人物だけ代わるような気もする。まず、政治の後押し、手当金がないと成り立たない(競争社会では存続...
環境ビジネス、特に排出権については如何に多くの利権が絡んでるかが良く分かる。今日本では、原発に替わるエネルギー源として自然エネルギーが脚光を浴びているが、今までの利権構造は変わらず、登場人物だけ代わるような気もする。まず、政治の後押し、手当金がないと成り立たない(競争社会では存続し得ない)ビジネスを何も考えずにガンガンやり始めるところにも疑問は湧く。具体策がないと、説得力はゼロ。
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いったいいつから面白く(不正などをめぐる攻防スタート)なるんだろうと読んでいました。 得意の仕掛け発動はほんと終盤も終盤だったので、少し退屈しましたが、排出権のことがこれほど詳細に描かれているのは、感心。 大仕掛けを期待してましたが、たまにある女性3世代(戦時、戦後、現代)のド...
いったいいつから面白く(不正などをめぐる攻防スタート)なるんだろうと読んでいました。 得意の仕掛け発動はほんと終盤も終盤だったので、少し退屈しましたが、排出権のことがこれほど詳細に描かれているのは、感心。 大仕掛けを期待してましたが、たまにある女性3世代(戦時、戦後、現代)のドラマのような要素も取り入れて、小説エンロンとは違った味も出ていたように思います。 まだ全然黒木さんの作品は読んでないので、次、何読もうかなーと考え中。
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パンアゲ率いる北川のシリーズもの。毎度読む度に筆者の幅広い分野にまたがる取材及び調査には驚かされる。舞台は2006年から2008年の日本および主要国。震災以降、原子力発電に対する風向きも変わり、京都議定書第二次約束期間の不参加といった環境ビシネスにおける環境変化は著しいし、今なお...
パンアゲ率いる北川のシリーズもの。毎度読む度に筆者の幅広い分野にまたがる取材及び調査には驚かされる。舞台は2006年から2008年の日本および主要国。震災以降、原子力発電に対する風向きも変わり、京都議定書第二次約束期間の不参加といった環境ビシネスにおける環境変化は著しいし、今なおその動向は予断を許されない。そうした現在においても本書は取材力によってリーマンショックまでの数年の背景にあった小説が描かれており読みごたえがあった。
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温暖化ガスの排出権に関する小説。排出権に関する知識ゼロから学べる経済小説。著者のバルジブラケットも勉強になったけど、これも良書。
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ビジネス小説としては、秀逸であろう。 環境問題、とりわけ二酸化炭素の排出権という概念が、いかに政治的で利権にまみれているか、この本でよくわかる。 また、中国でのビジネスの特異性なども実感として伝わってくる。 読み応えのある作品だ。
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大気中に排出されている二酸化炭素が巨額の金に化ける。今の世の中ではこういうことをめぐって虚虚実実のやり取りが繰り広げられていることをこの小説から知りました。 まだ読み始めたばかりなのであんまり大きなことは言えないんですけれど、この人の国際経済小説は非常に面白いです。ここで扱われ...
大気中に排出されている二酸化炭素が巨額の金に化ける。今の世の中ではこういうことをめぐって虚虚実実のやり取りが繰り広げられていることをこの小説から知りました。 まだ読み始めたばかりなのであんまり大きなことは言えないんですけれど、この人の国際経済小説は非常に面白いです。ここで扱われている題材は「カーボン・クレジット」日本語で言うところの排出権取引にまつわることを書いているものです。空気、特に二酸化炭素が大金に化ける。これが「排出権ビジネス」の実態何だそうです。温室効果ガス削減か? はたまた排出権の購入か?温暖化防止の美名の下でこういうもの生まれたんですね。 「まったく新しい国際ビジネス」 という触れ込みだそうですが、世の中にはこういうビジネスがあるんですね。商魂たくましいというのかなんというのか…。僕に判断しかねます。 肝心の物語のあらすじを言うと主人公は冴子という女性なんですが、すごく自分の仕事に誇りを持った凛とした感じの女性で、こういう小説にありがちな艶っぽい場面がないのが逆に好感が持てました。男女雇用機会均等法が施行されて働く女性の本音がところどころにあって、それがうかがい知る事ができるということもまた見所です。
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