1,800円以上の注文で送料無料

鬼の跫音 の商品レビュー

3.6

233件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

    81

  3. 3つ

    84

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2026/04/15

心が「鬼」に捕らわれた人たちのホラーサスペンス短編集。 共通点は、主人公が病んでて狂ってる(なにかしらの事件に関わっている)、不気味な鴉、Sという謎の男。 Sは必ず登場するが、時代背景も異なるし、死んだり捕まったりしてるし?で、恐らく同一人物ではない…と思う。 描写される空気感が...

心が「鬼」に捕らわれた人たちのホラーサスペンス短編集。 共通点は、主人公が病んでて狂ってる(なにかしらの事件に関わっている)、不気味な鴉、Sという謎の男。 Sは必ず登場するが、時代背景も異なるし、死んだり捕まったりしてるし?で、恐らく同一人物ではない…と思う。 描写される空気感が不穏で読んでて不安になってくる短編集でした。

Posted byブクログ

2026/03/01

短編なのにどれも読み応えがあり、じわじわくる怖さと幻想の中を彷徨っているような、読んでいて後ろから鬼の跫音が近寄ってくるような感覚がしてきた。面白かった。

Posted byブクログ

2026/02/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これはじわじわ不気味さが入り込んで、そこから恐ろしい出来事が展開する。道尾さんらしく負担がなく軽い、面白い作品だった。 鈴虫 大学時代のこと、ずっと好きだった杏子は友人のSと付き合いだした。私は嫉妬した。壁の薄い隣の部屋でSは杏子と会っていたが、違う女の声も混じるようになった。崖から落ちたSを河原に埋めたのは私だ。そばで鈴虫が見ていた。Sが死んで杏子と結婚した。息子が学校から鈴虫をもらってきた。籠を覗くと鈴虫が私を見て何か呟いた。秋が来て鈴虫は死んだ。メスはオスを食い殺すと息子にも教えてやった。11年ぶりにSの死体が見つかった。死体にかけた私の背広には学生証も財布も入ったままだった。刑事の質問が続く。 犭(ケモノ) 部屋の椅子が倒れて足が取れた。刑務所の作業場で作ったものだったが、折れた足に落書きが彫ってあった。「父は屍  母は大 我が妹よ 後悔はない」と読めた。その後にSという名前があった。 Sを検索すると、彼は過去の事件で無期懲役になり、その後自殺していた。ボクは調べたSの村に行って事件のことを訊ねる。そして椅子の足に書いてあった文字の意味に気がつき、Sの恐ろしい悲しい運命を知ってしまう。 僕は家の中では誰からも相手にされない、出来損ないだと思われていた。優秀な家族はボクのことを気にもかけない。 Sのメッセージを解いたボクは、誰も待ってくれていない家に帰る。 これは最後を読むと、途中で何度も作者の意図が表れた文章に出会う。ああ巧みな伏線だったのか。これは全く非の打ち所がない一編。 よいきつね 20年ぶりに取材をかねて帰った村は稲荷神社の秋祭りだった。 高校生時代、悪友に乗せられ、ふざけ半分で女を空になった神輿蔵に連れ込んで犯したことを思い出す。見張り役の仲間がいたがうまく現場から追い払われてしまっていた。神輿蔵の一件は黙っていたので騒ぎにはならなかった。 橋のたもとに未だ神輿蔵はあった、そこで自分に似た男を見かける。 暁闇、日が落ちた後のかすかな空の明かり、そんな不思議な時間には現実と幻が混じり、自分と他人の境も朧になる。長い竹竿の下で伝統芸能の「よいきつね」が面白おかしく演じられている。過去と現在の境、祭りの夜は見えないものが見えることもある、隠したものが現れることもある。 そんな夢幻のような一夜の中の不思議が、静かに恐ろしく書かれている。これも秀作。 箱詰めの文学 これは技巧的な一編。 作家と友達のS、彼が作品を盗んだのか。作家の盗作か。原稿は泥棒が盗んだのか。泥棒はSの弟だという。 ないはずのネコの貯金箱を盗んだとその泥棒は言う。中に紙がたたんで入れてあった。「残念だ」あの原稿用紙の文字だ。 過去のことは過去にして、泥棒だったSの弟とSの墓参りに行くそして真相を知る。 謎解きクイズのような形式で引っ張られる。 冬の鬼 仲良く暮らしている夫婦の秘密。 妻の日記が遡るにつれて二人の秘密が明らかになる。 谷崎の「春琴抄」を思わせるような、それ以上に不気味な恐ろしく悲しい話。 悪意の顔 人が入ってしまう絵の話。 はじめは悩みを閉じ込めてくれる絵だった。苛められっ子は臆病な心を絵に移し替えて貰った。 その絵を描いた人の妻は絵に入りたかった。 絵で救われることもある不思議な話。

Posted byブクログ

2026/01/12

短編です。面白かった❣️怖かった❣️人の奥にある恐ろしい悪魔が出てきて、じわじわと怖かった。ストーリーもどんでん返しが、よかったです。道尾秀介さんのファンです。「カラスの〜」「カエルの〜」など、詐欺系人情ストーリーの方が、サイコーに好きです。ただの自分の好みだけど。

Posted byブクログ

2025/12/17

6つの短編集、各章それぞれのSが登場する。心の鬼に操られるように人の悪しき願望がむき出しとなる怖さがあった。

Posted byブクログ

2025/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

道尾秀介の短編集。どの作品もとても暗い雰囲気ぐあり恐怖心が湧き上がる作品。 鈴虫 過去のとある死体遺棄事件をきっかけに展開される短編ミステリー。「鈴虫」を不気味な象徴の様に扱っており、主人公は「鈴虫」の存在によって精神的に追い詰められていく。被害者Sは好ましがらざる人物に見え、彼を殺害したことで杏子はある意味で救われたのかも知れないが、主人公との関係を考えると余りにも不幸な物語だ。 完全犯罪の考え方については賛成であり、ミステリーであるからには完全犯罪にならない事はジレンマだ。 犭(けもの) とある青年が、自身の家にあった刑務所作業製品の椅子から見つけた謎の暗号をきっかけに、それを作った人物の生きた痕跡を辿る作品。 主人公の家族は優秀な人達で、主人公は劣等感を感じながら、自分自身を見つめ直す為に旅に出かける。 陰鬱な事件の真実を通し、青年の更生の物語かと思いきや。最後のどんでん返しはさすが道尾秀介だ。 よいぎつね 幼少期から青年時代を過ごした田舎に数年ぶりに帰ってきた男性。過去に何かしらのの体験がありその心残りに決着をつける為に自信が過ごした場所、そしてお祭りの夜に戻ってきたが。 結末にいたるまで、いまいち全容が掴めなかったが、自分なりに解釈し、結末を受け入れた作品。 箱詰めの文字 導入から新しく最後まで構成が面白かった。 とある作家と、彼の家から物を盗んでしまったという青年が謝罪に来るという設定でストーリーが進行していく。読みながら結末を推測してみるが全く想像しえない内容に驚愕してしまった。 主人公である作家の人間性が何段階にも明かされていく魅力的な作品。 冬の鬼 このシリーズで唯一、救いがあるであろう作品。結末を選択したのがお互いの考えであれば問題ないと思えてしまう。ある意味主人公達二人は今後二人だけの世界に生きていく決心をしており、心が壊れる前に(逆説的に推測も出来るが)間に合ったのだろうと思いたい。お互いがそれぞれの境遇によって、精神が破綻していたとしたらなんて悲しいストーリーなのだろう。 悪意の顔 Sの様な人物に目をつけられてしまったらどうすれば良いのだろう。主人公がSの呪縛から逃れる為にとった行動について正しいと思ってしまった自分は異常なのだろうか。しかし、その賭けに失敗し、Sは学校に戻ってきてしまった。Sが正気を取り戻してしまえば、今まで以上に恐ろしい状況になる様な気がした。こういった「逃れられない関係」を題材にした作品は多いが、その中に「異物」を叩き込んだ物語は見事。読了後の恐怖心、後味の悪さも絶妙だ。 作品通して相手側が全て「S」表記なのが禍々しい。同一人物ではあり得ないが、それぞれの作品の関係者、登場人物達が「S」として繋がっていると仮定すると物凄く恐ろしい。リレーであれば説明がつくし道筋が出来てしまう。  最近使っていなかった部分の感情が引っ張り出された様な印象だ。

Posted byブクログ

2025/07/19

短編集。 キーとなる人物が全てSと表記されてて繋がるのか?とも思ったがそれはなかった。 どれも非常に質の高い短編であるが、特に1/8から日記システムで遡っていく話はぞわぞわして秀逸だった。 どれもこれも、予想を少し上回った結末に収束していく。

Posted byブクログ

2025/05/22

ケモノ、冬の鬼 箱詰めの文字、よいぎつね、鈴虫 悪意の顔 の順で好き 全編どんでん返しや叙述トリックが仕掛けられていて飽きない。 考察しがいのある締め方が多いので読み終えて、モヤモヤした気持ちが残るものの自分で考えたり、考察サイト読んだり楽しめる作品だった。 2025.052...

ケモノ、冬の鬼 箱詰めの文字、よいぎつね、鈴虫 悪意の顔 の順で好き 全編どんでん返しや叙述トリックが仕掛けられていて飽きない。 考察しがいのある締め方が多いので読み終えて、モヤモヤした気持ちが残るものの自分で考えたり、考察サイト読んだり楽しめる作品だった。 2025.0520.15

Posted byブクログ

2025/05/18

Sや虫、カラスがずっと出てくるから続き物かと思いきや全く別の短編。 道尾さんのNを読んだ後だから、勝手に1冊の中で関連性があるのかと期待してしまっていた(;_;) 割と読み手に委ねられる系が多い印象?現実味がなく、ファンタジックな設定に人間のリアルなグロテスクさが混ざっていて、...

Sや虫、カラスがずっと出てくるから続き物かと思いきや全く別の短編。 道尾さんのNを読んだ後だから、勝手に1冊の中で関連性があるのかと期待してしまっていた(;_;) 割と読み手に委ねられる系が多い印象?現実味がなく、ファンタジックな設定に人間のリアルなグロテスクさが混ざっていて、全体的に薄気味悪い

Posted byブクログ

2025/04/03

 様々な『S』という人物が出てくる、ホラーミステリー短編集です。  どのお話も一話完結で、別の人物だけれど『S』というキーマンが登場します。  淡々と紡がれる物語の中には、静かな狂気がひんやりと流れています。それがどのようなきっかけで、どのような衝動で、もしくは計画的な何かで、...

 様々な『S』という人物が出てくる、ホラーミステリー短編集です。  どのお話も一話完結で、別の人物だけれど『S』というキーマンが登場します。  淡々と紡がれる物語の中には、静かな狂気がひんやりと流れています。それがどのようなきっかけで、どのような衝動で、もしくは計画的な何かで、あふれだして通常であれば越えないだろう一線を越えてしまう。主人公だったり、その周りだったりが抱く狂気や、悪意や、悲しみや、愛情になんとも言い難い静かな恐ろしさを感じます。  日常の中に潜む人の感情について考えさせられる話です。  ホラーとして読むにはオカルト的な部分はありません。が、『人』が怖いという意味では、十二分にホラーとも言えるように思います。  一篇ずつに謎めいた部分があり、お話の終盤にそれが解消されるような構図になっているので、ミステリといえばミステリなのかもしれません。  いずれにせよ、この人たちはこの後どうなるんだ、と思ってしまう余韻を感じさせる短編集でした。  この作者のお話は、読後感がなんとなく癖になる気がしています。

Posted byブクログ