かわいそうだね? の商品レビュー
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面白かった。 主人公が爆発する感じがすっきりした。好きな相手を正当化しようとして、その人が好きな自分も正当化しようと努力してるけど、それが負担に……。他人でも自分でも、丸ごと愛することなんて出来るんだろうか。溜め込んでいた部分が野性的に発散されているのが、生物的にある意味生存していくための方法なのかもしれない。 (かわいそうだね?) 圧倒的な美人に生まれて、誰のことも理解できない孤独な亜美ちゃんが、自分につれない態度をとる人にのみ心を許すのは切ないけど、さかきちゃんと巡り合わせがあって良かったと思う。大切な人は、ちゃんと大事にして良い時間を共にすごしていきたいと思った。 高校生女子にとって顔イコール人間の価値なのはリアルで、悲しい。美人は自分のためじゃない……はぁ
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人間誰にでもあるネガティブな感情を全面に打ち出している綿矢さんの作品感が満載だった。本って綺麗な感情が多いけれど、嫉妬とか決めきれない悪さとか持ってはいけないと自分を責めがちな感情を持っているのは当たり前、その上に人間社会が成り立っていると伝えてくれる気持ちになる。現実もそうだし...
人間誰にでもあるネガティブな感情を全面に打ち出している綿矢さんの作品感が満載だった。本って綺麗な感情が多いけれど、嫉妬とか決めきれない悪さとか持ってはいけないと自分を責めがちな感情を持っているのは当たり前、その上に人間社会が成り立っていると伝えてくれる気持ちになる。現実もそうだし爽快感はないけれど、読むたびに感情があることは即ち綺麗事ばかりでは片付けられないと言う現実を知らせてくれる。
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面白かった!人間の嫌な部分、本音、そういうものを嫌な感じを持たずにすんなり受け入れられるように描写されていて気持ちが良かったです。読んでいながら、この話はどのように着地するのかな?と、とてもワクワクしました。
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そんな状況になることあるのという設定ではありますが、テンポよく読み進められます。恋愛って傍からみると、なんでそのひとにそんなに執着するんだろうとか、そうはならないでしょの連続ですが、まさにそんなお話でした。
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自我って揺らぎ続ける。確固たる自分なんてない。常に誰かや空気を気にして影響を受けながら最適解を模索する。昨日と違う言動は不合理でもなんでもなく、そこがその時最もしっくりくる、もしくは妥協する、その過程が成長というカテゴリーに入っていると綿矢りさは物語る。倫理観という負の感情を抑圧...
自我って揺らぎ続ける。確固たる自分なんてない。常に誰かや空気を気にして影響を受けながら最適解を模索する。昨日と違う言動は不合理でもなんでもなく、そこがその時最もしっくりくる、もしくは妥協する、その過程が成長というカテゴリーに入っていると綿矢りさは物語る。倫理観という負の感情を抑圧することの是非に私たちはどう対処できるのか、自己責任という安易さでは本心にたどり着けない、着けるはずもない。あえて踏み外す、それを臆さない覚悟こそ人間考察の真髄ではないだろうか。綿矢りさはこれからも揺らぐ自我を描き続けてほしい。
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女の真実が描かれていて、心が痛かったり、でも勇気づけられたり、感情が忙しかったです。 「かわいそうだね?」の方は、とにかく隆大とアキヨにイライラしました。でもこういう人たちっていたなーなんて(遠い目)でもそれをなんとか自分の中で納得させようとしていた樹理恵の気持ちもわかる…。最後、樹理恵が怒って部屋をめちゃくちゃにした時は本当に気持ちよかったです。スカッとした(笑) 同情して人のことをかわいそうと思うのは上から目線で、“困っている人はいてもかわいそうな人なんていない”というフレーズにはハッとさせられました。 あと、失恋した人たちにも響くような、寄り添うような言葉たちも素敵でした。樹理恵と一緒に泣いてもいい! 「亜美ちゃんは美人」の方も女の複雑な感情が行き来していました。 さかきちゃんが小池くんと飲みに行く場面での小池くんの言葉には、私たちが社会に揉まれて感じている悶々としていることが明確に言葉にされていました。小池くん終始好きです。 なんやかんやありながら、確実に、嘘偽りなく、さかきちゃんは亜美ちゃんの親友だったのが良かった。さかきちゃんがそれを最後受け入れたのも。 好き嫌い分かれそうな作品ですが、女同士でも彼氏とでもモヤモヤしている人がいればおすすめしたい作品でした。
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そんな男別れなさいな、 と思いつつ頁を捲って いくと ほら、言わんこっちゃ ない、という展開。 人生はアップで見ると 悲劇で 引いて見ればコメディ と言いますが、 この物語も当事者たち からすれば悲劇で、 読者からすればまさに 「かわいそうだね」と 憐れむ場末のラブコメ...
そんな男別れなさいな、 と思いつつ頁を捲って いくと ほら、言わんこっちゃ ない、という展開。 人生はアップで見ると 悲劇で 引いて見ればコメディ と言いますが、 この物語も当事者たち からすれば悲劇で、 読者からすればまさに 「かわいそうだね」と 憐れむ場末のラブコメ。 でも、この主人公なら 大丈夫。 悲劇だろうがコメディ だろうが、 彼女はこの失恋を糧に 成長していきます。 その成長は、このあと 良き恋愛とパートナー を呼び込むに違いない。 そうはっきり予感する 凛とした幕切れでした ♪
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面白かった! 主人公の感情の動きだけではなく 主人公が現在置かれている状況に対して どのように向き合い、考察しているかが 丁寧に描かれていた かわいそうだね っていうのは安全地帯にいる人の 傲慢な見方で その傲慢さが後半 覆されて剥がされていく過程も面白かった その後の樹理恵...
面白かった! 主人公の感情の動きだけではなく 主人公が現在置かれている状況に対して どのように向き合い、考察しているかが 丁寧に描かれていた かわいそうだね っていうのは安全地帯にいる人の 傲慢な見方で その傲慢さが後半 覆されて剥がされていく過程も面白かった その後の樹理恵がどうなったのか気になる もう一つの作品の 「亜美ちゃんは美人」も 高校〜大学〜就職〜結婚にわたって 続く女の友情が シンプルなところに落ち着いていく 過程が丁寧に描かれていて 亜美ちゃんを好きじゃないからこそうまくいく 友情や恋愛のパラドックス がとてもおもしろかった
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実は、著者さん初読みです こんなにリアルに女性の内面を描ける人なんですね 定期的に読みたくなる作家さんになりそうな予感しかしません 読書友達に勧めたくなりました それにしても最低な男たちがでてきますね 私だったらとっくに別れてる…と思いつつも当事者にしかわからないことってある...
実は、著者さん初読みです こんなにリアルに女性の内面を描ける人なんですね 定期的に読みたくなる作家さんになりそうな予感しかしません 読書友達に勧めたくなりました それにしても最低な男たちがでてきますね 私だったらとっくに別れてる…と思いつつも当事者にしかわからないことってあるから一概にも言えないのかな なんでそんな人が好きなんだろう そう友達に思っていたこともあるし、たぶん逆も然り
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表題作のかわいそうだね?は 女性の賢さずるさしたたかさ臆病さ 色んな見せたくない面を文字で見せつけてくる。 関西弁を解き放つ展開も、そこまで爆発するのもわかるよ…という気持ちになって苦しくもなった。 亜美ちゃんは美人 は 誰もが認める美人って周りからチヤホヤされて 勝ち組な感情...
表題作のかわいそうだね?は 女性の賢さずるさしたたかさ臆病さ 色んな見せたくない面を文字で見せつけてくる。 関西弁を解き放つ展開も、そこまで爆発するのもわかるよ…という気持ちになって苦しくもなった。 亜美ちゃんは美人 は 誰もが認める美人って周りからチヤホヤされて 勝ち組な感情を抱きがちだけど その人にも周りが理解し難い孤独があるんだということが突きつけられる。 美人であることが幸せでは全くない。
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