ボクには世界がこう見えていた の商品レビュー
アニメーションとビートルズ愛好家の青年をある日突然襲った並ならぬ高揚。それ以降の彼に世界はどんなふうに感じられたのか。めっちゃ詳細に描かれております。 前情報ほとんど無しで読み始め、トリガーがおニャン子クラブだったと判明するあたりで、とても他人ごととは思えなくなり、一気に引きこ...
アニメーションとビートルズ愛好家の青年をある日突然襲った並ならぬ高揚。それ以降の彼に世界はどんなふうに感じられたのか。めっちゃ詳細に描かれております。 前情報ほとんど無しで読み始め、トリガーがおニャン子クラブだったと判明するあたりで、とても他人ごととは思えなくなり、一気に引きこまれてしまう。そりゃそうだ、当時のおニャン子のテンションなら。しかも、コンサートに行ったのなら。うん、うん。 とはいえ、途中ちょいと読み進むにはしんどい箇所もあるのですが。なんとなくフィリップ・K・ディックの「ヴァリス」に近い雰囲気。もっと身近な固有名詞に彩られた「ヴァリス」って感触か。 80年代〜ミレニアム越えの青春物語としても大変興味深く、また父親をはじめ、友人知人 に 職場といった彼をめぐるひとびとの懐の深さもまたしみじみしてしまった。 それは、彼の言動の軸がジョン・レノン的な理想とか幸福追求ごころであることに多少なりとも関係しているのだろうなぁ、と。 それにしても、発火装置としてのジョン・レノン の秀逸さときたらw
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統合失調症の人の思考が当事者の視点で描かれている。 日記を元に回想しているようで、時折幻覚や妄想を「あれはやはり本当のことだったのでは」と疑ってることも。 統合失調症とは自分と世界との境目がなくなる病気。 全ての事象が自分と関係のあることのように思え、自分が頭で考えたことが現実で...
統合失調症の人の思考が当事者の視点で描かれている。 日記を元に回想しているようで、時折幻覚や妄想を「あれはやはり本当のことだったのでは」と疑ってることも。 統合失調症とは自分と世界との境目がなくなる病気。 全ての事象が自分と関係のあることのように思え、自分が頭で考えたことが現実でおこっているかのように錯覚してしまう。 作者の周りでもある時を境にそんなことが頻繁におこる。 狂気に至るまでの思考回路などは興味深いが、横道にそれすぎて読みにくいところもある。 ブログを読んでるかと思えば気にならないかな。 書評、アニメ評がおもしろいが、興味ない人は読み飛ばしたほうがいいかも。
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統合失調症と診断された著者の克明な病状の記録。 このおかしな現実世界を生きる為「正しい発狂」をしたという。 一体何が原因なのかも分からず、ある時突然世界が一変する。 正気と狂気の境目は何処なのか。 全てと繋がってしまう恐怖。 この本を読んで味わう疑似体験だけでも十分恐怖を感じる。
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統合失調症で入院歴もある筆者が綴る半生。 発病のときの心情をすごく詳細に書いていて、 当事者理解に役立つ本だと思います。
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統合失調症のことを知りたくて読んだが、思考についていけず、面白さが見出せなかった。 でも統失特有の妄想や、バラバラな思考というものがどういうものなのかはわかったかな。
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非常に興味深く読みました。著者はアニメーションの仕事をしていた人ということで、ヱヴァンゲリヲンについて言及があるかと若干の期待をしていましたが、残念ながらありませんでした。読んだ限りでは、著者は肉体の限界(制約)をいとも簡単に超えているように見えました。脳も含め肉体は精神の容れ物...
非常に興味深く読みました。著者はアニメーションの仕事をしていた人ということで、ヱヴァンゲリヲンについて言及があるかと若干の期待をしていましたが、残念ながらありませんでした。読んだ限りでは、著者は肉体の限界(制約)をいとも簡単に超えているように見えました。脳も含め肉体は精神の容れ物であるわけですが、死なずに、そして「狂気」というレッテルを貼られずに、その窮屈な容れ物から精神を解放するすべはあるのだろうか…そんなことを考えました。
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帯に「精神に障害をきたすとき、その目には何が映っているのか」と書いてあって、これは興味深いなあと購入。アニメ演出家だった著者が総合失調症になっていく時、世界はどんな風に見えていたかを綴っています。まず、第一章の一文目でびっくり!私と誕生日が一緒だよ!年まで一緒なのでなかなかこんな...
帯に「精神に障害をきたすとき、その目には何が映っているのか」と書いてあって、これは興味深いなあと購入。アニメ演出家だった著者が総合失調症になっていく時、世界はどんな風に見えていたかを綴っています。まず、第一章の一文目でびっくり!私と誕生日が一緒だよ!年まで一緒なのでなかなかこんな事はないだろうと、この本を手に取ったのは運命だろうと思いました。 大変面白いです。彼は普通に生活している人々とは違った行動をしてしまったけれど、彼の考えていたこと、理想とする社会はすごく全うです。社会をより良いものにしたいと思い、そのための素晴らしいアイデアもあり、もしかしたら生まれた時代が早かったのかも。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
統合失調症になった男性の本です。 統合失調症を発病し始めたときのことなどが詳しく書かれていて、 病気の時、どんなことを考えたり感じたりして、どのような行動をとるのかがよくわかる。
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統合失調症(巻末の精神科医の解説では統合失調感情障害と判断されている)患者自身による闘病記。 妄想着想とか、観念放逸とか、躁的な感じとか、専門用語にするとぺらっとした感じになる言葉がありありと迫ってくる。 最初の発症のところは読んでてしんどくなるぐらい、こっちにまでぐいぐい迫っ...
統合失調症(巻末の精神科医の解説では統合失調感情障害と判断されている)患者自身による闘病記。 妄想着想とか、観念放逸とか、躁的な感じとか、専門用語にするとぺらっとした感じになる言葉がありありと迫ってくる。 最初の発症のところは読んでてしんどくなるぐらい、こっちにまでぐいぐい迫ってくる感じだった。 勉強になる一冊。
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「本当に越えてはいけない一線を越えて、何とか人格までは破壊されずに生還できた人間として、その先に見えた世界を刻明に書き記」された本。一線を越えていない人も含めても、冷静で落ち着いた筆致で、リアリティに溢れる。 彼はまだ生きている。三月は何を思い、今は何を思っているんだろう。
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