さいごの色街 飛田 の商品レビュー
【図書館】なんばに宿泊したので、朝のウォーキングに「鯛よし百番」まで歩こうと決めて向かった。初めて訪れた飛田は、土曜日の早朝だというのに道にゴミひとつ落ちてなく物凄くキレイだった。たかが数時間前の昨晩、何事もなかったかのように。 その違和感の正体を知りたくて読んでみた。核心には迫...
【図書館】なんばに宿泊したので、朝のウォーキングに「鯛よし百番」まで歩こうと決めて向かった。初めて訪れた飛田は、土曜日の早朝だというのに道にゴミひとつ落ちてなく物凄くキレイだった。たかが数時間前の昨晩、何事もなかったかのように。 その違和感の正体を知りたくて読んでみた。核心には迫れていないが、女性視点での主観が楽しめた。
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色街といえば一番に浮かぶのは「飛田新地」。女性が覗いてはいけない男の世界、そんな色街を女性である著者が、取材をし書き上げた一冊。 女性がひとりで歩いていたらドヤされるとか聞くし、取材は困難を極めたことだろう。 お客として行ったことのある人への取材はまあまあ詳しくされているけど、中...
色街といえば一番に浮かぶのは「飛田新地」。女性が覗いてはいけない男の世界、そんな色街を女性である著者が、取材をし書き上げた一冊。 女性がひとりで歩いていたらドヤされるとか聞くし、取材は困難を極めたことだろう。 お客として行ったことのある人への取材はまあまあ詳しくされているけど、中の人は語りたがらないのか語ることが御法度なのか、飛田の真の姿が見えず少し物足りなさを感じた。 全てを見せないからこその飛田の魅力なのかもしれない。 女の子のいてるお店に上がるのは無理だけど、飛田新地の端に位置する遊郭として使われていた建物を利用した料理屋「鯛よし百番」へは一度行ってみたい。
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正直、著者の生の感情は鼻につく。 けれど、調べられた歴史や語られる取材内容の面白さに、ぐいぐいと読み進めることになった。
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可もなく不可もなくといった読後感。 飛田新地については、その多くが真偽不明のトンデモ本か、歴史情緒を醸し出すだけの本であり、この本のように現在進行形の飛田新地を扱った本は稀だとおもわれる。その意味では、一読の価値はある。また筆者に飛田新地に対する特別な先入観が強くない(少なくとも...
可もなく不可もなくといった読後感。 飛田新地については、その多くが真偽不明のトンデモ本か、歴史情緒を醸し出すだけの本であり、この本のように現在進行形の飛田新地を扱った本は稀だとおもわれる。その意味では、一読の価値はある。また筆者に飛田新地に対する特別な先入観が強くない(少なくとも、先入観によって事実が曲げられることがない)ことも、安心して読み進められた要因である。 他方、取材しにくい対象であることもあろうが、関連法案や背景事情をあまりにも下調べせずに取材している様子も赤裸々に書かれており、もう少し何とかなったんじゃないの?と素人ながらに突っ込んでしまう部分があったことも確か。
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そこは桃源郷か地獄か。 大阪に残る色街、飛田新地。大きな声で語る人がいない、中の人も外の人も語りたがらない飛田について徹底した取材を元に書かれた労作。売買春は悪か、そんな話をするのではない。そこに生きた人、生きる人が口を開いた言葉を記録したものである。 性を売るのは自分の勝手...
そこは桃源郷か地獄か。 大阪に残る色街、飛田新地。大きな声で語る人がいない、中の人も外の人も語りたがらない飛田について徹底した取材を元に書かれた労作。売買春は悪か、そんな話をするのではない。そこに生きた人、生きる人が口を開いた言葉を記録したものである。 性を売るのは自分の勝手ではないか。そういう意見の人もいるだろう。売春は悪いことだから廃業させなくてはいけない。そういう運動もあるだろう。だけどここに書かれているのは、他に行くことがなくて飛田に来た人がいて、飛田にいる人を蔑視する人がいるかということだ。そして悪いことだから辞めなさいと言って辞められるものではなく、他に生きる術を身につけさせて一人立ちさせるところまでやらないなら、この仕事はなくせないということだ。 あと読み終えて感じたのは、満たされてないことが他人への攻撃性を育てるのではないかということだ。貧しくても満足しているなら、自分を無理矢理持ち上げて、相手を下げる必要がない。近年日本でも海外でも閉塞感からか分断が広がり、自分と異なる者への攻撃が激しくなっているのは、それだけ満たされていない人が増えているからだと思った。
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井上理津子著「さいごの色街 飛田」という本を読みました。 大阪のある街について深く掘り下げた本は決して多くない(ややこしいので掘り下げにくいのでしょう)のですが、先日読んだ「大阪アースダイバー」同様、この本も結構、頑張って取材している本でした。 飛田をマスコミで取り上げる際、所...
井上理津子著「さいごの色街 飛田」という本を読みました。 大阪のある街について深く掘り下げた本は決して多くない(ややこしいので掘り下げにくいのでしょう)のですが、先日読んだ「大阪アースダイバー」同様、この本も結構、頑張って取材している本でした。 飛田をマスコミで取り上げる際、所詮は「きれいごと」に終わるものが殆ど全部。この本も、最初はそういう類かと思っていたのですが、違いました。 文献などの資料で書かれた部分はもちろん、ガードが堅い飛田に体当たり取材して得た貴重な証言なんかもあって、勉強になります。 「飛田新地料理組合」の幹部が貸してくれたテレビニュースのDVDを見たら、差別問題に詳しい桃山学院大学名誉教授の沖浦和光さんが「義理と人情に塗り固まった町」「遊郭には重みがあった。・・・・・(飛田には)遊女の聖性が垣間見える・・・」と発言していて、開いた口がふさがらなかったと、批判をしていました。全編を通じて、決して批判的な本ではなく、告発本でもない。 ただ、行われているのが売春だと分かっていながらなぜ警察からの手入れも受けず、この商売が成り立っているのかという強い疑問は前提に出ていました。そして、「飛田新地料理組合」の顧問弁護士が、橋下徹氏だったことも、「発見」として報告をしていました。 この本で、いろんなことを知りました。 今の飛田の「料亭」は、「アルバイト亭」なんだそうです。 アルサロ(アルバイトサロン)が流行ったのがきっかけでそうなったそうで、バンスで売られてきた女性ではなく、昼間はOLなどがアルバイトで夜に稼ぐところ、といったところでしょう。だから、女の子の斡旋もプロの手によるものでなく、新聞広告で女の子を募集するとのこと。 80点ぐらいの本かな、という感じでした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あとがきに思っていたことがほぼ全て書かれていた。 純粋な疑問として、なぜ消費センターや警察に相談しないのかと思うことがあったが、私の無知が原因だった。 この世の仕組みから零れ落ちてしまう人たちがいる。 零れ落ちるという言葉が適正ではないかもしれないが。 飛田が舞台なので女性がメインだが、男女問わず両親などの幼い頃から青年期まで社会とはどんなところかを教えてくれる存在の不足がずっと続いてしまう。 連鎖は一度走り出したら止まらないのかもしれない。 遊郭の成り立ちを知りたいと思い関連する本を読んでいるが、そういう意味では遊郭そのものの成り立ちとは違うが飛田遊郭の成り立ちが参考資料を元にとても丁寧に記されていた。 女性の権利のために戦ってくれた人たちがいる。 その人たちがいてくれたおかげで今日の女性の権利が向上したのも事実。 だが、遊郭でしか働けない、働いたことがない人たちにいきなり「売春をするのは悪いことです、これから遊郭は閉じます」と宣言しても行き場がないのではないかと思っていたので、ページは忘れたが保護施設で娼妓の方がこれからどうするんだと怒鳴り込んだという記述は腑に落ちた。 やはり、行き場のない人たちがおり保護しますと言われても短時間では言い方が悪いが教養は身につかず、結局今まで就ていた仕事に戻ってしまう。 それは仕方のないことだと思う。きっと世間の目も厳しく働き続けるには難しかったのではないかと思った。 売買春が悪、根絶したいとするならばその後の行き場を作ってから取り締まらないといつまで経っても同じことの繰り返しだろうなと。 篠原無然さんのことを知ることができ、いつか記念館を訪れたいと思う。 本当のところはその時代を生きたものですらよくわかっていないのかもしれないなと思った。 結局人が人に話すことには色々なフィルターを通す。 都合の悪いことは記憶の中で薄れていくだろうし、そうでないときっと苦しんでしまう。 歴史は今この瞬間だけが真実で時が経ったものに関しては真実だろうけど、全くの真実とは少し異なるのかもしれない。 p166の喫茶店の方の言葉に不覚ながら涙が溢れた。 「ダメ。もうこんなところへ来たら絶対にダメよ。こんなとこを知ってると言うてもダメ。どこから知られるかわからへんから、もし今後どこかで飛田の話がでたら、『知りませんっていわなダメ。』言うて送り出したげた…」 その地で働いている人がそう言わねばならない世間の目、その目の中に私も含まれている。 お好み焼きのおばちゃんの話で、私自身曳き子のおばちゃんのことを十把一絡げで見ているなと実感してしまった。 おばちゃんもそれぞれ違うのに… 少し下に見てしまう根本的な原因はなんなのか新しく疑問に思った。 著者の胆力、凄いなと途中ハラハラする箇所がありつつとても勉強になった。(ヤクザの事務所のチャイムを押したところは肝が冷えた。) 難しいテーマの取材をし、本を出版していただいたことに感謝しかない。
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女性の書き手がここまで書けたのが凄いが正直なところ。年月かけて取材している。今後、このような本は出ないと思う。
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女性作家さんが描く色街の真実。 物語の中に出て来る遊郭は知っているが、今でも実在し、しかも女性が突撃取材をすると言うルポタージュは衝撃的。 普通の風俗でも、中でどのようなことが行われているのか、女性が知る由もない。そんな中で法的には違法とされる飛田を包み隠さず、描く今作はまさしく...
女性作家さんが描く色街の真実。 物語の中に出て来る遊郭は知っているが、今でも実在し、しかも女性が突撃取材をすると言うルポタージュは衝撃的。 普通の風俗でも、中でどのようなことが行われているのか、女性が知る由もない。そんな中で法的には違法とされる飛田を包み隠さず、描く今作はまさしく私にとって、知りたい世界だった。 仕事柄、宴会コンパニオンさんと一緒になる機会が多い。その度に自分では出来ないと思う仕事だと思う。コンパニオンと飛田の「女の子」とでは全く事情が違うとは思うけど、やはり飛田の「女の子」も自分では出来ない仕事。 ここ数年で「女の子」の働く理由は変わってきたようだが、作者が取材を続けていた当時は、やはり昔の遊郭同様、自分には逆らえない何かしらの理由で働いていることが多い。戦後、どんなに経済が高度成長を遂げても、変わらない世界があることを知った。 この本が出版されたのは2011年。その後、文庫版にするにあたって、「文庫版あとがき」が追加され、単行本が出た時の感想が付け加えられている。しかし、その中に女性の感想がない。普通の女性がこの作品を読んで、何を感じるか? 私はそれが知りたい。
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貧困の連鎖。生きていくために選択肢は無い。そんな人たち、そんな人たちが生活する町をルポルタージュする。身を守るためにルールを設けて社会を作る。異論を唱えたら町から追い出される。店が更地になり、マンションになる。そして町は他と同様変貌していくのだろう。2019.11.4
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