ねじれの国、日本 の商品レビュー
著者の文章は入試問題に出題されにくい文体だ。 この本は、テーマが受験向きだし、ホリイ節があまり強くない。 著者は和を持って尊しとなす共同体である日本を肯定的な立場のようだ。 が、現在のIT社会において、このような日本共同体は他国に劣後していくばかりだ。
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著者のことはよく知らなかったが、本書に書かれた内容や主張はスルッと腹落ちできる。 確かに日本のあり方や日本人の心持ちは「ねじれている」かもしれない。 共同体の中で説明不要かつ言語化不要な共通認識を対外的に説明しようとしたときの違和感は、自分でも経験がある。
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二度目の読了。 「2月11日がなぜ休みなのか、すらすら説明できたらその人は日本人ではないはず」という不思議な現実。たしかにそのとおりです。 なぜ建国記念日、ではなく記念「の」日、なのか。 「暦が変わる」とはどういうことなのか、そのとき生きていた当時の日本人の間には、どんな空気が流...
二度目の読了。 「2月11日がなぜ休みなのか、すらすら説明できたらその人は日本人ではないはず」という不思議な現実。たしかにそのとおりです。 なぜ建国記念日、ではなく記念「の」日、なのか。 「暦が変わる」とはどういうことなのか、そのとき生きていた当時の日本人の間には、どんな空気が流れていたのか。 身近な場所での空気を読める人であれば、きっと、この本をよみながら、当時の空気を感じることができることと思います。 ちょっとしたことで、みんなが一斉に同じ方向を向く不思議さ。そして、「指導者」という人がどこにいるのか全くわからない不気味さ。日本の特殊さが、身に沁みてきます。それは決して、「クール」のヒトコトで称賛されてばかりではないレベルで、よその国とは違った面なのでしょう。 大事なことほど、当然なことほど、はっきり書かずに、きちんと説明せずに済ませようとする姿勢。 それを「ねじって」とわかりやすく表現するのが、堀井さんのすごいところです。 「グローバル」に生きるひとにこそ、手にとってほしい本です。
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元来、日本は「言葉にしなくても共感できる基盤を持った共同体」である。 しかし、対外的に「国家」という見てくれを装う必要があったため「日本国」という形を作った。 これが本書でいう「ねじれ」だ。最初のねじれは律令制度を作った7世紀ごろ、次が黒船来航の幕末、そして3回目が大東亜戦争敗戦...
元来、日本は「言葉にしなくても共感できる基盤を持った共同体」である。 しかし、対外的に「国家」という見てくれを装う必要があったため「日本国」という形を作った。 これが本書でいう「ねじれ」だ。最初のねじれは律令制度を作った7世紀ごろ、次が黒船来航の幕末、そして3回目が大東亜戦争敗戦後だ。 他国の「王」と日本の「天皇」は違う。天皇は、権力を持ったこともあるが基本的には「偉い」から「尊崇」される存在だ。その意味ではるか昔から日本国と日本人の象徴であり続けた。
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一体何がねじれているのかと思ったら、内向きの以心伝心な世界をひたすら守ろうとする頑なさと、それでは世界で通用しないことに観念して表向きだけ嘘で取り繕う様を表現したものだった。特に東アジアにからむ世界情勢や歴史の見立ては妙に説得力がある。それが正しいのかどうかは自分には判断できない...
一体何がねじれているのかと思ったら、内向きの以心伝心な世界をひたすら守ろうとする頑なさと、それでは世界で通用しないことに観念して表向きだけ嘘で取り繕う様を表現したものだった。特に東アジアにからむ世界情勢や歴史の見立ては妙に説得力がある。それが正しいのかどうかは自分には判断できないけれども。 本書は「○○論」というようなものではなく、ちょっと長めのコラムなのだから、そういう視点で読めば楽しめると思う。論拠を求めるのは筋違い。
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選挙とは無関係。歴史を踏まえながら、日本を外部に対して見せる外枠と内部とが「ねじれた」国であり、それが外部からの影響を内部に及ぼさない安定した状態である、と説く。感覚的には分かるが、「ホリイ節」の読み物としてのみ楽しむべき本だろう。
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日本のどこがねじれているんだろう?と初めはわかりませんでしたが、読んで行くうちに著者の言わんとする「ねじれ」がクリアに見えてきました。 コラムニストである著者のエッセイ調の文章がおもしろく、真面目なテーマを語っていても、堅苦しくなく読んでいけます。 まず「建国記念日は何の日なの...
日本のどこがねじれているんだろう?と初めはわかりませんでしたが、読んで行くうちに著者の言わんとする「ねじれ」がクリアに見えてきました。 コラムニストである著者のエッセイ調の文章がおもしろく、真面目なテーマを語っていても、堅苦しくなく読んでいけます。 まず「建国記念日は何の日なのか?」という問いが出されました。 何を持って日本建国とみなすか、ということについて、そういえば考えてみたことがなく、戸惑いました。 これは学校教育において、教わらずにくることのため、普通の日本人は正確に説明できないのだとか。 「すらすらと答えられる人は、スパイかもしれない」と書かれており、まずそこにこの国の大きなねじれを感じました。 天皇の立ち位置が微妙なことから、曖昧なまま、なあなあで通っている事項が多いことに気づかされます。 敗戦後、皇国史観をGHQに指摘されてから、皇室への基本態度はアンタッチャブルとなっているとのこと。 それを疑問に思うことなく、なんとなくの雰囲気で過ごしていける、不思議な国民性。 外敵の心配のない、島国だからこその平和なまとまりを感じます。 日本では国名は「日本」なのに、国際国名は「Japan」なところにねじれがあるかと思いきや、違いました。 古代の大和朝廷の頃、なぜ我が国を「大和」と言わずに「日本」としたのか、そこにねじれがあると指摘する著者。 さらにねじれがあったのかと、めまいを感じます。 昔より外国との交流に慣れておらず、歴史的にも外交が苦手な国民性なのだとわかりました。 ただ、ねじれていることが間違っているわけではないことも語られます。 変形できる柔軟性を持っているからこそ、途中で折れることもなく、概して平和にやってこられたというわけです。 著者の持ち味なのか、割と突き放したような書き方でありながら、ガチガチの文明批判というわけではなく、豊富な知識に支えられて日本の不思議な構造を紐解いています。 なにより、言葉にしづらいようなファジーな面に、敢えてメスを入れてみたというその勇気ある試みに脱帽です。 記載された内容に関して、全てが歴史的に立証されているものなのかはわかりませんが、一つの説として読んでいくと、理解が広がることでしょう。 論点への到達法が多少くどい上に、過激な意見も見られるため、アンチ読者も多いと思いますが、私は面白く読めました。
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「日本人にしかわからない何か」を著者は「ねじれ」という言葉を使って、日本の歴史、成り立ちが書かれている本。この手の本はあまり好きではなかったのですが、著者が出演したラジオ番組を偶然聴き、興味を持ちました。
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なんとなく分かったような分からんような日本論。見方は面白いけど「で何?」感が残る。ちょっと例えがクド過ぎるかも。
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読んでいると「日本辺境論」の内容が思い出され、いろいろと納得させられる気分になった。仏教や神道の話は、自分の中でもやもやとしていたものを言語化してくれた感じもあってすっきりとした。 自分自身、外国人と話す度に感じていた感覚、これがまさに著者が言うところの「ねじれ」だという気がした...
読んでいると「日本辺境論」の内容が思い出され、いろいろと納得させられる気分になった。仏教や神道の話は、自分の中でもやもやとしていたものを言語化してくれた感じもあってすっきりとした。 自分自身、外国人と話す度に感じていた感覚、これがまさに著者が言うところの「ねじれ」だという気がした。日本という国の特徴を自分自身も持っていたのだなという思い。
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