日本のデザイン の商品レビュー
岩波書店「図書」に掲載されていた連載記事をまとめたものだそう。 ・石本泰博の桂離宮写真集4種 ・アマン・リゾーツ ・東京大学大野秀敏教授の「巡回公共サービス」 ・311 SCALE
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シンプルという概念がいつ生じたのか。シンプルとエンプティネスの違い。その部分が特に勉強になった。 長い時間をかけて日本人が生み出し時に壊し受け継いできてくれた美意識や文化というかけがえのない、いくらシンガポールや他の国がお金をかけて買おうとしても決して買えないことを、この時代に生...
シンプルという概念がいつ生じたのか。シンプルとエンプティネスの違い。その部分が特に勉強になった。 長い時間をかけて日本人が生み出し時に壊し受け継いできてくれた美意識や文化というかけがえのない、いくらシンガポールや他の国がお金をかけて買おうとしても決して買えないことを、この時代に生きる私たちも最大限に感じ受け継ぎ時に壊し新しく生み出して繋いでいきたい。お金では買えない生きるうえでの豊かさに気づいていきたいし伝えていきたいなぁ
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総評 日本の未来が明るく描かれている。日本が持っている美意識という強みを生かして世の中に価値を与える構想が垣間見えてとても良かった。 序 美意識は、石油や鉄鉱石などの天然資源などと同様な資源なのである。日本人は兼ね備えている。 1 移動 車の存在価値のパラダイムシフトが起こ...
総評 日本の未来が明るく描かれている。日本が持っている美意識という強みを生かして世の中に価値を与える構想が垣間見えてとても良かった。 序 美意識は、石油や鉄鉱石などの天然資源などと同様な資源なのである。日本人は兼ね備えている。 1 移動 車の存在価値のパラダイムシフトが起こっている。 おもしろい。 2 シンプルとエンプティ 四角は人間が生み出した人工的な形。優れたデザインは人の行為の普遍性を表象している。 文化は複雑から始まったのではないかという話が面白い。シンプルは合理主義。エンプティは何もないこと、見立ての創造力。空白にイメージを誘う。 日本の美意識。繊細、丁寧、緻密、簡潔。 3 家 日本の家はモノで溢れかっている原因の1つが、戦後からの復興、モノへの渇望であるというところから来ているという視点が面白い。 また、リノベーションでの内需拡大や家×テクノロジーの可能性の大きさは興味深い。 URのノウハウが中国マーケットで活かせるなら、面白い。 4 観光 日本の美意識が未来資源。 アマンリゾーツなどの先行事例から、日本のおもてなしは今後重要度が増すのであろう。ホテルや旅館で経験のデザインをしていくことが必要。国立公園の運用を考えるなど、日本に希望を見出している。瀬戸内国際芸術祭にも、関与しているとのこと。この芸術祭の背景もまた、興味深かった。 5 未来素材 世界で評価されるのではなく、機能するという主体性。日本の最先端技術を如何にして世界で機能させるかを考えてきた著者には敬服するばかり。TOKYO FIBERにおいても取り組みもとても興味深かった。最先端の繊維を世界でどのように機能させていくかがテーマになりそう。ファッション情報の流れに乗るということは、フランスとイタリアの残業の隆盛を加速させるとのこと。 6 成長点 東日本大震災直後の執筆ということもあり、震災復興についてである。復興を復元にしない。日本の課題を踏まえたうえで未来構想を練っていくことがたいせつとの示唆がある。
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たまには普段と全く異なるジャンルも読んでみようということで買ってみた。。 最近イベント関係の仕事(といってもBtoBだが)にも携わるようになってきて、今まで全く関心のな かった「デザイン」「美意識」を否が応でも意識せざるを得なくなった。 そういう意味では、「未来素材」の章は、デザ...
たまには普段と全く異なるジャンルも読んでみようということで買ってみた。。 最近イベント関係の仕事(といってもBtoBだが)にも携わるようになってきて、今まで全く関心のな かった「デザイン」「美意識」を否が応でも意識せざるを得なくなった。 そういう意味では、「未来素材」の章は、デザインど素人の自分でも読みやすい内容だった。著者が 関わった、「TOKYO FIBER '09/SENSEWARE」は、日本のハイテク繊維を可視化するという趣旨で開催 された。本章でクリエイターたちの作品のいくつかを紹介しているが、技術とデザインが融合すると はこういうことかと教えてくれた気がする。
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今後の日本のあり方、可能性を示した一冊。デザインという手仕事よりな発想ではなく、俯瞰的に、日本をどうプロデュースしていくかという観点から述べられている。 特に秀逸な前書きは日本という国の素晴らしさを再認識させてくれる。
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原研哉氏のエッセイ連載をまとめたもの。 デザイン、ものづくりで日本を語るとき、表現はどうしても保守っぽい雰囲気になるんだな、と思った。 それとも、敢えて、国の文化方面にウケの良さそうなネタにしているのか。 それでも大陸や西洋のいい部分、参考になるところはきっちり紹介してあるし、日...
原研哉氏のエッセイ連載をまとめたもの。 デザイン、ものづくりで日本を語るとき、表現はどうしても保守っぽい雰囲気になるんだな、と思った。 それとも、敢えて、国の文化方面にウケの良さそうなネタにしているのか。 それでも大陸や西洋のいい部分、参考になるところはきっちり紹介してあるし、日本礼賛部分も当然著者の広い経験と実績、深い知識に基づくもの。 日本の文化を守る、伝えるというのはこうあるべきと思った。
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日本を代表するデザイナーのひとりである原研哉による、岩波書店の月刊誌『図書』における「欲望のエデュケーション」という題名の連載(2009~2011年)をまとめたものである。 著者は、連載の題名「欲望のエデュケーション」について、「製品や環境は、人々の欲望という「土壌」からの「収穫...
日本を代表するデザイナーのひとりである原研哉による、岩波書店の月刊誌『図書』における「欲望のエデュケーション」という題名の連載(2009~2011年)をまとめたものである。 著者は、連載の題名「欲望のエデュケーション」について、「製品や環境は、人々の欲望という「土壌」からの「収穫物」である。よい製品や環境を生み出すにはよく肥えた土壌、すなわち高い欲望の水準を実現しなくてはならない。デザインとは、そのような欲望の根底に影響をあたえるものである・・・よく考えられたデザインに触れることによって覚醒がおこり、欲望に変化が生まれ、結果として消費のかたちや資源利用のかたち、さらには暮らしのかたちが変わっていく。そして豊饒で生きのいい欲望の土壌には、良質な「実」すなわち製品や環境が結実していくのである」という。 また、本書の題名については、「こうなりたいと意図することがデザインであり、その姿を仮想・構想することがデザインの役割である。潜在する可能性を可視化し、具体的な未来の道筋を照らし出していくこと、あるいは多くの人々と共有できるヴィジョンを明快に描き出すことこそ、デザインの本質なのである」と語る。 著者は、「ものの作り手にも、生み出されたものを喜ぶ受け手にも共有される感受性があってこそ、ものはその文化の中で育まれ成長する。まさに美意識こそものづくりを継続していくための不断の資源である」とした上で、日本の「美意識」の中心は、「繊細」、「丁寧」、「緻密」、「簡潔」を旨とし、簡素さや空白に価値を見出していく感受性にあると言い切る。 そして、今後、日本に求められるのは、西欧中心の既成の価値観において「評価される」ことではなく、日本発の価値観において「機能する」ことであり、日本が如何にして世界で「機能する」べきかについて、移動手段、家、観光、素材などについて具体的に語っている。 著者のいう“デザイン”の意義・価値に大いに共感するとともに、その未来について考えさせてもらった。 (2014年3月了)
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資源が不足しているからこそ、日本は「美意識」という資源を手にした…というところから話は始まる。シンプルという美、そしてシンプルを先駆けしていた足利義政、繊細で丁寧で緻密で簡潔な日本のデザインなど、日本の美意識という観点から我々を勇気付けてくれる一冊。 様々な小話が盛り込まれ...
資源が不足しているからこそ、日本は「美意識」という資源を手にした…というところから話は始まる。シンプルという美、そしてシンプルを先駆けしていた足利義政、繊細で丁寧で緻密で簡潔な日本のデザインなど、日本の美意識という観点から我々を勇気付けてくれる一冊。 様々な小話が盛り込まれているが、リノベーションに関する提案、世の中が丸と四角ばかりワケ、新素材を使った笑う車などまさに目からウロコの情報ばかりだ。
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デザインの視点から、日本の未来の可能性を考察する。洗練された考えと言葉の選び方で、心地よい緊張感と勇気をもらった。
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大阪出張時に購入。丁度デザイン思考に関する本を沢山読んでいた時期。途中で放置してしまった。こういうのは一気に読まないと入らないな。デザインは欲望を具現化する過程。←こんなこと書いていたかなぁ
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