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それでも彼女は歩きつづける の商品レビュー

3.4

30件のお客様レビュー

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2021/05/27

有名映画監督となった柚木真喜子。彼女が映画賞を受賞する事となり、彼女に関わる様々な人々の中に立つ感情のさざ波のようなものを描いた連作集です。 特別事件は起きない地味な本ではありますが、淡々としている本は好きなのでしみじみ読めました。 我が道を歩む真喜子に惹かれて集まる人たちと、そ...

有名映画監督となった柚木真喜子。彼女が映画賞を受賞する事となり、彼女に関わる様々な人々の中に立つ感情のさざ波のようなものを描いた連作集です。 特別事件は起きない地味な本ではありますが、淡々としている本は好きなのでしみじみ読めました。 我が道を歩む真喜子に惹かれて集まる人たちと、そこから道は分かれ遠くから想うだけになった人々。色々な想いを知らないうちに背負ってしまう瞬間もあるんだと思います。気づかぬうちに地元の星になっていたり、卒業校の英雄になっていたり。でもその人はただ黙々と自分の設定した方角に歩き続けているだけなんですよね。何をもって成功なのかなんて本人の中にしかないですしね。

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2019/10/16

映画監督の女性を軸に描かれた連作短編 だからかラストは彼女が書いた設定?の脚本チックなのが面白い構成だ

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2018/10/09

柚木真喜子監督の周囲の話たちが瑞々しい。十二歳も年上の柚木に息子が片想いをしていて嫉妬する登志子の、六十歳になるのに若い頃と変わらず大人になんてなっていない所がリアルで強くてじめじめしていなくて良い。柚木の映画で女優になった十和のずっと柚木と映画を撮っていたい切なさや彼女の書く脚...

柚木真喜子監督の周囲の話たちが瑞々しい。十二歳も年上の柚木に息子が片想いをしていて嫉妬する登志子の、六十歳になるのに若い頃と変わらず大人になんてなっていない所がリアルで強くてじめじめしていなくて良い。柚木の映画で女優になった十和のずっと柚木と映画を撮っていたい切なさや彼女の書く脚本形式の話も印象的。

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2017/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画監督、柚木真喜子が小さな賞を取ってからの周りの人たち。 柚木真喜子と一緒に映画に関わって 仲違いして、彼氏とも別れた志保。 柚木真喜子と付き合っていたトウベエと、 何も知らない風を装って、奪い結婚に至ったさつき。 周囲がざわつくことに戸惑う柚木真喜子の妹の七恵。 仕事と家族のことで必死な亜紀美の気持ちを 少しでも和らげてくれた柚木真喜子の存在。 柚木真喜子の事務所の時期社長の息子が 彼女にうつつを抜かしていることに焦る母親の登志子。 かつて柚木真喜子の映画に出たことがきっかけで 今も彼女に思いを寄せている十和。 本人は意識していないのに 周りの人をいつの間にか虜にしている不思議な魅力。

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2013/10/14

ひとりのマイナーな映画監督と、さまざまな形でかかわりあっていた6人の女性たち。彼女たちの視点から描かれる、その女性監督とのかかわりと、自分のすがた。 淡々と描かれる6人の思いには、大きなサプライズがあるわけではないのですが、いたって平凡な人生を送っている人も多く(違う人もいますが...

ひとりのマイナーな映画監督と、さまざまな形でかかわりあっていた6人の女性たち。彼女たちの視点から描かれる、その女性監督とのかかわりと、自分のすがた。 淡々と描かれる6人の思いには、大きなサプライズがあるわけではないのですが、いたって平凡な人生を送っている人も多く(違う人もいますが)、どこか身につまされるような一面があって、しみじみと心に残ります。 自分とは関係ない、まったく違う世界の人間だと思っていても、妙に気にかかる、影響を感じる人って、たまにいるものです。柚木という人間性は、そういう影響を起こしやすい人格のひとなんだなあと感じたのでした。 もっとも彼女自体がいったいそれほどどれほどの人なんだ?という疑問は小さく残りはしたのですが…、決してカリスマ性があるという感じでもなかったので、でもだからこそ、超有名人には感じない距離感で影響を受けるのかもしれないなあとは、思いました。 さりげないつながりがあって連作短編の面白さはありましたが、最後はもっとカタルシスがあればな、とちょっと思いました。

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2013/09/19

一部のファンの間で評価の高い、女性映画監督が賞を獲った。彼女にまつわる人々を描く連作集。 映画監督はほとんど出てこない。ただとてつもなくパワフルな人物である。まわりの人は、その嵐のような監督から逃げたり、憧れたり、近づいたりする。決して監督のようにはなれないけれど、それぞれが生活...

一部のファンの間で評価の高い、女性映画監督が賞を獲った。彼女にまつわる人々を描く連作集。 映画監督はほとんど出てこない。ただとてつもなくパワフルな人物である。まわりの人は、その嵐のような監督から逃げたり、憧れたり、近づいたりする。決して監督のようにはなれないけれど、それぞれが生活している様子。

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2013/06/30

ひとりの映画監督をしている女性をいろんな人が語る。 それぞれの視点、立場から語られるのが面白い。 そして、主人公が姿をあまり見せないところがいいのかもしれない。

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2013/06/26

We読者さんから、これを読んだと聞いて、借りてきてみた。 柚木真喜子(ゆずき まきこ)をめぐる、物語。どこか海外の映画祭で、何かの賞をもらったらしいという柚木のニュース、そこから、いろんな人が柚木を思い出す。柚木はまだ映画を撮っていたのかと思ったり、柚木さんがんばってるんだと...

We読者さんから、これを読んだと聞いて、借りてきてみた。 柚木真喜子(ゆずき まきこ)をめぐる、物語。どこか海外の映画祭で、何かの賞をもらったらしいという柚木のニュース、そこから、いろんな人が柚木を思い出す。柚木はまだ映画を撮っていたのかと思ったり、柚木さんがんばってるんだと思ったり、どうして!と苛立ちをつのらせたり。 それぞれの人が見る柚木、思い浮かべるその言動は、柚木との関わりや距離感、好悪の感情によってもずいぶん違っている。柚木の受賞のニュースで、柚木のことを脳裡によみがえらせた6人の女性の、それぞれの話が編んであるともいえる。 同じ柚木という人物を見ながら、こんなにも人の視点は違うんやと思う。同じ場面にいた者どうしの視点の違いを描いてみせる作品はけっこうあるが、それを、同じ一人の人物にむける視線の違いにかえたところが、コロンブスの卵でもあった。 柚木をみつめる人を書きながら、柚木という人そのものは、物語のなかにごくわずかにあらわれるだけ。なまみの人でありながら、その柚木と6人それぞれは必ずしも最近会っているわけではなくて、6人の語りや思いのみが柚木像を構成していくようなところは、なんとなく、法事だとかお盆だとかそういうときに死んだ誰それの話をするのと似てる気がした。 それぞれの思い出や、印象に残るエピソードを披露しあうようなところが。そういうのを聞いて、子どもや孫が、ほとんど会ったこともないじいちゃんやばあちゃんのことを、こんな人やったんかなあと思い浮かべてみるような、そんな感じがした。 (6/15了)

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2013/01/25

色んな人と関わるうちに、 本当の自分はどれだ、そもそも本当の自分って何だ!と混乱することがあったけれど 関わる人たち一人一人が私自身を生み出しているように感じた作品。 視点が違うだけで、あれもこれも私だと考えると楽だな。

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2012/10/07

女性同士だからって、ベタベタ悩み事 を話すとは限らない。 そんな友人達のプライドや遠慮、様々 な葛藤から自分の内に秘めてる思いを この6人のストーリーに見つけてしまいそうな気がした。

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