それでも彼女は歩きつづける の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
映画監督・柚木真喜子の知り合いたちの、彼女に関する短編集。映画監督みたいな芸術系?クリエイター系?な職業って、名乗れば誰でもなれるから、「なりたい」でも「好き」でもなくて、やっぱりある程度の才能が必要なんだろうなあと。
Posted by
キャンプ中に一気に読みました。ひとりの女性をめぐり、彼女に直接的間接的に関わってきた人々が、それぞれの立場から見た彼女を一章ずつ述べている。人というものは、見る人の立場によって、評価や印象が全然変わるものなのであること、それがおもしろいのだということを、実感させてくれる。
Posted by
映画監督の柚木真喜子をめぐる6人の女性たちが出てくる連作短編集。主人公の語り口で読んでるうちに柚木の印象がコロコロと変わってきて面白かったです。
Posted by
ある1人の女性を軸に、 彼女を取り巻く人達を描いた、1話完結の物語です。 私個人の意見ですが、 最後のお話で 今まで紡がれてきた物語の厚みが、 何だか薄っぺらくなってしまったような気がして、 少し残念な感じがしました。 大島さんの ドラマになった小説『ビターシュガー』も読んで...
ある1人の女性を軸に、 彼女を取り巻く人達を描いた、1話完結の物語です。 私個人の意見ですが、 最後のお話で 今まで紡がれてきた物語の厚みが、 何だか薄っぺらくなってしまったような気がして、 少し残念な感じがしました。 大島さんの ドラマになった小説『ビターシュガー』も読んでみたいです。
Posted by
映画監督 柚木真喜子 彼女が、どこか海外の映画祭で受賞をした。 そんなことから始まるけど、作品の主人公は柚木真喜子ではなく 彼女にまつわる6人の女性たち、それぞれが歩きつづけるお話。 おもしろい読ませ方 柚木真喜子と共同で映画作成をしたが途中で挫折したライター 夫が柚木真喜子の...
映画監督 柚木真喜子 彼女が、どこか海外の映画祭で受賞をした。 そんなことから始まるけど、作品の主人公は柚木真喜子ではなく 彼女にまつわる6人の女性たち、それぞれが歩きつづけるお話。 おもしろい読ませ方 柚木真喜子と共同で映画作成をしたが途中で挫折したライター 夫が柚木真喜子の元恋人である主婦 柚木真喜子の妹 柚木真喜子の実家の近所の酒屋の娘 柚木真喜子の事務所の社長 柚木真喜子の昔の映画に出演した元女子高生 そして最終章・・・ 映像が目に浮かぶ そう、ラストシーンはやっぱり海がいいでしょう♪
Posted by
一ヶ月も読書から離れていた。次々と本は届けられるけどその気分になれなかった。目の前に、《それでも彼女は歩きつづける - 大島真寿美》という本が出されたら手に取る気になって気がつくと半分読んでいた。 ピエタの作家さんだ! ピエタは、始めは淡々と話がすすみ、ふんふんと読んでいると「...
一ヶ月も読書から離れていた。次々と本は届けられるけどその気分になれなかった。目の前に、《それでも彼女は歩きつづける - 大島真寿美》という本が出されたら手に取る気になって気がつくと半分読んでいた。 ピエタの作家さんだ! ピエタは、始めは淡々と話がすすみ、ふんふんと読んでいると「なんか、歴史ロマンが展開される予感」でどんどん引き込まれ、大きなスケールで終わったけど、この本は、逆かな? 主人公の女性映画監督は、一度も一人称で登場することなく、その周囲の人が彼女と自分の関わりを順に語る。 初めから、なにやら凄い人物かな? と思っていると何事もないヤンワリした空気が何気に彼女を取り囲んでいるだけ、・・・。 その雰囲気にやられました。 構成力は流石です。 何気なさに感服しました。 また、編み物でなくて読書で暇つぶしすることになるかなー♪ 次も楽しみな作家さんです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
浮世離れした女映画監督・柚木に影響を受ける6人の女の人の物語。 女6人がそれぞれ、あたしの人生これでよかったのかしら?と、やりたいことだけをやってきた柚木の人生と比較したりしつつ過去を振り返り、今を生きるお話。肝心の柚木真喜子の視点からの物語は語られないのがミソ。いるよね〜こういう才能あるけど迷惑な人、と思いながらさらさら読んだ。 表紙の網中いづるさんの絵、清潔感があって好き。
Posted by
ひとりの映画監督(ユズキ)と関わりのある人たちの物語。 “関わりのある人たち”が主人公なのであって、 映画監督が主役ではないのだけれど、 “関わりのある人たち”の物語から、ユズキが どんな人なのかが見えてくるという、面白い連作でした。 決して華々しくはないのだけれど、 ちゃんと...
ひとりの映画監督(ユズキ)と関わりのある人たちの物語。 “関わりのある人たち”が主人公なのであって、 映画監督が主役ではないのだけれど、 “関わりのある人たち”の物語から、ユズキが どんな人なのかが見えてくるという、面白い連作でした。 決して華々しくはないのだけれど、 ちゃんと自分の世界を生きてる人って、 有り体なのですが、素敵です。 何も語らずとも、ユズキの中に広がる思いや、 映画と向き合う真摯な姿勢が、“関わりのある人たち”の 未来を動かしていってる様子が、よくわかる。 大島さんの好きなところ、満載の一冊でした。
Posted by
読みやすくてさらりと読めてしまった。 最後の話を読むまで、引っかかりが無さ過ぎるなぁと思っていたけど最後で認識を改めた。 びっくり。 なんとも不思議な小説。 語り手は6人の女性。 ほとんどが語り手の回想で、その回想は語り手の人生の分岐点であると同時に柚木真喜子という女性との思い...
読みやすくてさらりと読めてしまった。 最後の話を読むまで、引っかかりが無さ過ぎるなぁと思っていたけど最後で認識を改めた。 びっくり。 なんとも不思議な小説。 語り手は6人の女性。 ほとんどが語り手の回想で、その回想は語り手の人生の分岐点であると同時に柚木真喜子という女性との思い出でもある。 語り手同志には接点がなく、それぞれ別々に柚木真喜子とその頃の自分を回想している。 その思い出は後悔だったり、懺悔だったり、救いだったりと様々。 でも語り手の回想の明暗に関係なく、どの話も読後は爽やかで前向きになれる。 「それでも彼女は歩きつづける」というタイトルに納得。
Posted by
女性映画監督・柚木真喜子が海外の映画祭で賞に輝いた。 かつて柚木の映画の脚本を書いていた志保(「転がる石」)、柚木の恋人を奪って結婚したさつき(「トウベエ」)、ラジオ番組の取材を受けることになった実妹の七恵(「チューリップ・ガーデン」)、それぞれの実家が近所で柚木に心酔する亜紀...
女性映画監督・柚木真喜子が海外の映画祭で賞に輝いた。 かつて柚木の映画の脚本を書いていた志保(「転がる石」)、柚木の恋人を奪って結婚したさつき(「トウベエ」)、ラジオ番組の取材を受けることになった実妹の七恵(「チューリップ・ガーデン」)、それぞれの実家が近所で柚木に心酔する亜紀美(「光」)、柚木に息子が惑わされていると心配する事務所社長の登志子(「伸びやかな芽」)、柚木の目に止まり映画出演することになった十和(「流れる風」)らが彼女について語りはじめ、そして最後にシナリオ風にそれらをまとめ、印象的なラストシーンへつれていく(「リフレクション」)。 6人の人物の話を読むうちに、柚木真喜子という一人の女性の姿が浮き彫りになってくる感じです。 手法としては、三浦しをんさんの『私が語りはじめた彼は』に似てるかな? でも中身は大島さんらしい、心理描写が緻密に繊細に描かれた作品に仕上がっていました。
Posted by