カンタ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
筆者の短篇集「約束」の表題作に登場する在原葉治(本作では耀司)と土井汗多という、同名の幼なじみが主人公の物語。 「約束」では通り魔に殺されてしまったヨウジと、彼に守られて生き残ったカンダだが、生い立ちなど設定は違えど、この物語では二人は一緒に大人になり、事業を興し、そしてマネーゲームに翻弄されてピンチに立たされる。 2つの物語はリンクしているわけでなく完全な異世界ではあるが、筆者はこの二人の幼馴染みの組み合わせをよほど気に入ったのか、長編ではより丁寧に二人の人生を描いている。 現実の社会とは、時代設定と流れにちょっと無理があるように感じたし、エンディングも少し呆気無い感はあったけれど、テンポよく、爽やかに描かれていて一気に読めた佳作。
Posted by