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レーン最後の事件 の商品レビュー

4.4

18件のお客様レビュー

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    7

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2024/01/05

シリーズを読み始める前はこんなに凄まじいシリーズだとは全く予想してなかった 他の三作品に比べると登場人物が少ない

Posted byブクログ

2023/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

☆4.0 X、Y、Z、最後の事件と必ず順番通りに読むことをおすすめいたします。 そしてできれば、あまり間を置かずにシリーズ一気読みが推奨であります。 ああ、なんと静かな幕切れだったことか。 私立探偵として活躍するサム元警視と娘ペイシェンスの事務所に奇妙な依頼人が訪れた。 帽子をかぶり、黒や青や緑の濃淡の付いたおかしな顎髭と、青いサングラス。 明らかに変装している痩身長躯な男だ。 その男は現在巨額の価値を持つ秘密を探っており、その手がかりを入れた封筒を預かって欲しいと言う。 そして自分の無事を知らせる定期連絡がなかった場合に開けてほしいと。 千ドルもの依頼金を提示され、受けることにはしたものの、なんとも怪しい依頼に戸惑い、いたずらの可能性も考えたサムとペイシェンスだが、一度目の定期連絡も無事に終えたので、そのまま依頼を続行することにした。 同じ頃、サムの知り合いの元警察官で今はブリタニック博物館で警備員をしているドノヒューが、行方不明になっているので探してほしいとの依頼が舞い込む。 調査のために訪れたブリタニック博物館では改修工事をしており、新しく寄贈されたシェイクスピアの稀覯本を展示する部屋が作られていた。 置かれているガラスケースの破損から、稀覯本のすりかえが発覚。 しかし、おかしなことに元の稀覯本よりも価値の高い貴重な稀覯本がそこには残されていた。 おそらくドノヒューはすりかえた犯人を追って行方不明になったと思われた。 サムから協力を要請されたドルリー・レーンも加わり事件を負うのだが…… ドノヒューの行方不明が不穏だけど、前半はわりと軽やかに進む。 ペイシェンスとロウ青年のロマンスとか。 その軽さに騙されちゃうと、後々の展開でウグッてなっちゃう。 読み終わって二周目はもう、部屋が斧でめちゃめちゃなところからずっとウグウグしてた。 二周目、どこまでも心がつらい。 サム元警視がどこまでもサム元警視で、安心するような悲しいような。 どうしてレーンはこの最期なのか。 多分それは、ペイシェンスにわかってしまったから。 推理で完全に説明できてしまう証拠があったから。 なのだと思う。 Yの時には読んでいて確定できる描写がなかったから平気だっただけで(やってる前提で書いちゃってますけど)、行動すること自体にはそんなにもう葛藤はなかったんじゃないかな。 "これがやりたかったんだ"という思いは受け取った。 そして"これに関してグチグチ言わんぞ"という強さと潔さを感じさせるラストだった。 シリーズ通して、わからないことが多い話だったかもしれない。 もちろん事件やトリック、犯人などはすっきりなるほどと面白く読んだけど、精神面では読み取れない部分が自分にはすごく多くて、戸惑いも大きかった。 自分の読解力が足りないからのか、それとも元々そこに力点がないからなのかはちょっとわからん。 お詳しい方々に解説してもらいたい欲がすごく出た作品群だった。 そして何よりとにかく楽しんだ時間だった。

Posted byブクログ

2023/01/21

ペイシェンスの仮説に助けられながら、自分なりの推理を進めたが、まさかの結末。 終盤でペイシェンスが、(伏線として仕込まれていた)事実を一つずつ挙げていく中では、サム警視よりは早く気付いたものの、驚きは半端ないです。 終わり方が美しいのには、気持ちが救われました。

Posted byブクログ

2022/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

呆然とする結末。 あくまで第三者として事件に関わる探偵に慣れていたのですが… 2作目で、おや?と感じた主人公像。 集結で確信に変わり、愕然。 信念を通すために、手段を選ばないんだなあ。。 お別れが寂しい読者のために、主人公が舞台を降りる最終回の場面を、最小限にしてくれた作者に感謝です。

Posted byブクログ

2022/06/01

【シリーズ】というものの醍醐味が初めて分かった気がします…(´;︵;`) 全てがあって完成品。 これはもう芸術です! ドルリー・レーンシリーズ最終巻。 私立探偵となったサムの元に、カラフルな付け髭で変装した怪しい男がくる。 その男は、ある封筒を預かって欲しいと依頼。 一定期間...

【シリーズ】というものの醍醐味が初めて分かった気がします…(´;︵;`) 全てがあって完成品。 これはもう芸術です! ドルリー・レーンシリーズ最終巻。 私立探偵となったサムの元に、カラフルな付け髭で変装した怪しい男がくる。 その男は、ある封筒を預かって欲しいと依頼。 一定期間自分から連絡がこなければドルリー・レーン立ち合いの元、封筒を開封しろと言う。 この奇妙な依頼を皮切りに事件に巻き込まれるサム元警視とペイシェンス。 レーン四部作の完結編。 「好きだから早く読みたい」気持ちと「好きだから最終回は読みたくない」気持ちが鬩ぎ合う。 昔ポワロ(私の読んでたシリーズはポアロではなくポワロだった)の最終巻「カーテン」を読むのが悲しくて、でも好きだから読みたいけどでも…と、未だに読めていない(^▽^;) 数年前に観ていた大好きな米ドラマも、最近ようやく最終回観たくらい。 話を元に戻して、 思えば「Xの悲劇」からこの完結編に向かう要素はあったのかもしれない。 「X」「Y」「Z」があっての「最後の事件」だ。 全てに共通しているが、細かく散りばめられた疑問点全てに意味がある。 その「意味」の傾向にとてもセンスがあり、もうすっかりエラリー・クイーンの虜になってしまった…(′;ω;`) ミステリだけではなく、様々な観点から総合して最高傑作です。 私の目の奥にはハムレット荘の美しい光景と、庭園で日光浴をしているレーン。 傍に立つサム警視とクエイシー。 走り寄るペイシェンスの笑顔。 すごく愛おしい作品に出会えました。 私の好きな小説10選に入ります。 ネタバレしたくないから多くは語りません。 私が言いたいのはひと言。 「最初から全部読んで。絶対後悔しないから!」 (>□<)

Posted byブクログ

2018/09/29
  • ネタバレ

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2018.9.29 衝撃。 過去作の感じと流れで後半から大体予想はついていたけれど、それでも読後、全身の体温が上がったように興奮が収まらなかった。 これを有名どころのX.Yで終わってしまった人は、悲劇シリーズの醍醐味の4分の1ほどしか味わえていないのでは。 4部作として完成されていた。ここまで読まないのはもったいない!! というか、XやYばかり有名なのが理解できない!4作で圧倒的に衝撃なのは本作以外にない。 正直、過去3作は流れが綺麗で展開も上手いけれどありがちな内容だと思っていたが、これを読んでこのシリーズの印象がガラッと変わった。私の中で大変記憶に残る本となった。 作者の潔さ!気持ちいい!終わりも余計な説明なく、潔い幕引き。 ただこの興奮で忘れそうになったが、中盤終わりくらいまでは相変わらずの秘密主義にモヤモヤしたり、ロウがペイシェンスの推理を頭ごなしに嘲笑うところが鼻についたり、そらそうやろ!ってことをペイシェンスが得意げに語って賞賛を受けるところが腑に落ちなかったりした。 そこまでは前作に引き続き、エラリークイーンは合わないなあとか、最後までこの感じかあなどと冷めた気持ちで読んでいた。 こんなにモヤモヤしていたのに、後半で一気に4作の印象を覆したのだから、それほどの衝撃だったことは間違いない。犯人が想像できていても緊張や興奮が味わえる。 この興奮を味わうのに3作半かかるってのが痛い。今にしてみれば、もちろん4部作だから得られた興奮であることは分かるのだが、、、 もう一度一作目から読み返したい!

Posted byブクログ

2018/06/25

自分の中で大切なモノは何か?その大切なモノを守るための選択が、時に過ちを犯してしまうのかもしれない。

Posted byブクログ

2018/04/17

警備員の失踪と稀覯本盗難というシェイクスピアにまつわる小さな事件のその先に 1933年当時の読者たちをきっと大いに震え上がらせた悲劇が待っていた。 精緻なパズラー。 シンプルで強く衝撃を伴うロジック。 息を詰まらせるその衝撃の只中に投げ出され、閉幕。 四部作の一つ一つが「起」「...

警備員の失踪と稀覯本盗難というシェイクスピアにまつわる小さな事件のその先に 1933年当時の読者たちをきっと大いに震え上がらせた悲劇が待っていた。 精緻なパズラー。 シンプルで強く衝撃を伴うロジック。 息を詰まらせるその衝撃の只中に投げ出され、閉幕。 四部作の一つ一つが「起」「承」「転」「結」の一つとしてちゃんとターニングポイントになっていてその構成に惚れ惚れする。 終点まで辿り着き それぞれのターニングポイントの意味を噛み締める。 誉れ高きレーン四部作の完結編。

Posted byブクログ

2017/03/30

サム警視の元へ舞い込んだ奇妙な依頼。 一通の封筒の保管、警備員の失踪、 観光バスに紛れ込んだ2人の男。 いずれの調査も徒労に終わる。 更に、博物館からシェイクスピアの 年代物の貴重な本が盗まれ…。 幾つもの不可解な謎を、 ドルリー・レーンはどう推理するか。 四部作のラスト。 ...

サム警視の元へ舞い込んだ奇妙な依頼。 一通の封筒の保管、警備員の失踪、 観光バスに紛れ込んだ2人の男。 いずれの調査も徒労に終わる。 更に、博物館からシェイクスピアの 年代物の貴重な本が盗まれ…。 幾つもの不可解な謎を、 ドルリー・レーンはどう推理するか。 四部作のラスト。 世間一般の知名度は、X、Yの悲劇が 抜きん出ているが、 読み物としての面白さはこちらの方が 抜群に魅力的に感じられた。 派手な殺人事件は殆ど登場しないが、 非常に不可解で「面白い」幾つもの謎が 次々に提示され、 これらがどう結びつくのか 楽しみでならない。 シェイクスピアにまつわる美術、 歴史ミステリといった趣である。 そして衝撃の結末。 後半で気づく人は少なくないだろう。 だが、気づいたから何だというのだ。 このシリーズにあの結末を用意する エラリー・クイーンの凄さ。 パズラーとしては今ひとつの物語 かもしれないが、読み物として ドルリー・レーンという稀代の 名探偵を描いた作品として傑作だった。

Posted byブクログ

2016/04/24

ミステリーというより、稀覯書をめぐる小説として楽しむ。シェイクスピアは改めて、西洋文明においては知識階級の教養なんだな〜と実感。今年2016年はシェイクスピア没後400年!

Posted byブクログ