傍聞き の商品レビュー
まさに“現場”で戦う人間のドラマという作品で、どの話もボリューム感とストーリーの重量感が程良かった。ただどのエピソードも同じ世界観の短編集だったため、4つのエピソードを通しての伏線回収を期待しながら読んでしまったのは失敗だった。 「迷走」が1番好きだった。★5。 最後の「迷い箱」...
まさに“現場”で戦う人間のドラマという作品で、どの話もボリューム感とストーリーの重量感が程良かった。ただどのエピソードも同じ世界観の短編集だったため、4つのエピソードを通しての伏線回収を期待しながら読んでしまったのは失敗だった。 「迷走」が1番好きだった。★5。 最後の「迷い箱」は伏線の振りが丁寧すぎて話の半分あたりで真相が読めてしまい、もう少し雑にしても良かったのではと感じた。途中から、主人公の勘の悪さがなんだか作者の意図的な感じがしてモヤモヤしてしまった。
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短編集の中で、かなり面白いほうだと思いました。展開の予想ができないなか、最後に伏線が回収されていく様はスッキリします。最後はスッキリ、ほっこりした気持ちで読み終えることができる良いお話でした。
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今まで読んできた短編の中でもかなり面白い部類に入りました。 最小限のページ数なのに伏線が綺麗に回収されまくっていて、読んでいて気持ちよかったです。
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ミステリー短編4話 どの話も最後はほっこりした気持ちで終われる イヤじゃないミステリー 特に「傍聞き」は、短い話なのに、いくつも謎ポイントが出てきて、最後には全部すっきり回収される 仕事人間の母とだいぶしっかりした娘のキャラクターとその2人の関係性も好き 読みやすいのに軽すぎ...
ミステリー短編4話 どの話も最後はほっこりした気持ちで終われる イヤじゃないミステリー 特に「傍聞き」は、短い話なのに、いくつも謎ポイントが出てきて、最後には全部すっきり回収される 仕事人間の母とだいぶしっかりした娘のキャラクターとその2人の関係性も好き 読みやすいのに軽すぎない 暗い気持ちにもならない 安心して読める一冊でした
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傍聞き(かたえぎき) かたわらにいて、人の会話を聞くともなしに聞くこと。 確かに、直接聞くより効果あるかも? 例えが間違ってるかもしれんけど、本人に直接褒めるのも良いけど、それより周りの人に言って、また聞きする方がより嬉しい(説得力がある) ここでは、女刑事さんの娘が、その手...
傍聞き(かたえぎき) かたわらにいて、人の会話を聞くともなしに聞くこと。 確かに、直接聞くより効果あるかも? 例えが間違ってるかもしれんけど、本人に直接褒めるのも良いけど、それより周りの人に言って、また聞きする方がより嬉しい(説得力がある) ここでは、女刑事さんの娘が、その手法を利用する。でも、こんなの娘から言われるとツラい。 狙いが違ったとこにあるのが分かった瞬間、ホッとする。 何も殺人事件だけが、刑事の仕事ではないからね。 この作品をメインに、自分を犠牲にしても他人を助ける職業の人(消防士とか)のミステリー4編! なかなか、読み易く面白い(^_^)v
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何かで紹介されていた。賞を受賞しているということなので、読んでみた。「教場」の著者だということを後で知った。 警察や消防などの仕事に就いている人たちが主人公の短編集。他の登場人物の不可解な行動の謎が解き明かされるというミステリー要素がある。 まずは、警察や消防の職員が自宅近く...
何かで紹介されていた。賞を受賞しているということなので、読んでみた。「教場」の著者だということを後で知った。 警察や消防などの仕事に就いている人たちが主人公の短編集。他の登場人物の不可解な行動の謎が解き明かされるというミステリー要素がある。 まずは、警察や消防の職員が自宅近くに配属されるのは有り得ないので、近所で起きた事件を捜査するとか、近所の火事を消火に行くとかが違和感があり過ぎて、話に入り込めない。どの話も大した謎でもないし、短編で話は拡がらないし、イマイチだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
4つの短編で構成されるミステリー。どの作品にも僅かな謎や違和感が散りばめられており、それらの要素を回収しながら、でも終わりでは(イヤミスのようではなく)少しほっとさせてくれるストーリー。 【迷走】 救急隊員隊長の室伏と、同じチームの隊員蓮井が主人公。蓮井の婚約相手かつ室伏の娘を車で撥ねた加害者の元検察官が刺傷を負い、彼を病院に搬送するというのが全体の流れだが、室伏の謎の言動と行動により、なかなか病院に送り届けることができない。ここまでで「私怨に取りつかれた救急隊員」という嫌な筋書きを最初は想像したが、「携帯電話を耳にあてながらサイレン音を鳴らし続ける」という行動から室伏の狙いとオチが少し読めたのは良かった。 怨恨や個人的感情、更には病院の規則や規定を抜きに、何よりも人の命を優先するという芯の強さに心打たれる作品。 【傍聞き】 タイトルの傍聞きがテーマとなる物語であり表題作。 主人公は女刑事の羽角啓子だが、娘の菜月も物語の重要な担い手である。 話は近所の老婆宅で起きた空き巣事件から始まる。しかし、同時期に発生していた通り魔殺人事件を連日担当していた啓子は、心身共に消耗した状態が続いていた。加えて娘の不可解な言動に悩まされる日々が続く。 話が進む中で、実は空き巣事件の容疑者が、我が家に危害をもたらしかねない人間であったことがわかり、読み手もハラハラさせられる展開となるのだが、こちらはあっさりと解決。 意外だったのは娘の不可解な言動に隠された意図であり、遠回しながら一人の老婆を労ろうとする純粋な心持ちに涙腺が緩んだ。 結果的にほっこりハッピーエンドで終わったのはいいが、未解決のままである通り魔事件のことを考えてしまうのは野暮かもしれない。 【899】 消防士として働く諸上が物語の語り手。 諸上は隣家のシングルマザーである新村に恋心を抱いていたが、なかなか一歩を踏み出すことができない。 そんな中、新村の隣家の老人が火事を起こし、諸上は同僚の笠間•石崎と共に消火活動及び延焼した新村宅に取り残されてしまった新村の一人娘あいりの救出に奔走する、というのが大まかな流れ。 しかし、諸上は自分が惚れている女の生活臭やそれによる雑念によってあいりの捜索に手こずり、結果同僚である笠間によってあいりは救出される形となる。 仕事に私情を挟んでしまったことを諸上は心から悔やむのだが、諸上があいりを発見することができなかったのには理由があった。 当然、あいりを救出した笠間が物語の大きなキーとなっている。しかし、彼の犯した過ち自体が自分の身の回りに起きた悲劇や、無責任な親に対する怒りというある種の信念から生まれた行動であることがなんとも皮肉で責めがたい。自分が諸上の立場でも彼の味方になることができたかどうか、とてもわからない。 【迷い箱】 迷い箱とは造語で、捨てるかどうか迷っているものを一時的にとっておく箱のこと。この迷い箱の解釈が物語の大きな鍵になっている。 更生保護施設の施設長を務めている設楽結子が主人公。 結子は刑務所から出てきた元受刑者の身寄りを一時保護し、更生や就職に向けた支援をするための活動を続けていた。しかし、変わらない元受刑者の素行等に嫌気が差し、半ば職を辞める覚悟をしていたところだった。 作中には碓井という過失致死罪に問われた元受刑者(かつキーパーソン)が登場するのだが、この碓井がテレビを使い、テレビに映っていた主人公を心の中という迷い箱に留めようとしていたのが印象的であった。自分の行動に意味を見いだせずいた主人公も、ちゃんと元受刑者の心に寄り添えていたのである。そこから彼女がこれからも仕事を続けていこうという決心をしたところで物語は幕を閉じる。 巻末作品にふさわしい、主人公の新たな出発を予期させる爽やかな終わり方だった。
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短編集であるが、ミステリーの面白さが詰め込まれており面白かった。特に最後の『迷走』では隊長である室伏の行動の不可解に何の意味があるのかが気になりスピード感が増した。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
4編共に中々奥深い展開からなされている。最後に大きなどんでん返しはないものの序盤からのちょっとした引っかかりをしっかり回収してくれる展開はさすがだと思う。 他の作品も読み進めて、もう少しこの作者の事を知っていきたいと思う。
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2008年に日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作含む4編収録の短編集。 それぞれの作品に登場する人物の職業はバラバラ。救急隊員、女性刑事とその娘、消防士、元受刑者。どの作品も不可解な行動が描かれているが、その行動にはそれぞれに奥深いドラマがあって心地よい読後感を残す。ミ...
2008年に日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作含む4編収録の短編集。 それぞれの作品に登場する人物の職業はバラバラ。救急隊員、女性刑事とその娘、消防士、元受刑者。どの作品も不可解な行動が描かれているが、その行動にはそれぞれに奥深いドラマがあって心地よい読後感を残す。ミステリーではあるが、それ以上に人間ドラマが印象に残る作品集である。
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