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あやかし草子 の商品レビュー

3.9

26件のお客様レビュー

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2026/04/01

作者の筆が冴えわたる作品集。とても良い見つけものをした気分だ。 文庫本のイラストも素晴らしいが、単行本の和綴の本を思わせる装丁がとてもいい。各話の扉絵は鳥山石燕の「画図百鬼夜行」や「今昔百鬼拾遺」から。 6つの中編は、妖と人との境目が曖昧になり、混じり合う物語。 「天つ姫」や「...

作者の筆が冴えわたる作品集。とても良い見つけものをした気分だ。 文庫本のイラストも素晴らしいが、単行本の和綴の本を思わせる装丁がとてもいい。各話の扉絵は鳥山石燕の「画図百鬼夜行」や「今昔百鬼拾遺」から。 6つの中編は、妖と人との境目が曖昧になり、混じり合う物語。 「天つ姫」や「機尋」に見られる、強き男、凛とした女は「しろがねの葉」にも繋ると思う。 2011年8月31日発行と、奥付にあるから、はるか昔から醸されていたのだろう。

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2025/10/27

あやかし(妖かし)は元々は海上の妖怪や怪異の総称だそうですが、今では、海にかかわらず、美しさや幻想的な雰囲気を持った妖怪を示す言葉のようです。 「鬼の笛」「ムジナ和尚」「天つ姫」「真向きの龍」「青竹に庵る」「機尋」の6編。全て独立した短編ですが、いずれも、人と違う性癖や異能を持ち...

あやかし(妖かし)は元々は海上の妖怪や怪異の総称だそうですが、今では、海にかかわらず、美しさや幻想的な雰囲気を持った妖怪を示す言葉のようです。 「鬼の笛」「ムジナ和尚」「天つ姫」「真向きの龍」「青竹に庵る」「機尋」の6編。全て独立した短編ですが、いずれも、人と違う性癖や異能を持ち、世の中になじめぬ人間と、鬼、古ムジナ、天狗、龍、竹の精、機(はた)の精といったあやかし達と関わりを描いた作品です。 好きですね。 千早さんらしい薄暮の中に灯るほのかな明かりの様な美しさ。強大な力を持ちながら、優しく、何処か哀切感の漂うあやかし達。副題の「みやこのおはなし」がとてもよく似合う物語です(何故か文庫化された時にこの副題は落ちたようですが)。 ちなみに『あやかし草子』で検索すると、宮部みゆきさんのシリーズ(こちらは草“紙”)や児童文学の那須正幹さんの本も出て来ます。人気のタイトルの様です。

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2025/07/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あやかし草子 みやこのおはなし 「鬼の笛」「ムジナ和尚」「真向きの龍」「天つ姫」「機尋」「青竹に庵る」の6編からなる短編集です。 どの話も寓意性が感じられてとても趣があります。 竹蔵はムジナが人の観察のために和尚に化けて廃寺に住んで村人たちとかかわる中で、人よりも人らしくなる「ムジナ和尚」が好きでした。 あやかしの持つ不思議を不思議として畏れ敬う感性。そんな感性を取り戻すことが、所謂エコな生活の原点ではないかと思う竹蔵でした。 竹蔵

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2026/03/14

これ好きな世界だわー。昔の日本のお話 好きな世界だった。古い昔の日本のどこかに言い伝えられている昔話のような、ありそうで無さそうな、無さそうでありそうなお話。妖の世界が本当に信じられていた頃の日本のお話。

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2024/09/29

人間と人間でないものの交流を描いた短編集。千早茜らしい淡々と柔らかくうつくしい文章が非常に合っていた。 関係性や話のテイストがそれぞれ違っていて、一つずつしっかりと楽しめた。 同じ場所が舞台なのかもしれないと思わせる話がいくつかあり、不思議なものたちが息づいていた時代を感じられて...

人間と人間でないものの交流を描いた短編集。千早茜らしい淡々と柔らかくうつくしい文章が非常に合っていた。 関係性や話のテイストがそれぞれ違っていて、一つずつしっかりと楽しめた。 同じ場所が舞台なのかもしれないと思わせる話がいくつかあり、不思議なものたちが息づいていた時代を感じられて良かった。 どの話も本当に印象的で、数日掛けて一冊を読み終えたが、タイトルを見れば話の内容や空気感が思い起こせる。

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2024/08/07

6篇のあやかしの物語。 各扉絵には、鳥山石燕(この名を知ったのは『Dr.スランプ』だった。鳥山先生曰く「関係ない」らしいが)の妖怪の絵が用いられており、 古の妖怪の世界に浸れる。 「ムジナ和尚」は古ムジナが廃寺に住み着き、人間の和尚として過ごし始める物語。 人間の感情なんてわか...

6篇のあやかしの物語。 各扉絵には、鳥山石燕(この名を知ったのは『Dr.スランプ』だった。鳥山先生曰く「関係ない」らしいが)の妖怪の絵が用いられており、 古の妖怪の世界に浸れる。 「ムジナ和尚」は古ムジナが廃寺に住み着き、人間の和尚として過ごし始める物語。 人間の感情なんてわからない妖怪なのに、とあるきっかけで人の心を持ってしまう。 それは妖や森に住まう生き物たちには不要なもの。 それでも、もう、知らなかった時には戻れない。 切なさが染みる物語だった。 「青竹に庵る」もほろ苦い物語。 異能の力、と言うほどでもないが、都に住まう人たちよりは秀でている才。 それを吉弥が使ったのはなぜか? こんな結果になるとは思わなかった? そう、彼はまだ子供だったのだ。 目の前の大人のことを容易く信じてしまう。 現代でもきっとそういうことはあるだろう。 大人のずるさに騙されて、心を痛めて、自分を責めて。 だから誰かに頼っていいのだよと、そう思ってしまうのは私が「母」なるものだからなのか。 頼りなくて、足りないかもしれないけれど。

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2023/09/30

人間のぬしには、俺の真実の姿など、見定めることはできまいよ-。いにしえの都に伝わるあやかしたちの6つの物語。 『わるい食べもの』に続いての千早茜san。 鬼、狐、天狗、龍、機尋(はたひろ)等といったあやかしから見た人間たち。お気に入りは、2話目の「ムジナ和尚」。人に化け、街に...

人間のぬしには、俺の真実の姿など、見定めることはできまいよ-。いにしえの都に伝わるあやかしたちの6つの物語。 『わるい食べもの』に続いての千早茜san。 鬼、狐、天狗、龍、機尋(はたひろ)等といったあやかしから見た人間たち。お気に入りは、2話目の「ムジナ和尚」。人に化け、街に降りた古ムジナが、先輩?のイタチ男と、人間の「好き、故に」という感情や、「目から落ちる水」の意味が分からないと話すところが新鮮でした。 人になってしまった白狐、人間の屍を食べる獣たち、古ムジナの腕の中で息絶える娘、最後の涙。 人間は余裕があるから余計なことをするのではないのか。苛めとか、踊りとか、快楽とか。そこから好きとかという言葉が生まれてくるのだろう という感覚。そして、涙が零れた途端、古ムジナの胸にぽっと宿った「何か」。 この「何か」が、生きるものすべてに、一番大切なものなのではないかと感じました。6話すべてが妖しくて、美しくて、切ない物語。笛や琴の音の描写も素敵でした。

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2019/01/16

あやかし…この世の者ではない、天狗や龍、狐や狸が化けたり、そんな、あやかしと人間の関わりか方、ちょっぴり切ないファンタジー ジブリの世界を浮かべながら読みました

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2018/06/23

 あの頃、オレは願っていた。祈っていた。欲していた。想いをかたちにする才を。感じたもの見たもの全てを残すことができる方法を。 (P.161)

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2017/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人と妖かしの関係に想いを巡らせる6つの短編集。 幼い頃に観た「日本昔話」のような物語だった。 特に「ムジナ和尚」「天つ姫」「真向きの龍」が切なくて泣ける。 妖かしの目から見た人とはなんと強欲なことか。 人は恐れたり憎んだり喜んだり悔しがったりと幾多の感情をさらけ出す生き物だ。 そんな人を惑わす様々な妖かし達。 妖かしの一匹(?)のセリフ「私は嘘はつきません。嘘をつくのは人だけです」に衝撃を受けた。 そして人の流す涙に妖かし達は衝撃を受けたに違いない。 切ない余韻の残るお伽噺だった。

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