水底フェスタ の商品レビュー
夏フェスと、村の不正と復讐。 重かった!わかりやすい伏線でらしくないなーとか思ったけどたまにはいっか。 人間、裏と表の顔があるさね。優しい両親や周りの嘘をどこまで信じてどこから抗うか。
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とある田舎の村を舞台にしたお話。 野外フェスタを誘致し経済的に潤う村に、東京でモデルとなった由貴美が突如帰郷してきた。 村長の息子である広海は彼女に村への復讐を持ちかけられるが・・・ なんというか・・・閉鎖的ではあるけども一見平和にみえる村の暗部みたいな話がなんともいえない不快感。おもしろいことはおもしろいんだけど再読しようとはなかなか思わないなあ・・・ BOOKデータベースでは「辻村深月が描く一生に一度の恋」ということですが・・・そうだったのか。気がつかなかった。これは恋をテーマにしてたのか。 なんとなくなんですが、いろんな部分で神経を逆なでさせてひっかきまわすだけひっかきまわして終わってしまったようなそんな読後感。妙に尻の坐りが悪いような。 結局のところいい人に見えたのは悪い人で悪い人に見えたのはいい人だった、という?まあ比較的ですが。でも恋・・ねえ。 まあ外側からの感想になりますが、たしかにそういう閉鎖的環境にいたら「なにもかもぶっ壊してやれ」くらいには思ったりはしましたけども。
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誰が本当の事を言っていて、誰が嘘を言っているのか。 それ以前に、どこまでが嘘でどこまでが本当なのか。 一体何がどうしてどうなるのか。 閉鎖的なムラの穏やかさが隠蔽の上に成り立っていること 読後のすっきりしなさはあるものの この作品については 有りかもしれない
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救いをどこに求めればいいのかわからない。 救いのある前提で自分が絶望の中にいるのではないかという錯覚を楽しむ世代、いわゆる厨二病な人たちには受けのよい内容なのかもしれません。でもすでに自分の力で暮らすことを余儀なくされている立場の人間には、ただただ救いの無い一作。 どうせ読むなら、題材がどのようなものであっても、もう少し楽しみたい。作者のバランス感覚が、今、少しずれているような印象を受けます。 例えば東京でレイプ事件を起こして田舎に隔離された金持ちのどら息子の心情に思いを馳せる記述はあるのに、その事件の事実関係への言及がほとんど無くて、その人物の行動原理のつじつまがかなり曖昧なため、そのことで主人公が思い悩むシーンの描写にも全く感情移入できないとか。 これまではそんなところはしっかりと固めてあったはずで、「人間」をリアルに描くことが何より得意だったのに。本作では結局どれが真実でどれがウソか、ある程度の推測でしか測れない内容が多すぎて、投げっぱなしな要素も多々。 これまでは精緻に人を描いてしっかりと話を組み立てるような、完成度を重視した作風であったのが、ここ数作はちょっとその点では退行しているような印象です。
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辻村さんの新刊なので購入。 最近の著作の中では、一番面白かった。 最後の落ちがちょっと尻すぼみ気味で、 そこに繋がる大きな伏線が無かっただったのが残念だったので、 ★1つマイナスしています。 採点で「不自然な伏線」と指摘された部分を修正しているのだろうか? まだまだ伸び代がたっぷりあると思うので、 更に上質の作品を書いて下さると期待しています。 直木賞候補になると思うが、受賞して欲しいような、 本作ではまだ受賞して欲しくないような微妙な心境です。
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B++ 辻村の新刊だったから 相変わらずタイトルのセンスが悪い。内容は田舎の閉鎖的で倒錯した価値観を上手く表現した傑作。 文藝春秋だし、次回も直木候補になるんじゃないかなぁ。出来たら、コイツにあげてほしい
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辻村さんの新刊☆ 読み終えて「ゾクリ」とした。なんとも言えない、狭い世界の価値観が壊れる恐怖。この一冊にたっぷり詰まってると思いました(笑) 妙に臨場感があって、すぐ引き込まれる世界は相変わらず凄い!! 終わり方は見えてたけど、この話ならこれでありかもと納得。 ただ、さっぱりとは...
辻村さんの新刊☆ 読み終えて「ゾクリ」とした。なんとも言えない、狭い世界の価値観が壊れる恐怖。この一冊にたっぷり詰まってると思いました(笑) 妙に臨場感があって、すぐ引き込まれる世界は相変わらず凄い!! 終わり方は見えてたけど、この話ならこれでありかもと納得。 ただ、さっぱりとは読み終えられない作品でした。
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おもしろくは読めましたが、全体的に現実感が薄いような…。そういう設定で閉鎖された村で、という雰囲気はよく出てると思うのですが、すごく調べて作りました、という感触が消えなかった気も。広海くん以外の村の大人の視点があっても面白かったかも。 ここまで閉鎖的な村は確かに息がつまりそうだけ...
おもしろくは読めましたが、全体的に現実感が薄いような…。そういう設定で閉鎖された村で、という雰囲気はよく出てると思うのですが、すごく調べて作りました、という感触が消えなかった気も。広海くん以外の村の大人の視点があっても面白かったかも。 ここまで閉鎖的な村は確かに息がつまりそうだけれど、そこはそこでうまく回っているというのも、きっと事実ではあるんだろうな。
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フェスタの夜会った、村出身の芸能人になった娘の目的は何か。 近づいた理由は、何が目的なのか。 次々と出てくる理由は、それが最後なのかまだあるのか。 誰が本当の事を言っていて、誰が嘘を言っているのか。 それ以前に、どこまでが嘘でどこまでが本当なのか。 一体何がどうしてどうなるのか...
フェスタの夜会った、村出身の芸能人になった娘の目的は何か。 近づいた理由は、何が目的なのか。 次々と出てくる理由は、それが最後なのかまだあるのか。 誰が本当の事を言っていて、誰が嘘を言っているのか。 それ以前に、どこまでが嘘でどこまでが本当なのか。 一体何がどうしてどうなるのか。 まさかの展開に、まさかの状態。 どんどんと深みにはまっていくような状態に ぞっとするものがありました。 急速に大人になってしまった少年のとった道は 違う形での『復讐』に。 この後どうなるのか、どうするのか。 とりあえず、読後に思った事は、村って恐ろしい…でした。
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ラストに救いや爽快感が少なく、いつもの辻村さんらしくないなあという印象。ROCK FESの高揚感や、自分だけはこの音楽をきちんと受け取ることができているという(幼い)自意識など、痛くも共感できる描写も多いのだけど、作品の根底にあるべき「何か」が不足しているような感が否めない。「祝...
ラストに救いや爽快感が少なく、いつもの辻村さんらしくないなあという印象。ROCK FESの高揚感や、自分だけはこの音楽をきちんと受け取ることができているという(幼い)自意識など、痛くも共感できる描写も多いのだけど、作品の根底にあるべき「何か」が不足しているような感が否めない。「祝祭の夜には誰も死んではならない」というコピーに力を与えて欲しかった。 文藝春秋からの出版ということで、どうしても直木賞の存在を意識してしまうけれど、もし本作で受賞となったら、古参ファンとしては寂しいような気がする。
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