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ソーラー の商品レビュー

3.1

22件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2023/01/04

主人公のマイケル・ビアードは、パッとしない外見で、好色で、自堕落なイギリス人の中年男。若い頃にノーベル賞を受賞したが、その後は研究よりも講演などで生活している状況。2000年のある日、5人目の妻の浮気に悩むところから話が始まる。米国の大統領選でブッシュとゴアが争っている頃。ちょう...

主人公のマイケル・ビアードは、パッとしない外見で、好色で、自堕落なイギリス人の中年男。若い頃にノーベル賞を受賞したが、その後は研究よりも講演などで生活している状況。2000年のある日、5人目の妻の浮気に悩むところから話が始まる。米国の大統領選でブッシュとゴアが争っている頃。ちょうど『不都合な真実』が世に出て、エネルギー問題が注目されていた頃。 その後、2005年に話がとぶのだが、ビアードは、物理学UKというよくわからない委員会の議長となる。理系分野への女性の進出についての議論で、男脳・女脳の話をして社会的に総スカンをくらう。日本では、最近になっても同じような議論が忘れた頃に蒸し返されてがっかりするのだが、海外では15年以上前に、きちんと否定されていたんだと、あらためて思う。 最後は2009年。太陽エネルギーの利用で特許をとり、大規模な発電施設のための資金集めをするビアード。2010年に書かれた小説だが、今読んでも、それほど古くは感じない。 面白い話なのだが、好色な主人公が、常に女性を口説くことばかり考えているところが冗長に感じた。そこを面白いと思う人もいるかもしれないけど。

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2021/07/09

つまんなかったなー 皮肉を効かせようとしすぎて、失敗した感じ 翻訳も、Twitterでよく見る文体って感じ

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2018/11/05

はじめは「イギリス人はなんてせせこましい小説が好きなんだろう」と思いつつ読んでいたが、そのうちジワジワと面白みが湧いてきた。ノーベル賞受賞者が実はこんなセコイ男で、なんて設定はどちらかというと陳腐な感じすらするものの、細かい話芸で読者を放さない。 ワタクシのせまい読書経験の範囲...

はじめは「イギリス人はなんてせせこましい小説が好きなんだろう」と思いつつ読んでいたが、そのうちジワジワと面白みが湧いてきた。ノーベル賞受賞者が実はこんなセコイ男で、なんて設定はどちらかというと陳腐な感じすらするものの、細かい話芸で読者を放さない。 ワタクシのせまい読書経験の範囲での感想を述べてしまえば町田康に似ている気がする。防寒手袋を何度もつけたり外したりするシーンとか、そういう細かい芸風が。

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2015/08/05

★2.5かな。 初読の時の感想もいまいちだなぁだったけれども、今回もそれを覆すことは出来ず。 主人公の徹底的な自己中心が社会そのものの縮図として設定しているように思うのだけれども、うーん、この作家にしては何というかそのまま終わってしまった感じ。 社会そのものの主人公をさらに上から...

★2.5かな。 初読の時の感想もいまいちだなぁだったけれども、今回もそれを覆すことは出来ず。 主人公の徹底的な自己中心が社会そのものの縮図として設定しているように思うのだけれども、うーん、この作家にしては何というかそのまま終わってしまった感じ。 社会そのものの主人公をさらに上からの目線で設定し直すといった構成が本作にはないに等しい。主人公のだらしなさにある意味共感はするんだけれども、、、と少々失望。 あと訳がちょっとどうかな?文章がやたらと長い、これは翻訳ものの常的特徴なんですが、こういうのを読むと原文で読めば?と暗に仄めかされてるように感じるのはひがみ過ぎですかな?

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2012/04/14

色々読まねばなものを差し置いて一気読み。温暖化、太陽光による代替エネルギービジネスを軸に、過去のノーベル賞を頼って生きる物理学者ビアードの卑小さを風刺する。『素粒子』にも似た読後感だけど、もっとシニカルかつ、我が身に引き寄せて考えずにはいられないところも。しかし所々声をあげて笑っ...

色々読まねばなものを差し置いて一気読み。温暖化、太陽光による代替エネルギービジネスを軸に、過去のノーベル賞を頼って生きる物理学者ビアードの卑小さを風刺する。『素粒子』にも似た読後感だけど、もっとシニカルかつ、我が身に引き寄せて考えずにはいられないところも。しかし所々声をあげて笑ってしまった。

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2012/04/03

終着地点が最後まで分からない面白さがあったが、如何せん文が読みづらい。 改行、章立て等工夫が欲しい。

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2012/03/17

軽やかにテンポ良くシニカルに、1人の科学者の人生を描く。最近読んだものの中では、奥泉光の「クワコー」ものとテイストが似ている。毒舌ものは、センスがあえば読んでて楽しい。

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2012/05/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イアン・マキューアンを読むのは『贖罪』『初夜』に続いて3作目。相変わらず背景が緻密で「その見事さはこの分野で研究に勤しむMITの科学者たちがメモを盗まれたのではないかと訝るほどだろう」とTimeに評されるほど。現代のエネルギー問題を皮肉りつつ、5番目の妻と破綻しそうなちび・でぶ・禿げの53歳ノーベル賞受賞科学者が好色かつ狡猾に奔走する姿がテンポよく語られる。個人的には北極圏でのドジの数々がお気に入り。人生の滑稽さ・哀しさが胸に迫る作品であった。 44字 × 20行 × 361ページ スカスカのラノベ5冊分くらいの読みでがあった。

Posted byブクログ

2012/02/17

興味深いテーマを扱っていて読む意義みたいなものはすごく感じたんだけど、主人公が壮絶にやなヤツで、しかも読後、後味がよくない。けど、面白い。

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2012/02/26

海外翻訳モノは久々。やっぱどうしてもリズムがちがうから読むペースがつかめないうえに、やたら文章ギッチリだったからなぁ。しかし奇しくも息子とダンナのどきどきの発表連絡を待ちながら平常心を保つために読んでいた本として自分史に刻まれることになった。「イギリスの京極夏彦」と評したひとがい...

海外翻訳モノは久々。やっぱどうしてもリズムがちがうから読むペースがつかめないうえに、やたら文章ギッチリだったからなぁ。しかし奇しくも息子とダンナのどきどきの発表連絡を待ちながら平常心を保つために読んでいた本として自分史に刻まれることになった。「イギリスの京極夏彦」と評したひとがいたから、なんとなくきになっていたマキューアン。うーん。。。難解で学術的なことがずらずら出てくるのにシュールな笑いが織り込まれてる、とかそのあたりを、共通点として見出したのかしら。凍ったリップクリームが裾から落ちたあたりとか間男がうっかり死ぬあたりとか、アメリカンドラマ的にわどわーっと笑い音挿入のとこなんだろう。なにも難解なことだけじゃなく、女にだらしないビアードがどんどん窮地に追い込まれるさまはテンポもあるんだけど。でもまあ文章がすいすい浸み込むような読み方ができなかった。というかビアードに対して関心を保ち続けるのが苦労した、というかんじかなー。ちょともうちょっと短篇とか(もしあるなら)で目を慣らしてみたいですねマキューアン作品。勧めるかといったら多分勧めない、すごく本好きでかさばるの読みたいひとには、いいかも?

Posted byブクログ