1,800円以上の注文で送料無料

日本の大転換 の商品レビュー

3.6

38件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/10/28

3月11日の大震災は日本の今後のあり方を大きく変えるかもしれない。 そしてこれは日本にとどまらず世界全体に及ぶのかもしれない。 本書では地球科学、生態学、経済学、産業工学、社会学と哲学をひとつに結合した新しい知の形態を提唱している。 この大胆な提案は賛成するにせよ反対するにせよ、...

3月11日の大震災は日本の今後のあり方を大きく変えるかもしれない。 そしてこれは日本にとどまらず世界全体に及ぶのかもしれない。 本書では地球科学、生態学、経済学、産業工学、社会学と哲学をひとつに結合した新しい知の形態を提唱している。 この大胆な提案は賛成するにせよ反対するにせよ、検討してみる価値がある。 【熊本大学】ペンネーム:童鯛

Posted byブクログ

2011/10/23

原発問題を宗教論や経済学と絡めて論評してた。 こういう見方がある事を知って、目からうろこが落ちた。 これから日本が進むべき道についていろいろ考えさせられた。

Posted byブクログ

2011/10/19

内田樹氏らとの対談で、「緑の党みたいなもの」構想を立ち上げた中沢新一氏の著作。ご本人は荒削りのマニフェスト(脱原発の)とあとがきに書いている。言わんとしていることは何となく理解できるが、具体性に乏しく、私のような凡人には「先にあるもの」をイメージしにくい。これからに期待。

Posted byブクログ

2011/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

3.11をきっかけに「生き方や考え方を変えようとしている人々は、誰もがエネルゴロジストになれる」と中沢新一は言う。 エネルゴロジストとは、「地球科学と生態学と経済学と産業工学と社会学と哲学とをひとつの結合した、新しい知の形態」としてのエネルゴロジーを理解しようというひとのことであり、そうした視点から「この先」を見ようとするひとのことである。 そこで、まずこの本の前半では、いわゆる石炭や石油といった「化石燃料」と「原子力」との「ちがい」について語られる。太陽の恵みを、あくまでも生態圏の範囲内で長い時間とたくさんの媒介を経てつくられる化石燃料に対して、原子力は、ほんらい太陽圏の活動である核反応の過程をなんの媒介も経ずにそのまま生態圏のなかに持ち込んでしまう技術である。 石炭や石油について、限りある資源を大切にしよう、電気は大切に使おう、といわれるのは、それが自然によって与えてもらったものだというリスペクトがはたらいているからである。ところが、人間が科学技術によって自力でつくっている(と思い込んでいる)原子力については、オール電化を例に出すまでもなく「電気はどんどん使って、どんどんつくろう」ということになる。資本主義と原子力が「セット」であるゆえんだ。 それに対してエネルゴロジーは「第8次エネルギー革命」だと、中沢新一は言う。そのことは、補遺として収められた「太陽と緑の経済」でより具体的に説明が試みられている。 そこでは、原子力+資本主義から、自然の理法に則ってつくられるエネルギー+「つぎのかたち」の経済(ケネー=ラカン・モジュール)へと大きく舵を切ることの必要が、「贈与」「農業」「カタラテイン=交換」「地域通貨」「キアスム構造」といったキーワードとともに宣言される。 もし、このマニフェストがぼくら日本人に勇気をあたえてくれるとしたら、それは、今回の悲惨な災禍を体験したぼくらだからこそ、この大きな「使命」を成し遂げることができるのだと信じさせてくれる点にあるように思う。具体的な動きとして、著者が提唱する「緑の党のようなもの」が近々リアルな活動として始動し、この本はいわばその「マニフェスト」にもなるようだ。ぼく自身、よく考え、自分にできるかたちで積極的に関わっていこうと思っている。

Posted byブクログ

2014/11/19

雑誌『すばる』6・7・8月号に連載されていたときから注目していた論考ですが、そのときとったレジュメとレビューの下書きが、例のたなぞうの終了騒動(!)のドサクサでどこかに紛失してしまって、途方に暮れています。 でも、もし見つからないなら、何としてももういちど再考して、かたちとして...

雑誌『すばる』6・7・8月号に連載されていたときから注目していた論考ですが、そのときとったレジュメとレビューの下書きが、例のたなぞうの終了騒動(!)のドサクサでどこかに紛失してしまって、途方に暮れています。 でも、もし見つからないなら、何としてももういちど再考して、かたちとして残したいと思います。 これは、3・11以降に生きる私たちの持つべき世界観として、地震学者や医療救命関係者や原子力発電所関連の専門家や精神分析家や環境学者や経済学者や企業経営者や芸能人などが、それぞれの専門分野と思い入れを持って思索し行動して問題定義されたなかでも、とりわけ、もっともすぐれて重要な人類的視点で書かれた考察です。 彼は、一面的ではない、私たちがいま現在考えられる究極の選択をしようと試みます。それは、宗教と資本主義という、人間が作り出してきたシステムを根源的に問いただすという方法で展開されます。

Posted byブクログ

2011/09/05

太陽光発電を中心とする自然エネルギーへの転換をいっているが、ストック(化石燃料)ではなくフローの利用となると、量的に足りるのか、また無理にでも多く利用しようとすると自然破壊が進むのではないか(自然エネルギーは、自然から直接エネルギーを収奪することなのだから、最も自然破壊的である)...

太陽光発電を中心とする自然エネルギーへの転換をいっているが、ストック(化石燃料)ではなくフローの利用となると、量的に足りるのか、また無理にでも多く利用しようとすると自然破壊が進むのではないか(自然エネルギーは、自然から直接エネルギーを収奪することなのだから、最も自然破壊的である)。 原子力だけが太陽圏のエネルギーだというのは認めるが、ウランという地球からの贈り物を燃やしているのだから、贈与の次元はあるのではないか。

Posted byブクログ

2011/09/29

『イカの哲学』以来の中沢新一の本だが、やはりこの人の言説は全て「宗教」ががかっている。思考の抽出の仕方が特殊であり、懐かしくもあり、今は遠い世界の話のようにも思える。3・11以後の日本文明のあり方が、これまでのあり方は変わるという意見には納得するが、「贈与」という思考手段にこだわ...

『イカの哲学』以来の中沢新一の本だが、やはりこの人の言説は全て「宗教」ががかっている。思考の抽出の仕方が特殊であり、懐かしくもあり、今は遠い世界の話のようにも思える。3・11以後の日本文明のあり方が、これまでのあり方は変わるという意見には納得するが、「贈与」という思考手段にこだわり演繹的に自論を提示していく方法は、回りくどくもったいぶった生活とかけ離れた世界である。 エネルギーを8つの段階に分け、原子力エネルギーは当然第7段階ととらえ、これからのエネルギー政策を第8段階として遂行していくという意志は認める。現在も小型原子炉開発は先端技術として研究されるべき技術である。それを完全否定するのではなく、原子力発電という技術自体が自然界にあるまじき姿であり、それを勇気をもって捨てていくための思想的バックボーンであろうと心がけているのだろう。それには大いに賛成する。 本書が、あらゆる具体的な事象を通り越して形而上の「思想」として、完成させるための第一歩であるのならば、巷でまかり通るインチキ思想をもここに収斂されていくだろう。中沢新一はいろいろな意味であやしさもあるのだが、こういう立ち位置で世界と対峙する日本人がいてもいいと思う。

Posted byブクログ

2011/08/29

アナロジー全開のアッパー系文明論的脱原発論.生態系に外部性を無媒介に取り込むものとしての原発,一神教,市場主義.ケネーのフィジオクラシーへの言及

Posted byブクログ