iPS細胞とはなにか の商品レビュー
iPS細胞とはなにか 万能細胞研究の現在 著:朝日新聞大阪本社科学医療グループ ブルーバックス B1727 再生医療の根幹となる、万能細胞である、iPS細胞の解説と現状を語る本です 万能細胞の実現は、医療に革命をもたらすと期待されている iPS細胞の発見は、その扉を開けた し...
iPS細胞とはなにか 万能細胞研究の現在 著:朝日新聞大阪本社科学医療グループ ブルーバックス B1727 再生医療の根幹となる、万能細胞である、iPS細胞の解説と現状を語る本です 万能細胞の実現は、医療に革命をもたらすと期待されている iPS細胞の発見は、その扉を開けた しかし、それは、世界規模の研究競争の幕開けでもあった 次の3部に分かれています iPS細胞とは何か どんなことにつかえるか ES細胞の研究の現状 やっぱ、お金のにおいがぷんぷんします 片手間でやっているようでは、米中の餌食になる 気になったのは、以下です ■iPS細胞とは ・人の細胞は、60兆個ある ・それは、たった1つの受精卵が、分化・発生を繰り返すことで作られている ・分化した細胞をもとにもどすことは通常できない ・細胞のDNAを外すともとの分化する前の細胞=幹細胞に戻すことができる ・関連する遺伝子は、4つ Sox2 Oct3/4 Klf4 C-Myc ・4つの遺伝子を組み替えて、培養すると、iPS細胞ができる ■クローン胚 ・受精卵の核を入れ換えて、クローンを作る ・クローン羊ドリーは、277個の受精卵のうち、1個から生み出された これをES細胞という ・ヒトのクローンを作るには、277個の受精卵から、1人を生み出す確率となる 受精卵は、キリスト教では、人と見なされるから、277人の人間を犠牲にして1人のクローンを生み出すことに ・科学と宗教がぶつかることに ES細胞の研究を進めるには、倫理が立ちふさがっている その点、iPS細胞は、自分の細胞を使うことから、倫理上の問題は生じない ■iPS細胞をめぐる問題 ・バイエル、アイピエリアンらと、特許紛争が生じている ・しかも、アメリカは、先発明主義なので、日本とは方式がちがっている ・iPS細胞を使えば、望む臓器を作れるかもしれないが、がん化するという課題があり、解決できていない ■研究の現状 ・ハーバード大をはじめ、アメリカは国を挙げて研究に取り組んでいる ・日本も予算を増額したが、20億円程度であり、研究所の1か所しかない ・再生医療をリードするためには、オールジャパンでいくしかない ・日本ではさらに、基礎研究が遅れている ・山中氏の言葉、「もっと基礎に光を!」 目次 はじめに 第1章 山中伸弥ストーリー 第2章 「リプログラム」への挑戦 第3章 ヒトES細胞をめぐる論争 第4章 国内の研究体制 第5章 特許のゆくえ 第6章 応用への期待 第7章 応用への課題 第8章 さまざまな万能細胞 第9章 ハーバードに見るアメリカの強さ 第10章 山中伸弥・京都大学教授インタビュー さくいん ISBN:9784062577274 出版社:講談社 判型:新書 ページ数:174ページ 定価:800円(本体) 2011年08月20日第1刷発行
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古い本だがiPS細胞の説明だけにとどまらず、歴史や世界の研究の現状など多角的に幅広く網羅しており、文章も読みやすい。
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発見から10年、当時の概要がわかりました。山中教授が、iPS細胞の作製を発表してすぐに、世界中でし烈な競争が始まりました。山中教授のすごさをあらためて感じました。教授は、最近は、開発のかじ取りとしての仕事も多いようで、しかも、そちらの才能もあるようです。実際の、成果はどのような...
発見から10年、当時の概要がわかりました。山中教授が、iPS細胞の作製を発表してすぐに、世界中でし烈な競争が始まりました。山中教授のすごさをあらためて感じました。教授は、最近は、開発のかじ取りとしての仕事も多いようで、しかも、そちらの才能もあるようです。実際の、成果はどのようなものがあるのか、知りたいです。
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1勝10敗。この言葉に日本の研究環境の現状がよく表れていると思う。日本は基礎研究が軽視されているし研究者の待遇が悪過ぎる。この分野でこのまま日本がリードできるか本当に危うい状況だ。 CiRAには研究や臨床応用の実績だけでなく、こういった日本の研究環境改革のモデルケースとなって社会...
1勝10敗。この言葉に日本の研究環境の現状がよく表れていると思う。日本は基礎研究が軽視されているし研究者の待遇が悪過ぎる。この分野でこのまま日本がリードできるか本当に危うい状況だ。 CiRAには研究や臨床応用の実績だけでなく、こういった日本の研究環境改革のモデルケースとなって社会全体に波及効果をもたらすことを大いに期待する。
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人体のどんな組織や臓器をも作り出すことができる万能細胞の実現は、医療に革命をもたらすか。iPS細胞を中心に、世界の万能細胞研究の現在を見る。
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB06453712
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マウスの皮膚細胞に4つの遺伝子を導入して培養するだけで初期の受精卵のようにいかなる細胞へも成長しうる、ES細胞のような万能細胞ができることを山中教授は発見し、これをiPS細胞と名付けた。iPS細胞は受精卵を壊して核移植をして作るES細胞とは作成方法が異なり容易であるとともに、倫理...
マウスの皮膚細胞に4つの遺伝子を導入して培養するだけで初期の受精卵のようにいかなる細胞へも成長しうる、ES細胞のような万能細胞ができることを山中教授は発見し、これをiPS細胞と名付けた。iPS細胞は受精卵を壊して核移植をして作るES細胞とは作成方法が異なり容易であるとともに、倫理的問題も回避される。理論的には筋肉や骨、心臓など、どの細胞にもなりうるが、傷ついた臓器にiPS細胞を移植し再生をはかる、などの治療法には解決すべき問題も多くまだまだ実現しそうにない。目下の活用法は製薬などのスクリーニングに用いることのようだ。またiPS細胞の技術がアメリカ等の他国に追い越されることも危惧しており、特許取得等の戦略的戦いにも勝利しなければならないが、それはなかなか容易ではない。
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iPS細胞というか万能細胞研究の現状を伝えてくれる。 とっても分かりやすい。 iPS細胞の可能性が理解できるとともに、諸外国の方がうまく利用できそうな現実もよく分かる。国内の研究体制を山中教授のノーベル賞受賞を機に再構築してもらいたいものだ。 何より基礎研究への評価がもっと高まる...
iPS細胞というか万能細胞研究の現状を伝えてくれる。 とっても分かりやすい。 iPS細胞の可能性が理解できるとともに、諸外国の方がうまく利用できそうな現実もよく分かる。国内の研究体制を山中教授のノーベル賞受賞を機に再構築してもらいたいものだ。 何より基礎研究への評価がもっと高まるような、基礎研究者が尊敬されるようになって欲しいなぁ。
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iPS細胞とは何か、というのをきちんと知っておきたかったので読みました。2011/8の刊行なのでノーベル賞受賞前までの記載ですが、これまでの経緯がよく理解できます。年表があればもっとわかりやすかったと思います。一方で、どちらかといえば文系向けという感じで、ブルーバックスなのだから...
iPS細胞とは何か、というのをきちんと知っておきたかったので読みました。2011/8の刊行なのでノーベル賞受賞前までの記載ですが、これまでの経緯がよく理解できます。年表があればもっとわかりやすかったと思います。一方で、どちらかといえば文系向けという感じで、ブルーバックスなのだから、もっと理系的にもう少しつっこんだ記述が欲しかったです。そこは他の本で補う必要がありますね。
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2006年8月 マウスのしっぽの細胞に4つの遺伝子を入れると ES細胞(胚性幹細胞)のような細胞群が現れたことを発表。 受精卵を使わない方法として、世界に衝撃を与えた。 奈良先端科学技術大学院大学。 知名度のない研究室に学生を呼ぶため「夢のある研究テーマを掲げた」 ...
2006年8月 マウスのしっぽの細胞に4つの遺伝子を入れると ES細胞(胚性幹細胞)のような細胞群が現れたことを発表。 受精卵を使わない方法として、世界に衝撃を与えた。 奈良先端科学技術大学院大学。 知名度のない研究室に学生を呼ぶため「夢のある研究テーマを掲げた」 受精卵から分化した体細胞をES細胞のような多様性を持つ細胞に戻す。 4年ほどで100個の遺伝子リストから、動物実験により、候補を24に絞り、 とにかく全部入れてみた。一つずつ抜いていき、抜いたらダメだった4つを見つけた。 カルフォルニア大学サンフランシスコ校グラッドストーン研究所所長 研究で成功するには、VWが必要。 Visionとhard WORK ハーバード大学 幹細胞研究所 メルトン教授 挑戦的な仕事ができたらポジションをあげるが、できなかったらクビ 野心的な若い研究者を世界から集めた。 患者が必要と思うことから研究の方向性を決めている。
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