世界を知る力 日本創生編 の商品レビュー
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3.11以後のモノの捉え方について述べた本。 これまでの価値観を拠り所にして復興をはかるのではなく、 より深く掘り下げて自分達のあり方を問うて復興をはかるべしということですね。 政治家はいまだ冷戦時代のモノの考え方を脱し切れていないという指摘は「なるほど」ですね。
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東日本大震災から東北とそして日本がどのように復興するかを考える本。 復興を考える場合、ビジョンとともに基底となる考えが必要とするならば、それは親鸞の魂であると説明する。親鸞は悪人も善人もナムアミダブツと唱えれば救われると説いた。自分の力ではどうしようもなく、他力に頼った昔の時代背景と、大震災を体験した現在は似た境遇にある。 具体的な政策提言 ・太平洋側の県と日本海側の県が経済的に協力をする。(例:新潟県と福島県)アジア経済圏に近い日本海側地域の活性化と太平洋側の被災地域の復興を同時に進める。 ・首都機能の移転。移転先を東北地方とし、復興のシンボル真剣度を世界に示す。 ・原発の稼動が難しい状況にあるが、日本は原子力の基礎技術を失ってはならない。エネルギー問題は復興後も継続して考えなければならないテーマだから。
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前作が知識のパラダイム変換を迫る書であっただけに、今回のものは残念でならない。確かに東日本大震災は日本人に物理的、精神的という言葉以上に魂へ影響を与えたことは間違いがないが、そういった時こそ著書のような知識人は感情に流されることなく、もう一歩踏み込んで前作の論を展開すべきだと思い...
前作が知識のパラダイム変換を迫る書であっただけに、今回のものは残念でならない。確かに東日本大震災は日本人に物理的、精神的という言葉以上に魂へ影響を与えたことは間違いがないが、そういった時こそ著書のような知識人は感情に流されることなく、もう一歩踏み込んで前作の論を展開すべきだと思いました。
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半分は宗教論で特に浄土真宗。親鸞は初の肉食妻帯の僧侶。最近読む本の共通の日本の現状を表す単語は「思考停止」。大前氏と同様に、寺島氏も、脱原発派ではなく、エネルギー、ベストミックスの原発維持派。
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日本総研の理事長、多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長である寺島実郎さんの書。 テレビのコメンテーターで何度かお見かけしたことがあり、著作を読んで見たいと思った方だ。 本書は、大震災により日本人が不安、苦悩、孤独感にさいなまれていることに対し、歴史を振り返りながら日本復興の方...
日本総研の理事長、多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長である寺島実郎さんの書。 テレビのコメンテーターで何度かお見かけしたことがあり、著作を読んで見たいと思った方だ。 本書は、大震災により日本人が不安、苦悩、孤独感にさいなまれていることに対し、歴史を振り返りながら日本復興の方策について熱く語る。 親鸞の思想、幕末志士たちの生き様、関東大震災の教訓から見えてくる日本再生へのヒントは秀逸だ。 気になったフレーズは以下のとおり。 多くの人たちから、震災への見舞いと励ましの言葉を受けたが、彼らの目の奥に「さて、この苦難の先に日本はどこへ向かうのだろうか」という問いかけを感じた。 直結する祖先の誰一人欠損していても、わたしやあなたの生命は存在しなかった。 祖先の知恵に謙虚に耳を傾けることが、新しい日本を創生していく上で、求められているのかもしれない。 ジャンルが違う重いテーマである。けれども、わたしはなるべく、そういう依頼をことわらないようにしている。自分の思想を鍛えるいい機会だからである。 古今東西を問わず人間は、社会不安が募ると、混迷し迷走している状況を束ねてくれるような力を志向する政治思想にもたれかかりやすい。 出荷したとき一本15円のトウモロコシが、最終的に札幌大通公園で焼きトウモロコシとして300円で売られている。(のこりの285円はどこに行ったのであろうか?) アジアのダイナミズムと向き合うことを判断の基本とすることは間違いない。 IAEAで「堺の核査察予算の3割が日本で使われている」と聞かされて、意表をつかれた記憶がある。 「日本には友だちがいないよね」(シュミット独元首相) 絶対他力という考え方を見つめて思うのは、やはり、最初から「所詮自力で努力しても無駄」と考えていたのでは、他力の偉大さに気が付かないとうことである。 こうした米国の底なしとも思えるやさしさの裏側には、「これで、日本は終わった。恐れるに値する存在ではなくなった」という、一種の安心感が潜んでいることを感じるのである。
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前作『世界を知る力』が売れたのでその続編ってか。タイトルには「?」 さて中身。 寺島さんが宗教を語るとは意外であった。 メインは4章、5章。 寺島さんの思いが書かれている。 日本国民が参画できるような政策を。 まさにその通りだと思う。 上から目線で復興のための増税よろしく...
前作『世界を知る力』が売れたのでその続編ってか。タイトルには「?」 さて中身。 寺島さんが宗教を語るとは意外であった。 メインは4章、5章。 寺島さんの思いが書かれている。 日本国民が参画できるような政策を。 まさにその通りだと思う。 上から目線で復興のための増税よろしくって言われてもね。 ほんと、政治家、官僚はだめだな。
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「識者が寄ってたかって意見を述べ、官僚が要領よく取りまとめる形の報告書は必ず平板な総花に落ち着く。未来構想とは全体知を持った人間とトップリーダーの鮮明な問題意識に支えられたビジョン形成力と仮説設定能力に依存するものであり、平板な知性の集合では生まれない。」痛切です。
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311を境に日本人に新たな転機が訪れている。 政治経済の行き詰まり感が高まっている中での震災をうけ、国民の気持ちが纏まる契機を迎えつつも感情的な一体感が先行しているきらいがある。 今必要とされるべきは現状を冷静に捉えた再生策を国家をあげて立案遂行する事である。 日本人は第二次世界...
311を境に日本人に新たな転機が訪れている。 政治経済の行き詰まり感が高まっている中での震災をうけ、国民の気持ちが纏まる契機を迎えつつも感情的な一体感が先行しているきらいがある。 今必要とされるべきは現状を冷静に捉えた再生策を国家をあげて立案遂行する事である。 日本人は第二次世界大戦後、アメリカ統治下に整理された社会構造の中に安住しているが、次の世代に日本がどうあるべきか国民一人一人が自分事として考えなくてはならない時に来ている。
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著書が伝えたいことは? 日本人に問われているのは、根拠のない自己過信や無原則な一億総懺悔ではなく、筋道立った思考の再起動である。創造の為には、深い洞察が不可欠である。遠く時間の経過を振り返り、深く問題の本質を考える視座なくして、真の創造はありえない。その視座が、広く深いほど、未来...
著書が伝えたいことは? 日本人に問われているのは、根拠のない自己過信や無原則な一億総懺悔ではなく、筋道立った思考の再起動である。創造の為には、深い洞察が不可欠である。遠く時間の経過を振り返り、深く問題の本質を考える視座なくして、真の創造はありえない。その視座が、広く深いほど、未来への構想は中身の濃いものとなる。 日本の歩むべき進路は、『自立自尊』の意思を明確にすることである。 親鸞を引用し、親鸞が説く、絶対他力という考え方…衆生の救済、浄土往生は、わたしたち自力によって達成できるものではなく、阿弥陀仏如来の働きという絶対他力に委ねるほかないとする教えである。 わたしたち、日本人は、戦後、平和で豊かな国を目指して歩いてきた。しかし、3.11によって、物質的な豊かさや空虚さや平和なるものの浅さを知った。 豊かさと安易な平和を追求するあまり、自立自尊の精神を見失った。日本の基軸を取り戻すための、日本同盟の在り方、日本の外交安全保障の在り方について、考えることが、内発の起点である。 それを取り戻さない限り、日本の未来は拓けない。
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