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深く深く、砂に埋めて の商品レビュー

3.5

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

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2017/06/15

男を狂わせてしまうような女性ってほんとにいるのかな? あたしはお目にかかったことがない。いや、あっても同性だから気づいていないだけかもしれない。 主人公はかなり美人だったこと、喜びを表現するのがうまかったこと、性的関係にためらいがないことが人気のあった理由に思える。どれも男性が喜...

男を狂わせてしまうような女性ってほんとにいるのかな? あたしはお目にかかったことがない。いや、あっても同性だから気づいていないだけかもしれない。 主人公はかなり美人だったこと、喜びを表現するのがうまかったこと、性的関係にためらいがないことが人気のあった理由に思える。どれも男性が喜びそう。 とびきり高価な物を次々と与えられるってどんな気分なんだろうね? チヤホヤされて気分の悪い人はいないだろうから、相当舞い上がっちゃう? でも、考えたら中身のない付き合いなんだけどね。 他人との関わりってものではないと思うのだけれど、愛情を表現しようと思うとものが1番手っ取り早いのか。

Posted byブクログ

2017/05/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

真梨さんの作品にしては、グロテスクなシーンが少ない。女の様々な業欲が表れていて、震えるような読後感だった。 あとがきに「有利子は啓介との愛は得られなかったが、篠原からの永遠の愛を手に入れた」とあったけれど、それが本当に幸せだったんだろうか。 篠原は最後まで「弁護士さん」としか呼んでもらえなかった。

Posted byブクログ

2017/04/06

誰もが認める美貌を持って生まれてきた有利子。 けれど、有利子が幸せになるためには何の手助けにもならなかった。 ファム・ファタール(男たちを破滅させる女)として描かれている有利子は、結局のところ寂しい女性だっただけかもしれない。 地道な努力や他者への思いやりなど、有利子からは一番遠...

誰もが認める美貌を持って生まれてきた有利子。 けれど、有利子が幸せになるためには何の手助けにもならなかった。 ファム・ファタール(男たちを破滅させる女)として描かれている有利子は、結局のところ寂しい女性だっただけかもしれない。 地道な努力や他者への思いやりなど、有利子からは一番遠いところにあるものだ。 彼女の中には背徳への後ろめたさなど欠片もない。 贅沢に、自由に、思うがままに。 ただそれだけが有利子の願いだった。 啓介と出会うまでは・・・。 一般的に考えられる純愛とは形は違ったけれど、有利子の啓介への思いも歪んだ純愛だったのかもしれない。 ほとんどの人が有利子は相手に不幸をもたらす悪女だと思うだろう。 人としての道を外れ、坂道を転がるように転落していく男たちはその犠牲者にしか見えないのかもしれない。 有利子を拒絶しなかった、利用した多くの男たち。 彼らは被害者という立場に自分を置いて、すべての責任を有利子に押し付けているだけのように見えてしまうのは間違いなのだろうか。 最後の最後まで啓介を愛していた有利子。 啓介を一途に思う有利子に人生を賭けて尽くす篠原。 若気の至り・・・そんな言葉で有利子を切り捨てた啓介。 いったい誰が本当に被害者だというのだろう。 リヤカーでたった二人。 全国をあてもなく彷徨い続けた日々を思うと、有利子という存在の哀れさがしみてくる。 タイトルの「深く深く、砂に埋めて」の意味は、あまりにも悲しく切ない。

Posted byブクログ

2022/05/08

私のなかのイメージでは、有利子の外見は沢尻エリカ。最初は20年前の宮沢りえとりえママかな、とも思ったけど、宮沢りえではちょっと健康的すぎるかと。 有利子にとって最終的にはカネ>愛だけど、お金だけじゃダメで、愛情も求めてて欲張りだよなぁ。 そういう意味では、有利子は悪女ではなく...

私のなかのイメージでは、有利子の外見は沢尻エリカ。最初は20年前の宮沢りえとりえママかな、とも思ったけど、宮沢りえではちょっと健康的すぎるかと。 有利子にとって最終的にはカネ>愛だけど、お金だけじゃダメで、愛情も求めてて欲張りだよなぁ。 そういう意味では、有利子は悪女ではなく、ただ、自分の欲望に忠実なだけなんだろうな、と思う。 魔性の女であることは確かだけど。 個人的には有利子さんには最期まで綺麗なままでいてほしかった。 でもきれいじゃなくなっても弁護士は見捨てなかったんだから、救いがあるといえばあるのかなぁ?

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2016/12/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

かつて一世を風靡した美貌の女優・野崎有利子。 奔放な彼女に魅了された男たちは彼女の為に浪費し朽ち果てる。 そんな男たちの一人が、殺人と詐欺の容疑で逮捕された。はたして有利子は悪女か、それとも聖女なのか…? あいかわらず、どろどろの人間関係を錯綜させる真梨幸子劇場の通常営業です。 絶世の美女の有利子に翻弄される周囲の人たちの視点で話は進んでいきます。 有利子にかかわると周りの人間はほぼ全員、人生のバランスを欠き、どこか歪んでいってしまいます。 人を狂わす磁場のような有利子なのですが、彼女視点の語りは無いので真の思惑がわからず、結局彼女が無自覚だったのか悪女だったのか謎のまま。 女の不自由な生きざまが哀しく、侘しい。 終盤は展開が急すぎて、なんだか雑。 つっぱしる筆の走りに読者が置いてけぼりに。 先に『女ともだち』を読んでおかないと意味不明な部分があるらしく、まだ未読だった私は残念でした。

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2016/06/07

こんなにも胸糞悪い救いようのない話なのに、儚く美しく仕上っていて素晴らしいです。内容は登場人物の圧倒的な美貌がもたらすデスレクイエム系でイヤミスにはありがちなタイプですが、ミステリー要素が強いので、飽きがきません。それと物語の閉じ方が堪りません。いやあ、面白かった。

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2016/06/01

2016年、22冊目は、個人的読書コードを破って(途中読み始めた本を隙間読書用に回したのもあったが)、の真梨幸子連読み。 かつて、美少女CMタレント、美貌の女優として活躍していた、野崎有利子。彼女の周りにはスキャンダルの香りが漂っていた。エリートサラリーマン、斉藤啓介が殺人と詐...

2016年、22冊目は、個人的読書コードを破って(途中読み始めた本を隙間読書用に回したのもあったが)、の真梨幸子連読み。 かつて、美少女CMタレント、美貌の女優として活躍していた、野崎有利子。彼女の周りにはスキャンダルの香りが漂っていた。エリートサラリーマン、斉藤啓介が殺人と詐欺の容疑で逮捕される。彼もまた、有利子に魅せられた一人だった。そして、休暇中の篠原賢一は偶然、その二人を旅行代理店で見かけていた。 ページを繰らせる力は相変わらずだが、今回は違和感があった。注意深く読んでいれば分かるコトだが、全編が基本、男性の一人語りということ。途中でそのコトが意識から外れてしまっていたので、違和感を感じたのだろう。つまり違和感の正体は、個人的に、男性一人語りと、真梨幸子節との、微妙な相性の悪さなのだと思う。 《以下、少々ネタバレ要素あり》 他力本願な芸能ママ風、辰子のキャラが、実に作者らしかっただけに、有利子の男を惑わす魔性の(?)魅力のようなモノは伝わりニクい。わざと、男女の視点の違い、マスコミによって作られたスキャンダラスな悪女のイメージとの差を表したかったのかなぁ……。一方、少々、作者らしからぬ、藤田弁護士のキャラは、逆に引き立ってた。 展開は悪くないが、オチもこの作者にしては弱かったのが残念。『女ともだち』の続編とは言い難いが、ソチラを読んでいると、「おぉっ」という強烈なスパイスが効いてます。週刊になってるし……。

Posted byブクログ

2016/02/21

『五人のジュンコ』のドラマに魅せられ真梨幸子を最近読んでいるが、これも同じく女性を軸に物語が歪んでいくという共通した話が、ねっとりと進んでいく。ゆっくりと捻れていく関係性が、女性ならではの感性で描かれていて、痛快だ。

Posted byブクログ

2015/12/18

美しい容姿は異性を惹きつける餌。浪費癖があり、金品目的で不貞を働く女 有利子と、彼女に翻弄される男たちを描く。 う〜ん…男性ってこんな単純かなぁ…金品目的で擦り寄る女には割り切って肉欲のみで繋がるものだと思うけど… 殺人鬼フジコと孤虫症が良かっただけに期待外れ。

Posted byブクログ

2015/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

悪女小説であり、サスペンスであり、悲恋小説である。悪女といいつつ有利子がどこか無垢なのが痛々しい。ラストはメリーバッドエンドかな…。

Posted byブクログ