うつくしい人 の商品レビュー
自己嫌悪になったり、周りの目ばかり気にする女性が、一人旅で出会ったおかしな二人の男性に救われる話。自分を曲げることができない姉に、曲げすぎて自分を見失う自分について悶々とする主人公。。。私にも思い至るところはたくさんあって共感しまう。この話にまったく感情移入できない人もたくさんい...
自己嫌悪になったり、周りの目ばかり気にする女性が、一人旅で出会ったおかしな二人の男性に救われる話。自分を曲げることができない姉に、曲げすぎて自分を見失う自分について悶々とする主人公。。。私にも思い至るところはたくさんあって共感しまう。この話にまったく感情移入できない人もたくさんいるんだろうなあ。 巻末の後書きや対談もふくめて面白かった一冊。
Posted by
目が、気になる。自意識過剰。わかっていても気になって仕方がないのです。わたしにもこんな出会いがあるといいな、わたしも、同じ。
Posted by
いつもの西加奈子とちがうー。 あとがきを読んでみたら、やはり彼女がとてもまいってた時に書いたようで。納得。 でも坂崎とマティアスには、わたしも救われる気がした。けどやっぱり、ちょっと心が重すぎて、これは窓の魚的な位置づけかな。 でも人の目を気にするとか、ほんとの自分がわからなく...
いつもの西加奈子とちがうー。 あとがきを読んでみたら、やはり彼女がとてもまいってた時に書いたようで。納得。 でも坂崎とマティアスには、わたしも救われる気がした。けどやっぱり、ちょっと心が重すぎて、これは窓の魚的な位置づけかな。 でも人の目を気にするとか、ほんとの自分がわからなくなるとか、共感できるところは多々あった。でもそんなに深く考えないからな。。そこがちょっと。
Posted by
旅行中に読んだのでちょうど良かった。 女性の一人旅にはいいかも。 あとちょっと疲れて逃げたい気持ちのときに。 読んでてささる。 人目を気にしたり、くよくよ後悔とか、一人反省会とか、被害妄想とか、自分客観視して絶望するとか、誰にでもちょっとはあるんじゃないかな。私はある。 所詮...
旅行中に読んだのでちょうど良かった。 女性の一人旅にはいいかも。 あとちょっと疲れて逃げたい気持ちのときに。 読んでてささる。 人目を気にしたり、くよくよ後悔とか、一人反省会とか、被害妄想とか、自分客観視して絶望するとか、誰にでもちょっとはあるんじゃないかな。私はある。 所詮ないものねだりだし、みんながみんな誰かのうつくしいひと。 前半は暗いけど、後半にかけて昇華されるので、ちょっと根気はいるやも。
Posted by
世界はさほど悪意に満ちた場所じゃない。人生は思いのほか捨てたものじゃない。と思えることがあります。けれど、それはほんの束の間のこと。やっぱり世界は混乱しているし、生きるということは辛く、苦しく、せつないものです。もしも自分の心と素直に向き合うことができれば、世界はもっと美しく、人...
世界はさほど悪意に満ちた場所じゃない。人生は思いのほか捨てたものじゃない。と思えることがあります。けれど、それはほんの束の間のこと。やっぱり世界は混乱しているし、生きるということは辛く、苦しく、せつないものです。もしも自分の心と素直に向き合うことができれば、世界はもっと美しく、人生は豊かなものになるのだろうなぁ、と思わせてくれる一冊でした。タイトルにある〝うつくしい人〟とは、自分の良心に素直に従うことができる人のことなのでしょうネ。
Posted by
上手く生きていくために。 まわりとはぐれないように慎重に、人の苛立ちに敏感に。そうやっていつも何かに怯えて、頑丈な殻を被って生きてきた、百合。 −私は、「誰かから見た私」でしかない。ずっと誰かの真似をし続けてきた私は、自分の感情の答えを決めることさえ、出来ないのだ。− 上...
上手く生きていくために。 まわりとはぐれないように慎重に、人の苛立ちに敏感に。そうやっていつも何かに怯えて、頑丈な殻を被って生きてきた、百合。 −私は、「誰かから見た私」でしかない。ずっと誰かの真似をし続けてきた私は、自分の感情の答えを決めることさえ、出来ないのだ。− 上手く生きていきたいと思えば思うほど、自分を見失っていく。身動きがとれなくなっていく。 これは傷ついたココロの再生の物語。 しかし。 私が思うこの本の魅力は、再生の過程や他の登場人物の人柄だけではなく、百合が抱えている闇や痛み。 自分が抱えている闇や痛みは、なかなか上手く言葉にできない。形にできない思いは、胸の底に降り積もって固くなっていく。 この本はとても辛い。 でもその辛さが、自分と同じ痛みが、固くなった胸の底を少しだけ溶かしてくれる。 美しい人とは...
Posted by
「うつくしい人」は人の心を和やかにする一方で、反面の自分の卑しさを意識させられてしまい、いやになる。 小さいころから、うつくしい姉のそばにずっといた百合も、そうやって動けなくなってしまった。 百合の苦しさは、私にも覚えがある。 絶対的な指標をもたないから、他人にその指標を求めて...
「うつくしい人」は人の心を和やかにする一方で、反面の自分の卑しさを意識させられてしまい、いやになる。 小さいころから、うつくしい姉のそばにずっといた百合も、そうやって動けなくなってしまった。 百合の苦しさは、私にも覚えがある。 絶対的な指標をもたないから、他人にその指標を求めてしまい、他人の反応や思惑に敏感になる。 百合の側には、絶対的にうつくしい、姉がいて、百合の指標を狂わせた。 マティアスの側に、絶対的な承認を与える母親がいたように。 坂崎の話は語られないが、彼もまた、指標を失った人間なのかもしれない。 ホテルのたくさんの「置いて行かれた」本の山の中で、3人はたくさんの価値に触れただろう。 たくさんの指標を知っただろう。 これだけたくさんの考え方や物語や知識やなんかが溢れるのだから、価値観や指標に、絶対的なものなんてないと、感じ取ったのかもしれない。 だったら、自分がどう振る舞うか、なんて、自分で決めるしかないし、そうしていいのだ。 西さんの小説は、ラストに感情が溢れ出す。 気持ちを乗せた言葉が溢れて、とまらなくなる。 その流れは清々しくて、その勢いに乗るのが心地いい。
Posted by
ほんと、よかった。数時間で読んだ。 自分が辛い時にこれを読むと、いいかも。安心する。そして主人公の気持ちはちょっとわかる。とにかく自分を責め、戒めてる。 西加奈子好きだね。もっと読みたい!
Posted by