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大学とは何か の商品レビュー

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40件のお客様レビュー

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2025/07/05

最後に提起された、今後の大学像は難解であった。が、中世、近代ドイツ、近代アメリカで生まれた大学のモデルと折衷型が独自進化してきた日本の大学について歴史的な経緯から明らかにされており、この点は理解しやすい。教育という、皆がある程度知識を持ちつつ、ゆえに経験をベースに語ってしまう話題...

最後に提起された、今後の大学像は難解であった。が、中世、近代ドイツ、近代アメリカで生まれた大学のモデルと折衷型が独自進化してきた日本の大学について歴史的な経緯から明らかにされており、この点は理解しやすい。教育という、皆がある程度知識を持ちつつ、ゆえに経験をベースに語ってしまう話題について、本書を読むことで客観的な知識を得て、より責任ある議論ができるようになるのではないか。

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2025/03/23

『一高帝大』って何って思ってたんですよ。 明治や大正、昭和初期の文豪の作品や経歴を見てると、一高-東京帝国大学出身者が異様に多い。『一高』で検索すると後の東京大学教養学部って出てくるけど、一高から東京帝国大学に進学するんじゃないの?東京帝国大学=東大じゃないの?一高があるんだから...

『一高帝大』って何って思ってたんですよ。 明治や大正、昭和初期の文豪の作品や経歴を見てると、一高-東京帝国大学出身者が異様に多い。『一高』で検索すると後の東京大学教養学部って出てくるけど、一高から東京帝国大学に進学するんじゃないの?東京帝国大学=東大じゃないの?一高があるんだから二高や三高もあるよね?と次々と疑問が湧いてきます。おまけに、専門学校や高等師範学校、予備門とか高等女学校とかもあって、どういうパスで進学するのかとか、それぞれの学生が何歳なのかとか分からないことだらけでした。 本書は近代大学の歴史として、第一章で中世ヨーロッパ型、第二章でアメリカ型、第三章で帝国大学型の3種類の大学制度を紹介し、さらに第四章で戦後の帝国大学解体〜大学改革の流れについて解説します。 海外の大学の歴史などほぼ興味はないので前半は流して読みましたが、後半の日本の大学の歴史は意外と面白かったです。前述の僕の疑問は第三章四章を読めばほぼ解決しました。 著者が大学に求めるものが高邁すぎる気はしましたが、意地悪な見方をすれば、その高邁な理想と現実とのズレが面白かったです。

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2025/02/02

中世都市の発祥と大学の関係から国民国家と大学、日本に目を転じると帝国=天皇制官僚養成機関としての(帝国)大学、そして、私立大学の隆盛と国立大学独法化という流れで論じられていました。大学にいながら「大学とは何か」といわれ一言で回答できませんが、本書からは、大学は知のメディアであると...

中世都市の発祥と大学の関係から国民国家と大学、日本に目を転じると帝国=天皇制官僚養成機関としての(帝国)大学、そして、私立大学の隆盛と国立大学独法化という流れで論じられていました。大学にいながら「大学とは何か」といわれ一言で回答できませんが、本書からは、大学は知のメディアであるとの回答が引き出せるのかもしれません。それにしても大学内では古典的には法学が重視されていたはず(学問的に?)。いまの低落感はどうしてでしょう。

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2024/11/12

非常に高度かつ、専門的な内容 ただ新書でわかりやすくされている分理解はできる 大学の成り立ちや、帝国大学の勃興などについて知れた。

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2023/03/21

世界(欧米)の大学の歴史と日本の大学の歴史。それぞれに国家や宗教,産業,民衆との関係が表れる。 日本の学校制度(大学)も始めから今のような仕組みではない。江戸時代→明治維新→産業殖産・富国強兵→世界大戦→アメリカ占領→学生運動→人口動態に合わせた対応→グローバル(米国)スタンダー...

世界(欧米)の大学の歴史と日本の大学の歴史。それぞれに国家や宗教,産業,民衆との関係が表れる。 日本の学校制度(大学)も始めから今のような仕組みではない。江戸時代→明治維新→産業殖産・富国強兵→世界大戦→アメリカ占領→学生運動→人口動態に合わせた対応→グローバル(米国)スタンダードへの表面的追随→? 本書は大学とは何かについて大学教育に関わる人が知っておくコモンセンスかも。

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2022/05/29

半分が西洋の大学の歴史で、残り半分が東大中心の帝国大学の話である。教員養成大学についてはほとんど説明していないので、東大生向きの大学の説明となろう。

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2022/03/23

大学の系譜的解説。実は大学も多義的なことが理解できた。かなり中身が厚いので再読の価値あり。一応世界史、メディア、リベラルアーツの軸があるらしい。 ①中世大学 欧州経済圏の中の自由都市に流浪の知識集団が定着したのが始まり。ボローニャに代表されるように法学(医学)が優越するが、アリス...

大学の系譜的解説。実は大学も多義的なことが理解できた。かなり中身が厚いので再読の価値あり。一応世界史、メディア、リベラルアーツの軸があるらしい。 ①中世大学 欧州経済圏の中の自由都市に流浪の知識集団が定着したのが始まり。ボローニャに代表されるように法学(医学)が優越するが、アリストテレスのイスラム再輸入で神学(学芸諸学)のパリも発展。しかし托鉢修道会の浸透と宗教・領主による分割で大学が硬直し衰退。 ②国民国家による再発見 専門学校・アカデミー(実学研究)・印刷革命による出版(知識人網)産業の中、独でカントの「理性と有用性の峻別(哲学の理性の自由)」と共にフンボルトのナショナリズムを背景とした主体的国民育成の為の「研究と教育の統合(=文化)」による個人陶冶が大学を甦らせた。英国では「リベラルな知」として哲学が文学(シェイクスピア)と理学に分割され、米国は大学院(学位制度)を作った。 ③帝国大学 啓蒙ナショナリズムから儒学国学に代わって洋学が導入し、実学中心の官立専門学校を統合した「天皇=帝国」の大学として帝大が設立された。主導者森有礼の思想に天皇制とプロテスタンティズムの結合体のもとで国民は主体化する事があったのは面白かった。帝大が広がるにつれ、東大は管理、地方帝大は社会設計、植民地帝大はその両方の分科大学が設立された。また、福沢諭吉の流れを汲む私学や岩波中公の出版業が帝大システムと結合し、教養読者層に支えられた創造知空間(吉野作造等)を形成した。 ④戦後大学 南原繁は専門知と総合知の統合を目指し、旧制高校を廃止した。が、大学モラルは崩壊し、対抗運動としての学生闘争も潰えた。高度成長に伴う大学大衆化と理念の矛盾は46答申以後も規制緩和やサービス産業化に於いて継続し、公社構想や法人化、大学院の問題、「学生が大学を選ぶ」などでも噴出した。底流には大学の意義問題があった。筆者は、国家・企業社会に次ぐものは何なのか問題提起している。キーワードは国民国家の退潮とデジタル化(→空間的拘束からの解放・中世大学への再移行)、卓越性(→思想的拘束からの解放?)である。 終章が非常に難解(特に脱指示化あたり)だった。エクセレンスとリベラル知の関係は表裏一体と感じたが、違うのだろうか。 自分はコスモポリタニズム的な考えに懐疑的なのだが、一方で多国籍企業・大学を含めた一大市場が形成されているのは理解できる。しかし、教える側と一部の知識層はその波に乗れるだろうが、大衆はどうなるだろうか。大衆教育という役割を大学が担ってしまった以上、トップ大学とその他で分断が生じてしまわないだろうか(G型L型)。国民国家が希薄になったとして、世界規模の新階級が形成されたらそれはそれで怖い。そうしたときに中世大学の結末が気になりもう一度最初に戻り、歴史の循環性を疑うのもなかなか面白いものである。2021/1/23 (注:その後丸山眞男の議論を読み、本書の議論の流れが丸山の議論を踏まえていることがわかった)

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2021/11/23

「大学」という定義が歴史的にいかにゆらぎ、崩壊し、形を変えてきたのかを概観できる。「大学とは何か」に答えることではなく、この問いが成り立つ複数の地平の歴史的変容を捉えた本。 あとがきでは、大学は自由を基本原理に据えたメディアだと定義。 Keyは、「自由」やキリスト教思想、大学と出...

「大学」という定義が歴史的にいかにゆらぎ、崩壊し、形を変えてきたのかを概観できる。「大学とは何か」に答えることではなく、この問いが成り立つ複数の地平の歴史的変容を捉えた本。 あとがきでは、大学は自由を基本原理に据えたメディアだと定義。 Keyは、「自由」やキリスト教思想、大学と出版文化の関係、にありそう。 印象的な問いは「大学は誰のためか」。

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2021/10/30

https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB0624029X

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2021/09/19

大学の歴史を俯瞰して、大学とは何か、という問いに迫る。 大学は中世ヨーロッパに端を発し、都市を基盤にして発展する。 しかし、16世紀以降に印刷技術が発展し、越境的な知のネットワークを構築する。大学はこれに取って代わられる。 19世紀になると、ナショナリズムを背景に研究と教育の一致...

大学の歴史を俯瞰して、大学とは何か、という問いに迫る。 大学は中世ヨーロッパに端を発し、都市を基盤にして発展する。 しかし、16世紀以降に印刷技術が発展し、越境的な知のネットワークを構築する。大学はこれに取って代わられる。 19世紀になると、ナショナリズムを背景に研究と教育の一致という理念をかかげた国民国家型の大学が誕生する。翻って日本では、明治維新期に分野を先導する各国の学者を呼び、ひたすらに学知を移植する。そして戦後の複線化されていた高等教育機関の大学への一元化、大学紛争の混錬、文科省の大綱化、大学院重点化、国立大学法人化の施策について触れる。 これらを踏まえ、大学とは何かといことを考える際、筆者は1.国民国家が退潮する方向に向かっていること、2.今後数十年、数百年にわたり人類が取り組むべき重要課題は、もはやどれも国境を越えていることを指摘する。大学とは自由の意志であるが、資本主義もグローバル化も重層的な一元的でない知的運動を旋回させている中で、開発や発見だけでなくマネジメントにも注力する専門知の在り方の模索を説く。 この本が執筆されてから10年を経ているが、コロナ禍により大学の在り方がまた大きく変容した。早いうちに『大学は何処へ』を読もう。

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