大学とは何か の商品レビュー
中世ヨーロッパからの大学の起源から、歴史的な大学の成り立ちや変遷を、その時々の時代背景や多大な影響を与えたキーマンなども含めてしっかりと述べられています。中世はさすがにイメージしづらいですが、後半の明治維新以降の帝大や私大の成り立ちやその後の臨教審・大学審議会を受けての環境変化は...
中世ヨーロッパからの大学の起源から、歴史的な大学の成り立ちや変遷を、その時々の時代背景や多大な影響を与えたキーマンなども含めてしっかりと述べられています。中世はさすがにイメージしづらいですが、後半の明治維新以降の帝大や私大の成り立ちやその後の臨教審・大学審議会を受けての環境変化は興味深く、そして今の大学が抱える問題は簡単なものではないことがあらためてわかりました。 自由を基本原理として、人と人、人と知識の出会いを持続的に媒介するメディアが大学であり、自由の空間を創出し続けなければならない、と述べられています。 大学を取り巻く状況は危機的ですが、それを乗り越えていくこともまた、大学の使命だし、大学に関わる人だけに任せるものでもないという気がしました。 読破はかなり難解でした。
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大学の歴史をなぞるのに役立った。大学は普遍的なようであって実はそうではなく、時代や環境の変化とともに変わっていることは大事な事実だと思う。これからの大学がどうあるべきかは過去の延長上からは定義できないことだけはハッキリしたかも。
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・読み終わって感じたこと 中世と現代が似ている点について、人の動きやグローバル化の視点から考えるることは面白く感じた。浅い感想になってしまうが、少しずつ変わりながらも大きな流れとしては歴史が繰り返されているように思えた。 様々な国・時代で理想とした教育や国家像があったことを知...
・読み終わって感じたこと 中世と現代が似ている点について、人の動きやグローバル化の視点から考えるることは面白く感じた。浅い感想になってしまうが、少しずつ変わりながらも大きな流れとしては歴史が繰り返されているように思えた。 様々な国・時代で理想とした教育や国家像があったことを知ることができた。 人類的普遍性への意志、というものが、大学を始めとする学問の本質だと理解した。 ・面白かった点 大学という機関を軸に、中世から近代、近代から現代にかけてのヨーロッパやアメリカ、日本の歴史を知ることができ、歴史物としても面白かった。 学生運動により、学生が真面目になったという話も面白く感じた。 ・好きな文章 大学再生の原点に位置するカントは、〜神学部、法学部、医学部の三つを上級学部、哲学部を下級学部と名付け、〜その両者の間にある緊張感ある対抗関係が存在しなくてはならず〜 今後数十年、それどころか数百年にわたり人類が取り組むべき重要課題は、すでにどれも国境を越えてしまっている。〜地球史的視座からこれらの人類的課題に取り組む有効な専門的方法論を見つけ出すことや、それを実行できる専門人材を社会に提供することが、ますます大学には求められていくであろう 次世代の専門知に求められているのは、まったく新しい発見・開発をしていくという以上に、すでに飽和しかけている知識の矛盾する諸要素を調停し、望ましき秩序に向けて総合化するマネジメントの知である。 ・おすすめする人 文系や理系というくくりにもやもやを感じている人 日本の大学に疑問を持っている人
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「~とは何か」と問う人間にロクな人間はいない。という蓮實重彦に抗いつつ、究極の答えを追求するのではなく、定義の変遷を歴史的に解明する事を試みた力作である。 大学の歴史とはすなわち、人類が知や教養をどのよう捉え、扱い、関わってきたかの歴史でもある。中世型(アリストテレス)→近代型(...
「~とは何か」と問う人間にロクな人間はいない。という蓮實重彦に抗いつつ、究極の答えを追求するのではなく、定義の変遷を歴史的に解明する事を試みた力作である。 大学の歴史とはすなわち、人類が知や教養をどのよう捉え、扱い、関わってきたかの歴史でもある。中世型(アリストテレス)→近代型(カント)→帝国型(森有礼)→アメリカ型(南原繁)と大学のあり方が変化する中で、没落・復活等々を繰り返しているのだが、これは大学が政治と宗教の間で揺れ動きながら攻防してきた歴史でもある。また、その歴史過程では科学技術(印刷革命やIT革命)が知の広がりやネットワークに大きな影響を与えてきたという事も考慮すべきである。 著者は国民国家の退潮(資本主義の隆盛)による今後の大学のあり方を課題として上げている。しかしながら、本書出版後は、反グローバリズムに伴うナショナリズムの勃興により、国民国家が復活しつつあるように思える。また、コロナ騒動により大学の講義は全てオンライン化されるという科学技術による大きな変化や影響もある。他方、9月入学論といった、グローバルスタンダードへの準拠という流れも生じつつある。このような情勢中、大学のみならず、知や教養のあり方がどのように変容していくのかを注視していきたいとあらためて思う次第である。
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大学とは何か、タイトル的に大きなテーマだと思う。11〜12世紀に大学が誕生して以来のヨーロッパでの大学の歴史、そして日本の大学の歴史を振り返る。中性的モデルの発展、印刷革命と宗教改革などの近代モデル、帝国大学モデルを説明してきた。そして、今後の大学の展望を語る。 知識の基盤とし...
大学とは何か、タイトル的に大きなテーマだと思う。11〜12世紀に大学が誕生して以来のヨーロッパでの大学の歴史、そして日本の大学の歴史を振り返る。中性的モデルの発展、印刷革命と宗教改革などの近代モデル、帝国大学モデルを説明してきた。そして、今後の大学の展望を語る。 知識の基盤として大学教育が成り立っていた過去と違い、現在ではテクノロジーの変化もあり、大学という場所に限らず、いくらでも存在する。本当に大学とは今後どんな意味を持つのかが問われている。著者的には大学は必要だが、個人的には知識を学ぶ場所という点では大学という場所はもう古いと思う。
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中世のボローニア、パリ大学に始まり、イギリスのオックスブリッジ、そして19世紀のドイツでナポレオンの仏に押される中で、知の先進国としてのフンベルト大学の隆盛、そして20世紀はジョンズ・ホプキンス大学から米国の時代に。中世から近代にかけて大学が衰退し、近代知のパラダイムが浮上した時...
中世のボローニア、パリ大学に始まり、イギリスのオックスブリッジ、そして19世紀のドイツでナポレオンの仏に押される中で、知の先進国としてのフンベルト大学の隆盛、そして20世紀はジョンズ・ホプキンス大学から米国の時代に。中世から近代にかけて大学が衰退し、近代知のパラダイムが浮上した時代があった!大学が学問的想像力を失い、古臭い機関に成り下がった時代があった!デカルト、パスカルスピノザなどが大学と縁があったのか!との指摘は興味深いものがある。日本の大学がドイツのフンベルト型大学をモデルに帝国大学を導入したとのこと。森有礼の理想、そして戦後は南原繁の考え方とプロテスタンティズムが日本の大学の方向性決定づけたと言うことは興味深い。市立大学の全盛から今日の市立大学の危機の時代を迎え、このように原点に立ち返って大学を考えることは重要なことだ。
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大学を「コミュニケーションメディア(=媒介)」の一種と捉え、大学再定義を試みる。しかし、大学は「何々である」という普遍的な定義ではない。中世の都市、活版印刷(出版)の出現、近世の国民国家の出現と共に大学の定義は揺らいできた。ネットの出現により、メディアとしての大学の位相も劇的に変化しつつある。現在の最も大きな位相の変化は「国民国家の退潮」である。そして、国民国家の中で設立された旧制大学(特に帝国大学)モデルは、大きな転換が求められている。そのキーワードは「マネジメント力」であるようだ。 教育面でのマネジメント力の強化のキーワードは、「リベラルアーツ」である。従来の「教養」とは異なる、「リベラルアーツ」を中世のそれをモデルにして再構造化するというものある。つまり、上級学部である「神学も法学も医学も秩序の知で、様々な矛盾がひしめき合う中で、いかに秩序を保ち、その状態をマネジメントしていくかという問いに対する答えを、神の秩序と社会の秩序、そして人体の秩序の3つのレベルで提供してきた」が、ここで生じる「諸々の矛盾する要素を総合的に結びつけ、安定的な秩序を創出するマネジメントの専門知」としてのリベラルアーツに注目し、次世代の専門知として求められるのは、「すでに飽和しかけている知識の矛盾する諸要素を調停し、望ましき秩序に向けて総合化するマネジメントの知」であり、その再構造化としてのリベラルアーツの必要性を訴える。確かに中世の大学では、学生や教師の移動性や共通言語を有していた点も、現代の大学に通じる。グローバルな社会の中で、中世の大学の成功と失敗から学べる点は多い。
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2011年刊。著者は東京大学大学院情報学環教授。◆内容は、転換期を迎える日本の大学をキーワードに、大学の世界史的な起源、変遷、日本への移入、日本国内での変遷を分析し、大学の将来像を提示。大学が人・情報等の知のネットワークの媒介(ハブステーション?)役を果たす指摘は、興味深い。また、よき主権者となってもらうための国民教育は現代普選下では大学までの教育で賄うべき。一方、大学教育の期待が官僚・給与所得者養成にあるとはやや時代錯誤で、知の行き着く先が国内に止まらない点、研究者養成が大学機能の一部にすぎない。 大学の現代的な機能を先のように解釈するのは、やや理想主義にも感じるところであるが、大規模講義形式の打破という意味でも納得の結論である。
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骨太な大学の歴史。世界と日本に大きく分けられるが、特に日本の歴史がリアルだ。自由に問いを発する大学の存在は稀有。それを制度的、財政的な、裏付けを持って、長期的な計画を立てることが必須。
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• P14 カント:神学部、法学部、医学部を「上級学部」/哲学部を「下級学部」 ○ 下級学部が理性と真理にだけ従い、「みずからの教説に関して政府の命令から独立であり、命令を出す自由はもたないが、すべての命令を判定する自由をもつ ○ 大学が大学としてあるためには、両者の間に緊張感ある対抗関係が存在しなくてはならない ○ 上級学部は外部の要請に応える他律的な知/下級学部は外部から独立した自律した知 • P50 大学の知の根源的な普遍主義 ○ アリストテレスの哲学体系による ○ 水平的な普遍主義とアウグスティヌス以来のキリスト教の超越的な普遍主義の矛盾 ○ トマス・アクィナスによるアリストテレス哲学とキリスト教進学の総合 § 理性と信仰の絆 • P60 オックスブリッジの瀕死状態 ○ 貴族的な規範を選ばれた若者に教える • P62 都市の時代→国民国家 • P66 つまるところ、大学は宗教によってひきさかれ、国家のなかに取り込まれることによって「自由」を失ったのであり、グーデンベルクの「銀河系」が、新たな「自由な学知」を大学以上に過激に実現していく基盤として浮上していったのだ • マーシャル・マクルーハン:出版が最古の資本主義 手工業が機械工業に先行 • P71 16世紀以降、このようにして出版社に媒介される知のネットワークが、中世以来の大学をも凌ぐ知的創造性の拠点となり始めたことは、そうした創造を担う主体が、都市から都市へと遍歴する学生から、むしろ書斎や書庫で大量の本を読み比べる「読者」に変化しつつあったことと対応している ○ イスラム地域からのアリストテレス哲学の流入→欧州内の知識の流通と蓄積 • プラトンの教育の場であったアカデミー • 自律によって判断する能力、すなわち自由に判断する能力=理性 ○ この理性の自由故に、下級学部としての哲学部は大学にとって必須である ○ なぜなら理性の自由こそが大学の自律性の根本だからであり、それゆえに哲学部は、自由であることしか望まないという謙虚さから、上位の三学部にとって有用なものとなり、それらを統御するのである • P88 フンボルトは,知識がすでに定まった不動のものであるという考えを否定し、知識は教師と学生の対話のなかで絶えず新たに生成されていくものだと考えた ○ 内容としての知から方法としての知 • 帝国大学=天皇の大学 • 消費社会文化の傾向を強める70年代以降の大学生文化からすればはるかに真摯に大学を求めていた。少なくとも当時は、大学が企業への就職のための通過点にすぎないとは考えられてはいなかった。大学はそれ自体で何等かの価値合理性を有するべきであると信じられていた。 • P222 大学のレジャーランド化 ○ もはや自由な対話やエリート養成の機関とは程遠く、学歴獲得をほとんど唯一の目的に就職前の若者たちが束の間の急速を楽しむ通過点 ○ お客様たる学生を店に誘い込む客引きとなり、彼らに教育サービスを提供する労働者になった • P236 大学は誰のものなのか ○ 人類的普遍性 ○ 社会に適応した法人の持続可能なマネジメントと普遍的価値への奉仕、この両面を未来の大学はいかに組み合わせていくべきなのだろうか まとめ • 大学とは何か ○ ①キリスト教的世界と中世都市のネットワーク、それにアリストテレス革命を基盤とした大学の中世的モデルの発展 ○ ②印刷革命と宗教革命、領邦国家から国民国家への流れのなかでの中世的モデルの衰退と国民国家を基盤とした近代的モデルの登場 ○ ③近代日本における西洋的学知の移植とそれらを天皇のまなざしの下に統合する帝国大学モデルの構築 ○ ④近代的モデルのヴァリエーションとして発達したアメリカの大学モデル • 大学の再定義する上で、根底的で持続的な位相は何か ○ 国民国家の退潮 • 新たなリベラルアーツ=学問上の結合と離反が繰り返す、一種のリズム • 無条件的で前提を欠いたその議論の場を、何かを検討し再考するための正当な空間を見出さなくてはならないのであり、それは「この種の議論を大学や《人文学》の中に閉じ込めるためではなく、逆に、コミュニケーションや情報、アーカイブ化、知の生産をめぐる新しい技術によって変容する新たな公共空間へと接近するための最良の方法を見出すため • 大学とは、自由への意志である
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