イスラム飲酒紀行 の商品レビュー
2011.8.17読了。 私もお酒は好きな方だが、そこまでの手間をかけて、危険を冒してまで酒を入手しようとするのが本当の酒飲みだと思った。イスラム各国の酒事情だけでなく、国としての立ち位置についての情報も得られ、それなりに有用な知識が得られる本であると思う。特にソマリランドについ...
2011.8.17読了。 私もお酒は好きな方だが、そこまでの手間をかけて、危険を冒してまで酒を入手しようとするのが本当の酒飲みだと思った。イスラム各国の酒事情だけでなく、国としての立ち位置についての情報も得られ、それなりに有用な知識が得られる本であると思う。特にソマリランドについては興味深く拝読した。
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イスラム圏の国での飲酒体験をもとにしたエッセイ。 酒好きなら筆者の気持ちに共感できるはず。 私もラクを飲んでみたい!
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冒頭から、「私は酒飲みである。休肝日はまだない。」ときた。「なぜ私のことを」と思いましたが、これは著者自身のことで、この本のほとんどの章でのオープニングを飾るフレーズです。 酒が禁止あるいは制限されているカタール・ドーハ、パキスタンからアフガニスタン、チュニジア、イラン、マレ...
冒頭から、「私は酒飲みである。休肝日はまだない。」ときた。「なぜ私のことを」と思いましたが、これは著者自身のことで、この本のほとんどの章でのオープニングを飾るフレーズです。 酒が禁止あるいは制限されているカタール・ドーハ、パキスタンからアフガニスタン、チュニジア、イラン、マレーシア、トルコ・イスタンブール、シリア、ソマリランド、バングラデッシュ等イスラム圏で辺境作家である著者が酒を飲もうと悪戦苦闘する記録、同じ酒飲みとして気持ちが良く分かるだけに読みながら著者の幸運を祈る自分がいたりいます。無事現地の人と地酒で杯を交わせたときの大きな喜びはまるで自分の喜びののように思え、読みながら思わず祝杯を挙げてしまいました。 酒飲みが読むとドキドキワクワクな一冊です。まぁ、あまり役に立つ本ではありませんが、少しだけ役に立つと言えば、酒を出さないイスラム系の航空会社の見分け方というのがあり、それはキャビンアテンダントで見分けるとのこと、全員男あるいは女性でもベールかスカーフを被っていれば機内では酒がでないそうです。ちなみにその航空会社は、イラン航空、パキスタン航空だそうです。 もっとも普通に酒を出す航空会社でもあまり何度も酒のお代わりをすると、CAさんに「お客様は普段はお酒がお強いと思いますが、航空機内では気圧の関係でうんぬん…」と説教される場合がありますが。。。 では、そろそろ飲みたいと思います。カンパーイ^^/U
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スキなんだ。高野さんの本が。いつもいつも、UMAを探しに行ったり、アヘン王国に潜入したり、とんでもない紀行を見せてくれる。今回は、飲酒ご法度のイスラム圏内でいかに酒を飲むかという旅。とにかく「まずはビール」スピリッツ。酒が(カンタンに)飲めないと知るや、酒を求めてカタコトで地元の...
スキなんだ。高野さんの本が。いつもいつも、UMAを探しに行ったり、アヘン王国に潜入したり、とんでもない紀行を見せてくれる。今回は、飲酒ご法度のイスラム圏内でいかに酒を飲むかという旅。とにかく「まずはビール」スピリッツ。酒が(カンタンに)飲めないと知るや、酒を求めてカタコトで地元の人とも仲良くなるし、怪しげな裏路地にもズカズカ入っていくし…。そしてついに酒にありつく。 更には地元のみなさんとガハハと酒を酌み交わす。とにかくその突破力が気持ちいい。ついつい酒を飲みたくなる傑作紀行本だ。
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高野さん、一生懸命否定してるけど、やっぱりほとんどアル中だと思います(笑) イスラム圏に取材旅行に行きながら、必死でお酒を探すという高野さんらしいといえばとても「らしい」作品。結果的に現地で色々画策する様子を描くという、高野さんカラーも存分に発揮されてて、面白かったです。
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紀行文と呼ばれるジャンルには、古くから名作が多い。その土地その土地の鮮やかな情景もさることながら、旅先で出会う人物や、料理も、魅力的な小道具となる。とりわけ酒をめぐるエピソードは、言語を超越したコミュニケーションとして描かれ、旅の記述をより一層魅力的なものへと昇華する。 本書も...
紀行文と呼ばれるジャンルには、古くから名作が多い。その土地その土地の鮮やかな情景もさることながら、旅先で出会う人物や、料理も、魅力的な小道具となる。とりわけ酒をめぐるエピソードは、言語を超越したコミュニケーションとして描かれ、旅の記述をより一層魅力的なものへと昇華する。 本書もそういった紀行文に属するものなのだが、そのテーマは一風変わっている。おそらく世界で初めての、イスラム圏における飲酒事情を描いたルポなのだ。著者は、誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書くということが人生の目標であるという人物。その人となりは、ほとんどの章が、「私は酒のみである。休肝日はまだない。」という書き出しで始まっていることから察して欲しい。 ◆本書の目次 ドーハの悲劇・飲酒篇 ~序章にかえて 第一章 紛争地帯で酒を求めて ― パキスタンからアフガニスタンへ 第二章 酔っ払い砂漠のオアシス ― チュニジア 第三章 秘密警察と酒とチョウザメ ― イラン 第四章 「モザイク国家」でも飲めない!? ― マレーシア 第五章 イスタンブールのゴールデン街 ― トルコ・イスタンブール 第六章 ムスリムの造る幻の銘酒を求めて ― シリア 第七章 認められない国で認められない酒を飲む ― ソマリアランド 第八章 ハッピーランドの大いなる謎 ― バングラディシュ 宗教と酒との関係は、その戒律によって両極端に分かれる。ユダヤ教やキリスト教にとってワインは重要な意味を持ち、なかでもキリスト教にとってはイエス・キリストの血を象徴するものである。イスラムにおいて酒は原則禁止だが、コーランのある個所では「酒に酔ってお祈りしてはいけない」と記されており、「何が何でもいかん!」というほどの迫力ではないそうだ。意外なのは仏教で、その戒律においてはるかに厳しく酒を禁止しているそうである。 著者の経験によると、個人レベルで中東で最も酒のみ率が高い気配は感じたのはイランだという。世界で唯一イスラム法学者が最高権威とされる「神の国」であり、国家レベルでは飲酒厳禁のはずの国である。これはイランが、現在はイスラム圏に属するが、いまだにイスラムがやってくる前の土着の収監を残しているということによるものである。その長い歴史において、革命も酒の禁止も、つい最近のことでしかないのだ。伝統的に、華やかで繊細な文化をもち、著者をして「中東の京都」と言わしめるイラン。日本の京都と同様に、本音と建前の落差も多きいのである。 また、シリアでの話も興味深い。シリアの地酒を求めた著者は、キリスト教徒が造っている地元のワインに遭遇する。これがむちゃくちゃ美味しかったそうである。中東の多くの地域では国民もムスリムが多数派だが、少数のクリスチャンは以外によい待遇を与えられていることが多いという。旧イラクにおいてもサダム・フセイン大王の下で、外交を一手に引き受けていたアジズ外務大臣はクリスチャンであった。異教徒も、歴史的にイスラムのコミュニティにおいての不可欠な要素として、社会の大きな役割を担ってきたのである。 一見水と油のような関係にある、イスラムと酒。著者はその二つを追い求めることによって、結果的に双方を魅力たっぷりに描いている。じつに、お見事な一冊。
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宗教上飲酒が禁止されている様々なイスラム国家で酒を飲むための手引き。及びそれに至る人間模様。「私は酒飲みである。休肝日はまだない。」の書き出しで始まる各章。宗教的な建前をくぐりぬけ、実は酒好きのムスリム達と内緒の酒を酌み交わす筆者が痛快。
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