1,800円以上の注文で送料無料

嫁の遺言 の商品レビュー

3.4

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/02/06

加藤元さんの作品を立て続けに三作読んだ。 『本日はどうされました』(2020年)、『四百三十円の神様』(2016年)、本作(2011年)と遡る形で読んだけど、一貫して読みやすく、読ませる作品。 表題作の評価が高いようだけど(なので表題に選ばれる訳でしょうが)、不器用な不良の良く...

加藤元さんの作品を立て続けに三作読んだ。 『本日はどうされました』(2020年)、『四百三十円の神様』(2016年)、本作(2011年)と遡る形で読んだけど、一貫して読みやすく、読ませる作品。 表題作の評価が高いようだけど(なので表題に選ばれる訳でしょうが)、不器用な不良の良くんと彼の出所を待つラーメン屋の娘有子のお話『さよなら、ボギー』がいちばん良かった。(作中に登場する、沢田研二の『カサブランカ•ダンディ』はすぐにYouTubeでチェックした。世代的にはギリギリ聞いたことがあった。) 出てくるひとたちはみんな、いわゆる『勝ち組』に属するわけではないけど、そんなことに大した意味はないのだろう、と思わせるくらい、いろんな形の深い親子の愛情があるんだなあ、としみじみした。

Posted byブクログ

2020/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

*満員電車でふと自分の手に触れた冷たい手。間違いなく、それは、38歳で死んだ嫁の手だった。生前からちょっと変わったところのある女だった嫁が、どうしても伝えたかったこととは―。不器用だけれどあたたかい人情に溢れ、人間がいっそう愛おしく思えてくる全7篇を収録* 一篇一篇は短いのに、切なくて哀しくて温かくて・・・と、心に響く全ての要素がぎゅうっと詰まったような、素晴らしい短篇集です。これだけ全篇もれなく感動させてくれる作品も珍しい。ストーリー展開も表現力も文句なし! 号泣すると言うより、じわりと泣けてくるのをぐっと我慢してしまうような・・・折々に読み返したい。

Posted byブクログ

2018/11/16

縁故、情愛を感じる短編7作 ・嫁の遺言 ・いちばんめ ・あの人への年賀状 ・不覚悟な父より ・あんた ・窓の中の日曜日 ・おかえり、ボギー どれも不器用に人生を生きている主人公で、だけど人間の情愛は簡単には割りきれない切なさを上手く表現していると思う。 最...

縁故、情愛を感じる短編7作 ・嫁の遺言 ・いちばんめ ・あの人への年賀状 ・不覚悟な父より ・あんた ・窓の中の日曜日 ・おかえり、ボギー どれも不器用に人生を生きている主人公で、だけど人間の情愛は簡単には割りきれない切なさを上手く表現していると思う。 最後の2作品が特に好き。

Posted byブクログ

2018/09/17

切ない短編集なんですが、どれもすごくいい!泣けます! タイトル小説でもある『嫁の遺言』は、関西弁の独り語り形式、というのかな。すごく耳に心地いい語り口で、まさに声に出して読みたい日本語、です。落語の大家の方に読んでもらえたら、私ずっと聞いてしまいそう~ 素敵な作品でした♪

Posted byブクログ

2017/05/05

読みやすい短編集。 みんな不器用なひとばかり。ハッピーエンドじゃない、ハッピーさは気持ち小さじ1程度にあってもそれも可愛げなくやや一癖ある終わり方をするお話が7つ。 母親がほそぼそと理容店営んでる自分には「あの人への年賀状」がしんみり切なく感じました。

Posted byブクログ

2016/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『嫁の遺言』はほわんとした夫婦のお話。『いちばんめ』はとてもグッときた。学生の頃の元カレに友達の結婚式で再開した話。大人になってわかることと17歳には戻れないこと、わかっているけど切なかった。

Posted byブクログ

2014/09/05

いちばんめ、あの人への年賀状 この2篇が印象的だった。が、全体的にこの方が描く男性像が好みとかけ離れているため他は響かず。

Posted byブクログ

2014/07/07

7編からなる短編集。 どれもちょっぴり胸が切なくなる。 ただ雰囲気はそれぞれ違っていて、加藤元さんの作品は初めて読んだのだが、引き出しの多い方だなと思った。 特に好きだったのは「いちばんめ」 しばらくこの世界の余韻にひたってしまった。

Posted byブクログ

2013/11/25

7つの短編集。 ・嫁の遺言 ・いちばんめ ・あの人への年賀状 ・不覚悟な父より ・あんた ・窓の中の日曜日 ・おかえり、ボギー 【いちばんめ】と【あの人への年賀状】が感情移入して涙が止まらなかった。

Posted byブクログ

2013/08/30

図書館にて。 いい小説を書く人だなとしみじみ思った。 この作家の本を読むのは2冊目だが、前回は長編だったので、短編はうまみがぎゅっと凝縮されている感じでお得だなと思ってしまった笑 どれも良かったが、「いちばんめ」は心の底の大切な部分をぎゅっとわしづかみにされた感じ。いやもう、だめ...

図書館にて。 いい小説を書く人だなとしみじみ思った。 この作家の本を読むのは2冊目だが、前回は長編だったので、短編はうまみがぎゅっと凝縮されている感じでお得だなと思ってしまった笑 どれも良かったが、「いちばんめ」は心の底の大切な部分をぎゅっとわしづかみにされた感じ。いやもう、だめだろうこれは。泣いてまう。

Posted byブクログ