印象派で「近代」を読む の商品レビュー
こういうのを読んでから美術館に行くと、3倍くらい楽しくなりますよ。印象派が出始めたころは、批評家からフルボッコな評価しかありませんでしたが、確かにそれ以前(ルネッサンスやバロックなど)の精緻で劇的な絵画を見た後、刷毛でシャカシャカシャカーと描かれた印象派の絵を見ると、「まじめにや...
こういうのを読んでから美術館に行くと、3倍くらい楽しくなりますよ。印象派が出始めたころは、批評家からフルボッコな評価しかありませんでしたが、確かにそれ以前(ルネッサンスやバロックなど)の精緻で劇的な絵画を見た後、刷毛でシャカシャカシャカーと描かれた印象派の絵を見ると、「まじめにやれー!」という気分になってもおかしくないと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
印象派で近代を読むとのことでとてもわかりやすい時代・絵画説明がされています。この本を読んで、絵画だけでなく印象派を形成した時代背景についても知りたくなりました。 フランスとアメリカの片思いの関係や日本の浮世絵が印象派に与えた印象など読んでいてもっと知りたいと思うことがたくさんありました。 ただ、テーマが「印象派で近代を読む」なので大まかな説明しかありません。(それでもわかりやすくて好きですが)フランス文化に詳しい方には少し物足りない一冊なのではないかと思います。反面、これから印象派、ひいてはフランス美術界について学んでいこうという方にはおすすめです。
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たしかにアメリカの美術館の名前を冠した展覧会では、印象派作品が目玉扱いになっているな。日本史専攻だったから、欧米の歴史がすっぽ抜けている、ということをうっすら思い知らされた。印象派に思想はないかもしれないけれど、時代の空気を今に伝えるし、画家の魂は変わらず絵画のなかにある。
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印象派が誕生する社会的な背景や、当時の市井の人々の暮らしぶりなど興味深い内容。ひとつのテーマについて深く掘り下げるというよりも、時代を概観する本として良いと思います。 地の文で「です・ます」と「だ」が混在しているのは、敢えてそうしたのだろうと思いますが(校正漏れにしては多すぎるの...
印象派が誕生する社会的な背景や、当時の市井の人々の暮らしぶりなど興味深い内容。ひとつのテーマについて深く掘り下げるというよりも、時代を概観する本として良いと思います。 地の文で「です・ます」と「だ」が混在しているのは、敢えてそうしたのだろうと思いますが(校正漏れにしては多すぎるので)、正直に言って成功しているとは思えません。中野京子さんの本は好きなのですが、言葉のリズム感が合わないなぁと思うことが時々あります。 また、広重は「歌川広重」と表記すべきではないでしょうか?
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内容的にはサラッと書かれている。あとがきによると、講演を基にした書き下ろしとのこと。画家を印象派の時代でくくって当時の風俗を紹介するのがテーマと感じた。印象派展示などの前に事前知識として読む、などかな。鑑賞後はもう少し詳しく各画家ごとに描かれた本の方がいいかもしれません。
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「です・ます」調に統一されていない文体に、微妙にペースを崩されます。 絵は言われれば分かる程馴染み深いのに、生前売れなかった画家が多いイメージがある印象派の成立から、当時の評価が低かった理由などが良く分かります。
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誰でも知ってる絵、よりも少しだけマイナーなところまで採り上げての解説は私のような半可通には有難い。 カラー図版をふんだんに使い、読みやすい解説。 著者の出世作がキワモノっぽいからといって食わず嫌いにすることは無い。
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多数の名画を紹介しながら、 印象派の時代の移り変わりを読み解く。 現代とは全く違う価値観や、そのとき起こった大きな変化がわかる。
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絵(美術)は解説されるものではなく感じるもの。…そんな風に言われそう思ってきたけれど 気にいった絵や世界的に評価されている絵の事はもっと知りたい。 文化の違う外国での作品の背景を知りたい。 そんな欲求に答えてくれるのが中野京子さん。 本書は印象派を取り上げ...
絵(美術)は解説されるものではなく感じるもの。…そんな風に言われそう思ってきたけれど 気にいった絵や世界的に評価されている絵の事はもっと知りたい。 文化の違う外国での作品の背景を知りたい。 そんな欲求に答えてくれるのが中野京子さん。 本書は印象派を取り上げ解説。 とてもおもしろい。 あとがきまでよかった。あと173Pの世界で活躍する日本人アーティストをもっと国全体で支援すべきの一文にはまったく同感。
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さすが 中野京子さんの本 多角的に絵を読ませてくれる 今回は、社会や当時の環境について が焦点かな マネの『オランピア』や『草上の昼食』が、それぞれ ティツィアーノ『ウルビノのヴィーナス』『田園の奏楽』の 女神や神話上の人物を 生身の人間にした絵 というのには驚いた そう...
さすが 中野京子さんの本 多角的に絵を読ませてくれる 今回は、社会や当時の環境について が焦点かな マネの『オランピア』や『草上の昼食』が、それぞれ ティツィアーノ『ウルビノのヴィーナス』『田園の奏楽』の 女神や神話上の人物を 生身の人間にした絵 というのには驚いた そうだったんだ!! しかし、一番最初に 『草上の昼食』を見た時の衝撃は 忘れられない。 びっちりと礼装した男性と 森の木漏れ陽の下 ピクニックしているのは 全裸の女性! (うわ、何なんだ、コレ?! ・・・だった) 中野さんは これは現在を見越した未来図だったかも なんて 書いてる ヌーディストビーチのピクニックね。 そう見ると、なんか笑える
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