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特捜部Q 檻の中の女 の商品レビュー

3.9

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    16

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2011/12/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろい。 事件自体の謎はさして興味深くもないし、意外な結末も待っていない。 それでも、カールとアサドという2人の人物がいい。 擦れた皮肉屋ではあるが、心の底には熱い仕事魂が眠っているカール、いつも陽気で極めて優秀な能力が見え隠れするが、ときどきちょっとずれたことをする謎のシリア人アサド。 2人の何とも絶妙な掛け合いが心地よく読ませてくれる。 次作の翻訳が楽しみな作家。 ■このミス2012海外16位

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2011/10/20

本書を読み終えた感想は『とてつもなく面白い!』というものだった。 ここ最近で読んだ本の中では群を抜いて素晴らしく、傑作と言える作品であることに間違いはないでしょう。 デンマーク発の警察小説ということで、なかなか聞き慣れない登場人物の名前も私には新鮮でした。 タイトルにある『...

本書を読み終えた感想は『とてつもなく面白い!』というものだった。 ここ最近で読んだ本の中では群を抜いて素晴らしく、傑作と言える作品であることに間違いはないでしょう。 デンマーク発の警察小説ということで、なかなか聞き慣れない登場人物の名前も私には新鮮でした。 タイトルにある『特捜部Q』とは、未解決の重大事件を専門に扱ういわば特殊チームのようなもので、 その新設部署を切り盛りするのは、わずかに2人---過去のある事件で相棒を失い、トラウマを抱えて生きる捜査官カール・マークと、身元不詳で奇妙な男アサド。 この2人の掛け合いと、アサドの存在感が絶妙です。 訳者の言葉を借りるなら…電気の配線は難無くできるのに、コピー機の扱いは分からない。法律書を読めるほどデンマーク語に精通しているのに、簡単なジョークは分からない。そんなアサドは、戦車も運転できるという多様なスキルの持ち主でもあるのです。 この不思議な部下はマークを大いに手助けし、事件解決へと導く水先案内人のような役回りを果たします。 物語は、海に転落死したとされる女性国会議員の未解決事件に端を発し、特捜部Qの最初の事件としてカールが捜査を再開するところより始まります。 原題『檻の中の女』とは…。 特捜部Qを待ち受けていた真相は、常軌を逸した執念と狂気の塊でした。 ストーリーが進み、ラストに向けて必要なパーツが全て出揃うにつれて、物語は非常にスリリングでスピード感のある展開を見せます。 先を先を…と一息で読んでしまいたくなるほどに、手に汗握る白熱した展開でした。 本作はシリーズ第一作目。原書ではすでに四作が刊行されているということで、次回作の翻訳を待ち遠しいと思わせる作品でした。

Posted byブクログ

2011/08/16

予算に振り回されるお役所的な警察幹部に楯突く個性派警部補マークの言動に小気味よさを覚える。謎多き部下アサドとのぎくしゃくぶりも面白いシリーズ第一作。 一方失踪したとされる女性議員の過酷な状況には気分が悪くなる。ひたすら怖すぎだ。

Posted byブクログ

2011/08/14

未解決事件にあたる新設部署「特捜部Q」!!部署名がいいです。 部下を失い、悲しみを背負った主人公。再捜査する事件は謎と悪意に満ちた誘拐事件。なかなか重苦しい設定なのですが、主人公の横柄な態度と脇を固める登場人物たちのキャラクター、そしてなにより謎のシリア人の相棒アサドがユーモラ...

未解決事件にあたる新設部署「特捜部Q」!!部署名がいいです。 部下を失い、悲しみを背負った主人公。再捜査する事件は謎と悪意に満ちた誘拐事件。なかなか重苦しい設定なのですが、主人公の横柄な態度と脇を固める登場人物たちのキャラクター、そしてなにより謎のシリア人の相棒アサドがユーモラスです。 ラストは見えやすいのですが、だからこそ、どこかのんびりとしている特捜部Qのふたりにやきもきしました。 ぜひとも続編が読みたいシリーズ!!

Posted byブクログ

2011/11/23

ベルギーの警察小説ってどんなん?と思って読んでみた。うーん、ちょっと退屈…というとこもあるけど、結局最後まで一気読みできちゃったくらいには面白かったな。シリーズ続編あるそうなので、出たら読みたいな。

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2011/08/17

これは面白い。シリーズの一作目ということなので、今後続きを読めるのがうれしい。語られる事件はかなり悲惨な事件なのですが、あまり重苦しさを感じません。全編ユーモアがありつつ、哀しみや苦しみもちゃんと伝わってきました。物語の展開もいいテンポで進み、あっという間にラストです。余韻のある...

これは面白い。シリーズの一作目ということなので、今後続きを読めるのがうれしい。語られる事件はかなり悲惨な事件なのですが、あまり重苦しさを感じません。全編ユーモアがありつつ、哀しみや苦しみもちゃんと伝わってきました。物語の展開もいいテンポで進み、あっという間にラストです。余韻のある終わり方で、それもよかったです。早く続きがでないかなー。

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2011/07/22

不気味なくらいすーっと入っていけた。初めての作家には珍しいことなので、相性がいいのだろうと思う。 オープニング、特捜部設立のプロセスを経て、事件に取り組むまでの流れがステキに滑らか。警察ミステリなので硬派なタッチを想像してたのだが、どことなくユーモラス。主人公コンビの掛け合いは...

不気味なくらいすーっと入っていけた。初めての作家には珍しいことなので、相性がいいのだろうと思う。 オープニング、特捜部設立のプロセスを経て、事件に取り組むまでの流れがステキに滑らか。警察ミステリなので硬派なタッチを想像してたのだが、どことなくユーモラス。主人公コンビの掛け合いは面白く、シリーズもののメインキャラとしては申し分ないと思う。 事件へのアプローチは非常に丁寧。丁寧すぎて後半ちょっと飽きがきた。先が読める展開なので、謎解き部分は特にテンションも上がらず。このネタにしてはページ数が多いかも。クライマックスのぐだぐだ感が残念。 それも含めて、シリーズ一作目特有のふわふわした雰囲気がいやでも目立つ。キャラにしても展開にしても、様子見してるようで何となくハッキリしない。これは作品を重ねるごとに落ち着くだろうが、ミステリとしての味付けが薄そうなので、リピートするかは悩みドコロ。

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2011/07/20

デンマーク!!コペンハーゲン!!のミステリ!!こんな素敵な作品を刊行してくれてありがとう早川書房!! 私はアサド萌えです。早く続編出して!!

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2011/07/15

翻訳者による後書きによれば、本書は本国デンマークで13万部売り上げたベストセラーで、また、ヨーロッパ各国やアメリカ、中国などを含めた21カ国で翻訳販売されている世界的なベストセラーでもあるそうです。 #wikipediaによれば、デンマークの人口は2008年現在で約550万人。...

翻訳者による後書きによれば、本書は本国デンマークで13万部売り上げたベストセラーで、また、ヨーロッパ各国やアメリカ、中国などを含めた21カ国で翻訳販売されている世界的なベストセラーでもあるそうです。 #wikipediaによれば、デンマークの人口は2008年現在で約550万人。 #この国で13万部は、日本の人口を1億2千万人とすると日本での約283万部の大ヒット相当と言うことに。 #村上春樹の1Q84が200万部突破とのニュースもありましたから、本書が如何にデンマークで大ヒットしたかが伺い知れますね。 著者のオールソン氏は数々の賞を受賞してきた作家で、本書をシリーズ1巻目とする「特捜部Q」シリーズは2010年11月現在、4巻目まで刊行されており、それぞれ本国デンマークではベストセラーとの事です。 読み始めはどこと無くスティーグ・ラーソンの「ミレニアム」シリーズに似ている感じもしましたが、読み進めるにつれ段々とその様な印象もなくなり、小説世界に没頭しました。 さて、あらすじの方をご紹介。 2002年に謎の失踪を遂げた、将来を渇望されていた若き美人政治家。 彼女はその後の捜査により殺害されたと見なされたが、捜査はそれ以上進まず未解決事件として放置されていた。 5年後、政治家の駆け引きの結果、デンマーク警察内部に全国区で未解決事件解明を専任とする特捜部Qが誕生。 そして、その特捜部Qのトップに、捜査中に撃たれた事により休職していた主人公のベテラン刑事カール・マークが就任したが、実はその就任は周囲から煙たがれていた彼を体よく追い払い、かつ特捜部Qあての予算を掠め取ろうとする上の企みだった。 銃撃後、すっかりやる気が無くなったカール。 銃撃時、死亡した仲間。 そして寝たきりとなったもう一人の仲間に後ろめたい思いを抱えながらも、助手として派遣されたシリアからの亡命者ハーフェズ・エル・アサドに引き込まれるかのように、2002年の政治家失踪事件の再捜査に取り掛かる・・・ と言うものです。 実は、殺害されたと思われていた女性政治家は、正体不明の犯人に監禁されており、本書では彼女の監禁を描いた2002年以降の過去パートと主人公達の捜査を描いた現代パートが交互に書かれており、最後の方でそれぞれのパートの時間の流れが一つになります。 #まあ、女性監禁は副題からも分かりますね・・・ 彼女を監禁した謎の犯人たちの正体は? 主人公達は真相にたどり着けるのか? 彼女を救えるのか? と、最後までグイグイと一気読みさせてくれる内容でした。 中々面白い小説でした。 (上記しましたが)北欧ってミレニアムシリーズと言い、本書と言い、反警察権力やサイコな犯罪と言った内容の小説を書く作家さんが多いのかねえ・・・ 少なくとも、その様な小説がベストセラーになると言う事は、国民の間の権力に対する警戒心が強いということでしょうか。 様々な世界ランキングで上位を占める北欧諸国。 国の健全な発展のためには、権力に対する(闇雲に疑うのではない)健全な警戒感が必要なのかも。

Posted byブクログ