レッドゾーン(上) の商品レビュー
11月-1。3.0点。 ハゲタカシリーズ第3弾。今回は、自動車メーカーを巡る闘い。トヨタがモデルかな。 ハゲタカ2.5に出てきた、賀一華も重要な人物に。 切れ味あるストーリー。安定感。
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3.5 前作から半年後2007夏から始まる。日本最大の自動車メーカー(トヨタ?)アカマ自動車を巡り、米中を巻き込んだ大型ディール。国産自動車産業を作りたい中国の思惑、日本を代表する企業のM&Aと抗戦。鷲津の活躍と厳しさ、日本や企業に対する想いも光る。アカマ自動車のプライドや車に対する熱さ、コンプライアンス問題、芝野が世話になった中小メーカーマジテックの再生の話などが入り乱れなかなか面白い。 2007年当時の中国通は中国を知りたければマカオに行けと言っていた。膨張中国そのもの。 ホライズンキャピタルの歴史。プライベートエクイティと呼ばれる再生ファンドとしてビジネスを開始し、不良債権をバルクセールで一括で買いその中から黄金を見出し財産を築く。その後は経営難に陥った企業を買収し3-5年かけて再生させて利益を生むビジネス。 バブル崩壊後の失われた10年で何を学んだか。より上手な責任転嫁の方法か、外国から金だけむしり取って、今まで通り自国のルールだけで経済を回そうというご都合主義か。日本人の多くが誤解しているのは、この国は自力で復活したと思っていること。血のにじむようなグローバルスタンダードを受け入れ、国際経済社会の一員になり、それによって外国から金が流れ込んだに過ぎない。なのに、経済がちょっと回復したら鎖国しようなんて甘すぎる。 中国社会の常識は、強者が弱者を抑え込むために法律がある。そのため、人民は社会で起きる不条理には目をつぶり、コネと金と知恵を絞って渦中の人にならないように努力するのが処世術。後継者のいない日本の中小企業を買い取る中国人が増えている。 世の中で一番大事なのは諦めないこと。どんなに金に困っても仕事がなくても諦めたら負け。仕事がないなら創ればいい。 ニーチェの名言。言葉発せられた途端に嘘が始まる。 アカマの教え。決断に悩むときは3日悩むといい。最初の一日は自分の考えを肯定して悩み、2日目は徹底的に否定してみる。最後の日は、その二つをぶつける。そこまで悩んだ決断には結果が自ずとついてくる。風通しの良い会社とは、部下が面と向かって上司の悪口を言える会社だ。 買収を防ぐ方法は。ポイズンピルなどもよいが、時価総額を上げる努力を怠らないこと、アカマファンをたくさんつくること。株主や従業員、取引先、消費者に至るまで、誰からもアカマはいいよねと言ってもらえる努力。M&Aの勝敗は、時に世論が決める場合がある。
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投資ファンドや投資銀行の業務内容についてストーリーを通じて理解できるため腹落ちしやすく、記憶にも残りやすいと思いました。 大企業のM&A案件とか一生に一度手掛けてみたい。
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ハゲタカシリーズ三作目。相変わらず読者を一気に引き込み、ワクワクが止まらない展開はお見事。フィクションでありつつ、もし現実にこれが起きたら…と思わずにいられないのは、作者の丹念な取材に基づくものだとあとがきを読んで納得した。
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後編に続くための、前フリ話で特に面白いってわけじゃないが、 後編をワクワクさせるような期待感の詰まったお話。 じっと我慢して読みましょう。
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日本の代表的な企業でもあるアカマ自動車が、中国の賀一華が率いるファンドからTOBを受ける。 それはアカマの精神的支柱の赤間周平元社長が亡くなった2日後のことだった。 賀は謎に包まれている人物である。 鷲津はどうやって動くのか? 柴野は曙を辞任し、中小企業マジテックの社長に就任している。 上巻では、鷲津と芝野の絡みはないが? またアランの死の謎にせまっている?
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中国の政府ファンドに買収をしかけられた日本トップの自動車メーカー、赤間自動車のホワイト・ナイトになるハゲタカ鷲津。 中小企業再生の話、中途半端。
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鷲頭を取り込もうとする中国CICの思惑とは?中国のホリエモンは馬鹿を装った切れ者なのか、中小企業に移った柴野さんは本筋とどこで絡むのか(クリーンディーゼルってヒントは出たが)そして、鷲頭雅彦に投資が甦る!アカマ自動車の明日はどっちだ?
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【感想】 学校の授業で習った内容や、普段日本人が口にする「中国」という国。 皆がどんなイメージを抱いているかは分からないが、少し前までは個人的に卑下して見ていた感覚があった事は否めない。 ただ、最近GDPが抜かれ、確実に巨大化が止まらない「中国」という国の不気味さや底力に、最近は...
【感想】 学校の授業で習った内容や、普段日本人が口にする「中国」という国。 皆がどんなイメージを抱いているかは分からないが、少し前までは個人的に卑下して見ていた感覚があった事は否めない。 ただ、最近GDPが抜かれ、確実に巨大化が止まらない「中国」という国の不気味さや底力に、最近は畏敬の念や憧れなどを抱いている。 (大小の差はあるとしても)国民1人1人のスペックも、日本は中国に敵わないだろうなと最近思う。 本作品もその優秀さと不気味さは健在で、あの鷲津でさえも中国の連中の掌で踊らされているような、そんな印象を抱いた。 単純に下品なだけでは決してなく、したたかさや損得勘定などを容赦なくできる辺り、中国人はとても興味がある。 最高の作品でした。下巻も楽しみ! 【あらすじ】 莫大な外貨準備高を元手に、中国が国家ファンド(CIC)を立ち上げた。 若き買収王・賀一華(ホーイーファ)は日本最大の自動車メーカー・アカマ自動車を標的にする。 さらに鷲津政彦を誘い出す。 「一緒に日本を買い叩きませんか」。 日本に絶望した男はどう動くのか。 産業界の中枢に狙いをつけた史上最大の買収劇が始まった。 【引用】 p166 「あの国には法律がない。いや、そもそも法の精神すらない。そんな国で、何をやるんだね。」 法律は無力だ。 所詮、法律はお上品な先進国のためにだけ機能する。 為政者や特権階級の人間が、法律の解釈を勝手に曲げる国に未来はない。 p247 決断に悩む時は、3日悩むといい。 最初の1日は、自分の考えを肯定して悩み、2日目は、徹底的に否定してみる。 そして最後の日は、その2つをぶつける。 そこまで悩んだ決断には、結果が自ずとついてくるものだ。
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今月の1冊目。今年の19冊目。 ミーハーでドラマ化したのがきっかけでここまで読みましたが、面白いですね。自分もハゲタカになりたいなと思うくらいです。
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