てふてふ荘へようこそ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
幽霊は人間が死んだあとの姿だということを思わせてくれました。 格安アパートに入居して出会う。 そのことすべてが運命的。 このお話には、きっと神様がいるのだと思う。 人生が変わった人もいれば、変わらなかった人もいる。 それでも、これは運命的な出会いだと思う。 どの話も好きだけど、私は特に四号室のお話が好きです。 本当は気持ちや関係に名前は付けられないのだと思います。 ただただ、大事にしたい、大事にしている、それだけで良いのだと思います。 彼らほど、純粋で綺麗ではないけれど、私も気持ちや関係に名前を付けたくない人がいます。 だから、彼らに惹かれるのかもしれません。 もっともっと、人間は単純で良いと思うんです。 別れるということは時に、とっても辛いことになります。 離れたくない、嫌だ、もっとこれがしたかった、悲しい、と気持ちが山ほど湧き上がってくる別れがあります。 なのに、別れなければならない時があります。 でも、その時別れたとしても、一緒にいた日々を思い出せるのです。 思い出して、過去を振り返って、頑張ろうって思える時が来るのです。 私はこの本を読んで良かったです。
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あるサイトで紹介されていて読んだ一冊。 「てふてふ荘」と言う格安アパートに住む住人の お話です。 短編なんだけど、お話がつながっている感じです。 心がほんのりと温かくなる一冊でした。
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すてきな表紙に惹かれ、読み始めたのがきっかけです(*^^*) それぞれ部屋ごとに進んでいくストーリー。 私は特に2号室、3号室が印象深いです。 大家さんのお人柄もすてきだったなぁ。 さらっと読めて心が温まります。 おすすめです!!
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タッチが軽くて、ちょこちょこ読みに最適。 二号室のみっちゃん&おっちゃんが微笑ましくってじーんとしてたら、次の三号室の長久保さんのお話しで涙がでそうに。。。 映像化しやすい内容だなと思った
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好きなリズム、好きな温もり、好きな読後感。 お話は… 家賃13,000円、間取りは2K、敷金・礼金なし、管理費なし、身元保証人不要、最初の1か月は家賃不要、破格の条件な古びたアパート「てふてふ荘」。 でもそこは幽霊と一緒に住むのが条件だったのです… アパートは6部屋、あとは管...
好きなリズム、好きな温もり、好きな読後感。 お話は… 家賃13,000円、間取りは2K、敷金・礼金なし、管理費なし、身元保証人不要、最初の1か月は家賃不要、破格の条件な古びたアパート「てふてふ荘」。 でもそこは幽霊と一緒に住むのが条件だったのです… アパートは6部屋、あとは管理人室とビリヤードがある集会室がある。 部屋ごとにショートストーリーが展開され、最後には…。 私が好きなのは、 1号室の高橋くんとさやか、 3号室の長久保さんと石黒さん、 4号室の平原くんと薫、 の話。 好きになった人がすべて死んでしまう。 もう恋なんて…と思っていた高橋くん。 さやかを好きになりたくなかった。 好きになると触れたくなる。触れるとまた失ってしまう。 さやかの明るさ、素直さ、そして強さが温もりを与えてくれます。 破滅を導く石黒さん。 長久保さんは働きたくても職につけない。 自暴自棄になりそうな長久保さんを貶し励ます石黒さん。 石黒さん、かっこいい! 映像が浮かんできます。 薫…平原…最後の言葉を聞きたい。 別れへの怖さが伝わってきます。 信じたい気持ちが伝わってきました。 どのショートストーリーも本当に短いのに、登場人物を描きシーンを注ぎ込んでくれた。感情移入させてくれた。 それぞれの最後に手にする重さを伝えてくれた。 読みながら(これTVドラマ向きだな)と思ったら、NHKで放映済みだったんですね。 観たい気もするけど、手に包み込むような空気感をリアルな人物で表現されたのをみると違うかなと感じそうなのでやめておく。 ありがちな物語仕立てだけど、私にはステキな本でした。
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まさかの超ワケあり物件にわくわく(*^^*) 初、乾さん。 楽しく読ませていただきました。 4号室、すごくよかった。 努力ですね!
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うーん。ドラマ化って話だったので、図書館から借りてみた。 内容はいいのに、最後で、失速。 どっちでもいいかな?って。 こじつけ感が嫌かな。
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住み着いている幽霊たちはもちろん、住人たちも悩みを抱えているのでシリアスな話ばかりなんだけど、全体的にほのぼのとした雰囲気なので読みやすい。 大家さんの正体にはビックリ! 槇が妹にした“蛙の目”の話も良かった。 実際、私には見えてなくてもすぐ側にいるのかも。
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地縛霊を題材に、明らかに現実味に欠けたストーリーに最初こそは正直戸惑った。しかし、読み進めるうちに、登場するどの地縛霊も各室の住人の人となりを露にさせる重要な要素で、違和感を補うに十分であった為、この世に存在しないハズの彼らを自然に受け入れることが出来た。綴られた七つの小話はいずれも、住人各々の心理を明瞭に描写し、綺麗にしっかりと纏められている。また、地縛霊をビリヤードの的玉に擬え、小説の終盤へと序盤から巧みに伏線を敷くあたり、筆者の技量が存分に窺えます。
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朝になると、元気にラジオ体操の歌を歌って起こしてくれる明るい女子大生。 仕事の愚痴や失恋を、一緒に安酒を飲んで慰めてくれる気のいいおっちゃん。 真っ赤なウェットスーツに身を包み、不採用にへこむ同居人にカツを入れてくれる美女。 「待ってるよ」のひとことも言えず、再発に怯える同居人を...
朝になると、元気にラジオ体操の歌を歌って起こしてくれる明るい女子大生。 仕事の愚痴や失恋を、一緒に安酒を飲んで慰めてくれる気のいいおっちゃん。 真っ赤なウェットスーツに身を包み、不採用にへこむ同居人にカツを入れてくれる美女。 「待ってるよ」のひとことも言えず、再発に怯える同居人を待ち続ける、ツンデレ美少年。 手袋をなくした妹の手に息を吹きかけ、こすって温め、成長した今でも遠くから見守る兄。 ただ自分を覚えていてほしくて、遊んでほしくて、膝を抱えて待つ少年。 ホラーとか幽霊とかは大の苦手だけれど、 こんなやさしい地縛霊とだったら、同居するのもいいな♪と思ってしまいます。 2Kで月の家賃が1万3千円、敷金礼金なし、管理費もなし、という 破格の好条件につられて「てふてふ荘」にやってきたワケアリの入居者たち。 でも、ワケアリの彼らに似つかわしく、てふてふ荘には秘密があって なんとひと部屋にひとりずつ、地縛霊が同居していて ヘタな鼻歌を口ずさんだり、生活態度にダメ出ししてきたり。 入居にあたって、まず見せられるのが部屋の間取り図や写真ではなくて 部屋に取り憑いている地縛霊の写真、というのが笑えます♪ 入居者たちの心に重くのしかかっていたトラウマや不安を、 世間一般のイメージではさらに深めてしまいそうな地縛霊たちが 必死になって(もう死んでるけど。。。)励まし、解消してくれて またそれをきっかけに、入居者も地縛霊たちの心残りに気づき、 成仏に力を貸す、という心温まる異世界交流(?)物語。 入居者と地縛霊ペアが仲よくつつがなく暮らせるよう心を配り、 古色蒼然としたてふてふ荘を丁寧に掃除し、磨き上げる大家さんにきゅん♪とします。 思わず耳を傾けたくなってしまう美声とのことで、 私の妄想の中では谷原章介さんや竹野内豊さんのイメージだったのですが ドラマでは、中村俊介さんが演じられたとか。 やさしいキスで、心をこめた肩もみで、歓喜のハイタッチで、成仏するなんて 地縛霊冥利につきますよね。素敵です。
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