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紳士と月夜の晒し台 の商品レビュー

3.4

20件のお客様レビュー

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2022/01/27

英国クラシックミステリ。 邦題のタイトルそのまんま、実業家のアーノルドの刺殺体が晒し台(犯罪者を晒し者にするための中世の刑具。表紙のイラストが多分そうかと。)に乗せられた状態で発見されます。 捜査に乗り出すハナサイド警視ですが、浮世離れした容疑者達に翻弄されるばかりで・・。 ...

英国クラシックミステリ。 邦題のタイトルそのまんま、実業家のアーノルドの刺殺体が晒し台(犯罪者を晒し者にするための中世の刑具。表紙のイラストが多分そうかと。)に乗せられた状態で発見されます。 捜査に乗り出すハナサイド警視ですが、浮世離れした容疑者達に翻弄されるばかりで・・。 殺されたアーノルドの腹違いの弟妹である、ケネスとアントニアがとにかく自由過ぎて(特にケネスが人を食ったキャラ)、このクセが強い面々がわちゃわちゃ大騒ぎを繰り広げる感じです。 本書の著者の方は、元々ロマンス小説で有名みたいなので、その傾向が出ているかもです。 アーノルドが死んで、遺産が手に入る事を臆面もなく喜ぶケネス達の前に思わぬ人物が現れて、さらに第二の殺人が起こった後から、ミステリ的に面白い展開になってきました。 ただ、犯人は後半あたりから、予測がついちゃう感じです。あと、私としては、“何故死体が晒し台に乗せられていたのか?横溝正史作品ばりの見立て殺人なんかな?”と、ここが気になっていたのですが、結局あまり意味がなかったようで、ちょっと拍子抜けでした。 因みに本書は“ハナサイド警視もの”の第一弾との事ですが、今回ハナサイド警視は翻弄されるばかりであまり活躍できませんでした。真相にたどり着いたのも、ケネス達の従兄弟で弁護士のジャイルズでしたしね。 と、いうことで気が向いたら、“今度こそ”彼の活躍を期待して第二弾を読んでみるかもしれません。

Posted byブクログ

2021/10/15

裕福な紳士が晒し台に乗せられた刺殺体となって発見された。曲者揃いの遺産相続人や婚約者達に終始翻弄されるハナサイド警視。そして第二の殺人が。それにしてもハナサイド警視、全くいいところなし…。晒し台に乗せられていた理由に注目していたので、この結果については残念だった。遺産をめぐる人間...

裕福な紳士が晒し台に乗せられた刺殺体となって発見された。曲者揃いの遺産相続人や婚約者達に終始翻弄されるハナサイド警視。そして第二の殺人が。それにしてもハナサイド警視、全くいいところなし…。晒し台に乗せられていた理由に注目していたので、この結果については残念だった。遺産をめぐる人間模様や、少し奇抜な会話で楽しませるのは、さすがロマンス界の大家といった感じ。

Posted byブクログ

2013/09/16

古き良き黄金時代のイギリス王道ミステリーです。驚異的な他殺体の発見から始まり、クリスティばりの人物表現とテンポの良い物語展開で黄金時代のミステリーを存分に堪能することができました!(笑) ある夜、村の巡査がパトロール中に発見したものは、村の広場に展示されている晒し台にのせられた紳...

古き良き黄金時代のイギリス王道ミステリーです。驚異的な他殺体の発見から始まり、クリスティばりの人物表現とテンポの良い物語展開で黄金時代のミステリーを存分に堪能することができました!(笑) ある夜、村の巡査がパトロール中に発見したものは、村の広場に展示されている晒し台にのせられた紳士の刺殺体であった。事件を担当することになったハナサイド警視は大金持ちであった被害者の一族とその関係者に一通り面会するが、誰もに強い動機がありアリバイが無い状況であった。警視を翻弄する被害者一族であったが、そこに、第二の事件が発生して・・・。 この物語は人物構成が上手くできていて、しかもその関係者同士の会話を通して事件と問題点を浮かび上がらせていくという、会話主体の進行と理解が絶妙な形で提示されていました。誰もが怪しく感じる容疑者たちですが、登場人物が一族とその周辺に限られるためそれほど多くなく、その分、個性豊かな人物描写ができたといえるでしょう。そんな人物たちがウィットに富み、時にはブラックユーモアを交えながら繰り出す事件についての深読みの会話は面白いことこの上ありませんでした。これは作者のなかなかの技量ですね。そんなわけで、誰もが怪しいのですが(笑)、ハナサイド警視ならず自分も翻弄されてしまって、一番目をつけていた容疑者はハズしてしましました。(笑) 少しウィットに富み過ぎて、張り詰めた緊迫感に欠けると感じるのは仕方がないところでしょうか。これまでの経緯からして、ラストの神が宿ったとしか思えない真相解明の流れはちょっと手抜きなんじゃないかなあ。(笑)もう少し丁寧に演出してほしかった。 殺された富豪一族内で発生するお互いの駆け引き・疑心暗鬼と、第二の事件というお約束な展開が嬉しい上質の推理小説です。

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2013/06/16
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3-  減らず口達が巻き込まれた騒々しい災難。 何故晒し台に遺体が?といういかにも面白くなりそうな魅力的な謎を持って始まる物語だが、あまりその部分には焦点が当てられず謎解きものとして読むと肩すかしをくらう。容疑者が何人も登場するが、その誰にでも動機がありアリバイはない、だから捜査が難航している、という図式なのだが、読み手はこの中に犯人はいないと確信しているのでこれもさほど意味はない。減らず口どものキャラクターを楽しめれば良し、彼らのドタバタが楽しめればなお良し。

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2012/11/28

ドロシー・セイヤーズが認めたという触れ込みにつられて読んだ作品です。晒し台に固定された状態で殺されていた大富豪。敵を作る名人と言われた彼を殺したのは、現場近くにいた腹違いの妹か、遺産を手にできる腹違いの弟か、それとも…? 本格ミステリを期待すると空振りします。作品中でも言われてま...

ドロシー・セイヤーズが認めたという触れ込みにつられて読んだ作品です。晒し台に固定された状態で殺されていた大富豪。敵を作る名人と言われた彼を殺したのは、現場近くにいた腹違いの妹か、遺産を手にできる腹違いの弟か、それとも…? 本格ミステリを期待すると空振りします。作品中でも言われてますが、こういう単純な事件の方が犯人を見つけにくい。だったらまずは特異な点から追っていくべきところを最後までほぼ放置してます。犯人もわりと早い段階で目星をつけられる読者が多いんじゃないでしょうか。そんな簡単にいくわけはないだろうと期待しすぎて、無駄に「塩漬けアーモンドがなくなったことが後で鍵になるに違いない」なんて思ってました。全く関係なかったですけど。 楽しむポイントは常識からかけ離れた関係者と、逆に常識人な顧問弁護士&警部の対比。変わり者の会話だけだと鬱陶しくなりそうなものですが、常識人のまともな会話にほっとします。常識人たちが振り回されすぎないのもよいです。意外性というのならば、探偵役になる人物の割り当てですかね。普通に警部が解決するものだと思って読んでましたから。展開は早いけれど、ユーモラスなロマンスは好感が持てます。さすが元々ロマンス作家。 謎解きは二の次、ストーリーを楽しむミステリも大好きなんですが、登場人物たちの性格をつかむまでに時間がかかってしまいイマイチのめり込めず。エキセントリックさか、雰囲気か、もうちょっとインパクトが欲しかったです。

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2012/07/30
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※このレビューにはネタバレを含みます

読んでて楽しくなる。次も読みたいと思いました。 事件そのものより、容疑者間のやりとりを楽しむべし。 ハッピーエンドで終わらせるなら、この人が犯人だとめでたしめでたしと思っているとその通りになる。 シリーズ主人公のハナサイド警視が事件を解決しないところが驚き。

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2012/05/25

推理小説だと思って読むと、全く推理小説風ではなく戸惑います。謎もどこがどうなって謎となり明かされて行くのかついていくのが大変です。ですが、読み終わると確かにこれは本格推理小説だ、と言わされます。一筋縄ではいかない一冊です。

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2012/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

強烈な個性の容疑者の群れと、悩む生真面目な警視 巨匠セイヤーズが認めた実力派 軽妙な雰囲気の中にしのばせた企みが光る、 知られざる傑作英国本格ミステリ 月夜の晩、晒し台に両足が突っ込まれた紳士の死体が発見される。 彼には、莫大な遺産がありそれをめぐって一癖も二癖もある親類が容疑者として挙げられる。 謎それ自体があまり魅力的でなく楽しめなかった。 読みやすかったが場面転換がわかりづらく、地の文が途切れないのに突然人物が入れ替わっていたりと、 なかなか状況を把握するのに苦労した。 ミステリ:☆☆ ストーリー:☆☆ 人物:☆☆☆ 読みやすさ:☆☆☆

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2012/04/02

「こちらはエドガー・ウォーレスばりの推理劇を上演するつもりだったのに、おおむねチェーホフもどきの家庭喜劇に巻き込まれている始末だ」

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2012/03/23

月夜の晩に村の広場で晒し台に足を突っ込んで殺されていた紳士の死体、という印象的なシーンから始まるミステリ。 作者がロマンス小説の大家だけあって謎の解決はけっこうあっさりで、読みどころは登場人物の右往左往の方。被害者の一族など動機を持つ容疑者は多く、変わり者ぞろいで、警察の尋問や身...

月夜の晩に村の広場で晒し台に足を突っ込んで殺されていた紳士の死体、という印象的なシーンから始まるミステリ。 作者がロマンス小説の大家だけあって謎の解決はけっこうあっさりで、読みどころは登場人物の右往左往の方。被害者の一族など動機を持つ容疑者は多く、変わり者ぞろいで、警察の尋問や身内での話し合いでものらりくらりと韜晦し、勝手に事件を推理して罪を押し付け合う。 海外のミステリにはこのようなエキセントリックなキャラが時々登場して、個人的にはあまり面白さが理解できず読み進めないことが多いのだが、この作品では読みづらくはなく、面白かった。 ハナサイド警視のシリーズ第1作だということだが、こんなに地味な役回りのシリーズ探偵も珍しいのでは。

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