日本農業の真実 の商品レビュー
2011年の日本の農業についての現状報告と提言の書。著者は東大教授で、農政にも深く関わってきた人物である。 TPPへの参加が検討されている現在、農業分野がネックになっていることは確かである。そのための食糧自給率の問題がカロリーベースであったり、減反政策や戸別保証などの政策から説...
2011年の日本の農業についての現状報告と提言の書。著者は東大教授で、農政にも深く関わってきた人物である。 TPPへの参加が検討されている現在、農業分野がネックになっていることは確かである。そのための食糧自給率の問題がカロリーベースであったり、減反政策や戸別保証などの政策から説明している。 日本は歴史的に、1ha程度の農民が戦後たくさんできて、都市のサラリーマンと比べて所得が低いことなどや、兼業農家(労働時間が少ない)こと、大規模農家も10ha以上では効率が変わらないことも含めて、解説している。 日本は、専業農家的なところと、機械化によるそれほど労働をしなくても大丈夫な兼業農家が混在し、農政が対応できなかったことが大きいと思われる。減反政策の反対で、村八分になるような家庭であったり、モンスーンアジア風土の農業について考えさせられた。 今後の農業を考えるには必読の書だと思う。
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日本の農と食の直面している現実を、戦後の、特に過去10数年の農政の歩みを中心に冷静に分析している。食料自給率、高齢化が進む中での農業の担い手問題、コメの生産調整の重く暗い歴史とこれから…。日本の農業の抱える課題は山積みで特効薬はないけれど、混迷する農政のあり方を正し、透明性のある...
日本の農と食の直面している現実を、戦後の、特に過去10数年の農政の歩みを中心に冷静に分析している。食料自給率、高齢化が進む中での農業の担い手問題、コメの生産調整の重く暗い歴史とこれから…。日本の農業の抱える課題は山積みで特効薬はないけれど、混迷する農政のあり方を正し、透明性のある直接支払い型の農業支援、生産物の付加価値を高め生産者が下流の価格形成にも関与する取り組みなどを示している。
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理解が追いつかなかったので、しばらくしたら再読する。自給率の算出法の問題点などのよく知られた問題も押さえた上で、担い手問題などを農政に絡めてまとめられている。基礎知識が無いと少し難しい。
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先生に近年の著作の中では一番手ごろかつエッセンスが濃縮されている感じ。農業に関心があるけど専門書を買う機会がないと言う人にはとてもいいかも。
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