雨の日のアイリス の商品レビュー
ストーリーはすごく好きなんだけど、どうしても途中で違和感を感じるところが出てきた。 明らかに自意識の芽生えているロボットが多数存在している世界にも関わらず、それが世間の注目(問題)になっていないのが最大の問題で、人間の認識が甘すぎるという展開が目立っていた(例を上げれば公開処刑)...
ストーリーはすごく好きなんだけど、どうしても途中で違和感を感じるところが出てきた。 明らかに自意識の芽生えているロボットが多数存在している世界にも関わらず、それが世間の注目(問題)になっていないのが最大の問題で、人間の認識が甘すぎるという展開が目立っていた(例を上げれば公開処刑)これは感情を宿したロボットが出始めた頃に出る問題であって完全に普及した世界でここまで杜撰で認識の甘い組織や人間がいるというのは流石に信じたくない。 まあ、ロボット三原則よりさらに杜撰な原則な時点でどうしようもない世界なのかも知れないが。 それでも 「となりの家の猫型ロボットが悪さをして警察に射殺されてたよ昨日テレビでやってた」や 「それじゃあ、君たちもういらないからひとりずつ並んで踏みつぶすわ、他のロボットもそこで見てな」 というのが平然と行なわれる世界は想像したくもない。 自意識が芽生えたロボットがアイリスが初めてであったならこの違和感がなかったんだろうが、それだと物語が成立しないし、仕方ない。 ストーリーはすごく好きだっただけに気になるところが多い作品だった。
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アイリスがとても愛されていて、それだけに悲しくて、最後は少しだけ前向きになる話。 よくあるといえばそうだが、ロボットであるアイリスだからこそのシーンと展開に、何度か胸が締め付けられた。 てか、辛い。 ある意味グロ描写なのでダメな人はダメなのかもしれないが、最後まで息つく暇を与え...
アイリスがとても愛されていて、それだけに悲しくて、最後は少しだけ前向きになる話。 よくあるといえばそうだが、ロボットであるアイリスだからこそのシーンと展開に、何度か胸が締め付けられた。 てか、辛い。 ある意味グロ描写なのでダメな人はダメなのかもしれないが、最後まで息つく暇を与えない展開で一気に読み終えた。
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話自体は面白かった。けれど直前にカレルチャペックの「R.U.R」読んだせいで、「ロボットに心ぉ?ねえよwwwwww」みたいな穿った見方をしてしまい、楽しめなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
産経ニュースの記事http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110516/ent11051611380007-n1.htmを見て購入に至る。 本作品は電撃文庫の新人発掘のコンテスト電撃ゲーム小説大賞の4次選考作品。入賞作品ではないけど、刊行に至ったのは編集者の意向だったみたい。それによって大幅に改稿したようだ(詳しくはあとがきを参照)。 さて、以下あらすじ。 ウェンディ・フォウ・アンヴレラ博士が所有する家政婦ロボットのアイリス(すでに死亡している博士の妹の名前と姿を模した少女)はオーヴァルで博士との生活を楽しんでいた。ところがある日、博士は帰らぬ人となってしまう。自殺も考えたアイリスだが結局彼女はロボット管理局に引き取られ、その身体が解体されてしまった。 やがてアイリスは中古のロボットパーツを組み合わせた作業用ロボットの姿に変えられ、廃材撤去に従事する(彼女のメモリーは少女の姿のときから続いている)。最初は何が何のことかさっぱり分からなかったアイリスも、現場で知り合ったリリスという少女型ロボットや、寡黙なボルコフ(元軍用ロボット)と交流を深めていく。 しかし彼らの目の前で、他の作業用ロボット—労力として使えないもの—が廃棄=解体される。他のロボットの「シニタクナイ!」という断末魔に恐怖するアイリス。アイリス、リリス、ボルコフはこれを契機に、廃材現場からの脱走を図る。ボルコフ、リリスの犠牲を経て、何とかオーヴァルに帰ってきたアイリスも、バッテリー残量がゼロとなり、オーヴァルの女神像の前で力尽きてしまう。 それから二週間後、アンヴレラ博士の教え子であるラルフが、アイリスの残骸から精神回路を取り出し、博士があらかじめ用意していたというアイリスのスペアの身体に取り付けたことで、アイリスは再び少女の身体を取り戻した。 アイリスは、博士の遺書(の草稿)を読み、自分の過去を知る。彼女はアンヴレラ博士が作ったのではなく、博士が拾ったロボットだった。その身体には多数の虐待の跡があった。 そして、アイリスの「以前の身体」から見つけたキャッシュカードと地図を見てリリスを救う。彼女たちは再び、家政婦ロボットとしてのびのび暮らしていく、というお話。 最初の産経の記事や表紙のイラストでは『イヴの時間』みたいなのかな、と思っていたが、内容はそれよりもかなりシビア。何たって日本を舞台にした物語ではない。なおかつ、人間よりも人間らしいロボットの物語だった(だって、ロボットが手首を切って自殺しようとするだなんてシュールすぎる)。おまけに廃材現場で監督している人間のほうがよっぽどロボットらしかったりする。そしてアイリスの解体シーンの描写はくどいな、とさえ思った。 途中、『真夜中の読書会』と称して、廃材現場にあった児童文学をアイリスがリリス、ボルコフに読み聞かせるシーンが続くが、何だかページ数を稼いでいるような気さえした。リリスも、ボルコフも、文字が読めないらしいのに、児童文学に興味が湧くという設定はいかがなものかと。最後の新聞記事やら博士の遺書(手紙)もページ数稼ぎのような。アイリスの語りでもよかったような気がする。 あとがきにも書かれているけど、本作品は「破壊と再生」がテーマ。ただ、この手のテーマは『攻殻機動隊』の頃からあるから新鮮さはさほど感じない。何というか、彼女のメモリーが傷つかないでいること、身体を変えてもメモリーは残っていることは、多少都合がよ過ぎないか、と思った(その他にもご都合主義的なところはあったが、それがアイリスにとっての救いでもある)。 久しぶりにラノベを買って思ったが、最近のラノベは挿絵の数減ったような気がする。気がするだけ。
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面白かったよ! 主人公はメイドロボでご主人様大好きな僕っ娘ですよ. というわけで,感情あるロボットと人間の暮らす世界の話でございます. ロボットのアイリスとご主人のアンヴレラ博士の日常を描いた物語 だと思って読むととんでもない事になりますよ. 結構暗くて重い話でござ...
面白かったよ! 主人公はメイドロボでご主人様大好きな僕っ娘ですよ. というわけで,感情あるロボットと人間の暮らす世界の話でございます. ロボットのアイリスとご主人のアンヴレラ博士の日常を描いた物語 だと思って読むととんでもない事になりますよ. 結構暗くて重い話でござるよ. ロボットを解体したりスクラップにしたりと残酷表現があったり 理不尽な命令に従うしかないロボットとか 人間よりも人間味溢れるロボット同士の交流とか・・・. いやー,良かった. これで電撃小説大賞4次選考突破作ということで大賞じゃないのが不思議でならない. こういう話は結構好みです.
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ロボットが人間のような精神を持つ時代。最後まで愛されたロボット、アイリスが経験した3ヶ月という短くも長い時間は彼女に様々なものを与えていた。 アイリスが解体されていく場面はとても生々しく、思わず引き込まれた。そこからのあり合わせの体に押し込められ、労働を強いられ、逃亡するま...
ロボットが人間のような精神を持つ時代。最後まで愛されたロボット、アイリスが経験した3ヶ月という短くも長い時間は彼女に様々なものを与えていた。 アイリスが解体されていく場面はとても生々しく、思わず引き込まれた。そこからのあり合わせの体に押し込められ、労働を強いられ、逃亡するまでの場面は人の醜さが浮き彫りにされていた。 文字で表現するのが難しいが、とても面白かった作品だ。
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