なずな の商品レビュー
弟夫婦の赤ちゃんを預かった初めての子育て記。 平凡だった世界もなずなを通してみればなんとまあ美しい。 我が子達が赤子だった頃の、数年前の写真を見返してしまったよ。 お風呂のなかで「ほっ」と言っていたっけ。
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四十代独身男性菱山が弟夫婦の新生児を預かり育児に奔走する物語。菱山は慣れない育児に四苦八苦しつつも、職場であるタウン誌の同僚や、自宅マンション一階に入るカフェ兼居酒屋美津保で出会った人たちの力を借りながら、姪なずなと共に生きていく。 劇的な展開や結末があるわけではないけど、読んで...
四十代独身男性菱山が弟夫婦の新生児を預かり育児に奔走する物語。菱山は慣れない育児に四苦八苦しつつも、職場であるタウン誌の同僚や、自宅マンション一階に入るカフェ兼居酒屋美津保で出会った人たちの力を借りながら、姪なずなと共に生きていく。 劇的な展開や結末があるわけではないけど、読んでいる間、登場人物たちと共に生きているような感覚にさせてくれる心地の良い本。 ちなみに美津保は都市社会学者レイ・オルデンバーグいうところの「サード・プレイス」の典型といえると思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なずなちゃんの様子と、見守る人々があたたかい。 菱山さん、立派な保護者しててすごい。期間限定で、我が子ではないという特別な緊張感や責任感はもちろんあるだろうけど、なずなちゃんへの感性がとてもいい。
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赤ちゃんのいる暮らしそのものな物語だった。何が起こるわけじゃないけどみずみずしくて眩しさが満ちている日々。今思えばこんなに尊い日々はない。こうやって文章にしてもらうとそれをまざまざと感じる。赤ちゃんって神々しい。自分にも周りにも愛を生む。こうであってほしいけどね、世の中。
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この「なずな」というのは、主人公の弟の娘の名前 独身の40前後の男性主人公が、急にこの生まれて間もない姪の面倒をみなければならなくなります。 まず最初に、夜中の授乳やおむつ替えなどで睡眠不足になり、ボヤを起こすシーンから始まります。 赤ちゃんの食事は3時間に一度、夜でもやってき...
この「なずな」というのは、主人公の弟の娘の名前 独身の40前後の男性主人公が、急にこの生まれて間もない姪の面倒をみなければならなくなります。 まず最初に、夜中の授乳やおむつ替えなどで睡眠不足になり、ボヤを起こすシーンから始まります。 赤ちゃんの食事は3時間に一度、夜でもやってきますもんね。 そういう一人子育てを、近くの小児科医や、そこの娘(看護師)さんに助けてもらいながら、少しずつ主人公も変わっていく話です。ローカル日報紙記者としての地域の話もこまごまと出てきてそこも楽しめます。 弟の妻は、産後一ヶ月ほどで感染症かもしれない原因不明の病気になり入院。 弟はツアーコンダクターで海外で交通事故に遭い入院。 他の親戚にもみてもらえない諸々の事情があり、主人公のところにやってきた。 その時まだなずなは2ヶ月! 主人公は地方の、3日に一度発行する新聞に記事を書いていて、普段は出社し取材にでかけたりしていたところを、在宅ワークにしてもらい、赤ちゃんにミルクを定期的にあげながら、記事を書く仕事をしている。 最初は睡眠不足で疲労し、それでもだんだん子供の成長とともに楽になり、そして日々少しずつ確実に大きくなっていく赤ちゃんを、細かに表現しています。 ベビーカーで散歩に行くと近所の人と話すようになったり、ベビーカーとともに取材に行ったりもします。 新聞取材も少しずつ身近なものの見る目が変わってきて、面白い記事になっていくのです。 一ヶ月ほどの赤ちゃんの成長を、これほど具体的に、そして感情的になったりせず見ることができるのも伯父だからかなぁと思いつつ、その細やかな描写にリアルな子育てを感じます。 最初の涙、最初の発声、あー、とかおーおー、とか、あ、お、とか。 もともとハードカバーで買ったのですが、あまりの分厚さに読む気になれず、きれいな装丁の本は本棚で飾られるだけだったのを、先日の堀江敏幸さんの別の本をきっかけに読みたくなり、文庫本を買って読みました。 この装丁、堀江敏幸さん自身の装丁だそうです。 だれかのらくがきなのか、それ風なのか・・・・・・
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海外で事故に見舞われて帰国できなくなった弟と、大病を患った彼の妻に代わって、新生児の姪っ子「なずな」を一定期間育てることになった記者、菱山秀一。決して社交的な性格ではないけれど、近所に住む心優しい人々の力を借りながら、真摯になずなと向き合い、未経験の子育てに奮闘する。彼がなずな...
海外で事故に見舞われて帰国できなくなった弟と、大病を患った彼の妻に代わって、新生児の姪っ子「なずな」を一定期間育てることになった記者、菱山秀一。決して社交的な性格ではないけれど、近所に住む心優しい人々の力を借りながら、真摯になずなと向き合い、未経験の子育てに奮闘する。彼がなずなと過ごした期間はほんの数ヶ月なのに、この本は実に436頁。たわいもない日常の中で、周囲の人の温もりを感じる出来事を丁寧に大切に掬い取って描いている。新生児の肌の柔らかさのようにふわっと読者を包み込んでくれるような作品。 最後まで読めたり読めなかったり、相性の波がある堀江敏幸氏の作品。まだわたしには早かったかなあと思うこともしばしば、それでもどうしても気になってしまって堀江さんの作品を見つけると性懲りも無くつい手に取ってしまう。この本はちゃんと最後まで読めた。未婚男性の育児奮闘記ではあるのだけれど、いかにも奮闘記然とした暑苦しさは一切なく、淡々と、静かに、ここは永遠に春ですか?って感じの清らかさを携えて物語は進んでいく。さらさらと。暑苦しい育児奮闘記とか最悪だもんね、「わたし頑張ってます!!!どうすか!!!!!」みたいな。んなもんみんなそれぞれ頑張ってんだよって言いたくなる。 わたしもこんな温かい人たちに囲まれて子育てできていたら、幸せだっただろうなあ。菱山氏は、はなから自分一人でなんとかしようと意固地になることなく、周囲の優しさや気遣いをありがたく受け止めて、若干お節介と思うようなことでも拒絶するのではなく苦笑いしながらきちんと感謝する。必ずしも自分が求めている形ではなくても、手助けしようとしてくれる人々の行為の裏には確実に善意があるということを、菱山氏は忘れないからだと思う。他人は自分が思った通りには動いてくれない。違うそうじゃない、というやり方でびっくりするような方向から手を差し伸べてくる。それでも、その裏にある善意に意識を向けられれば感謝できるし、助けを求めることができる。なかなか難しいけれど、、、少なくともわたしはできていなかった。違うそうじゃない、って悶々とするばかりだった。未熟だったんだなあ、今もだけど、今とは比較にならないほど、もっとずっと未熟だったなあ。
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特に何も起きない。そんな日常が工夫とユーモアと周囲の助けでできている。素敵な話。 新聞記者の叔父が、3ヶ月の姪っ子、なずなの子育てをする。日々の生活の中で、子どもの成長を感じ、自分自身の変化を感じる。赤ちゃんを通して見えてくる事や、周りの人からの親切や手助けに感謝して、今までよ...
特に何も起きない。そんな日常が工夫とユーモアと周囲の助けでできている。素敵な話。 新聞記者の叔父が、3ヶ月の姪っ子、なずなの子育てをする。日々の生活の中で、子どもの成長を感じ、自分自身の変化を感じる。赤ちゃんを通して見えてくる事や、周りの人からの親切や手助けに感謝して、今までより濃密に接し生活していく。 とても分厚いが、のんびり読みたい本。 撫でたいくらいの菜だから、撫菜が転じてなずな、になった ベビーカーを押すくらいの精神的余裕を保て
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訳あって弟夫婦の生後2か月の娘・なずなを預かることになったローカル新聞社の記者・菱山秀一の2か月足らずを描いた「保育」小説。 大きな事件も、刺激的な出来事もない、ただミルクを飲んで、爆裂して、眠るだけのなずなと、突然の状況に戸惑い慌てる44歳・独身の菱山さんの日々が、作者ならでは...
訳あって弟夫婦の生後2か月の娘・なずなを預かることになったローカル新聞社の記者・菱山秀一の2か月足らずを描いた「保育」小説。 大きな事件も、刺激的な出来事もない、ただミルクを飲んで、爆裂して、眠るだけのなずなと、突然の状況に戸惑い慌てる44歳・独身の菱山さんの日々が、作者ならではの心地よい言葉で丁寧に綴られる。 授乳とおむつの取り換えで満足に眠れず、風呂にもゆっくり入れず、目の下にデーゲームの野球選手ほどの黒さでクマをつくって保育に明け暮れる菱山さん。彼を温かく見守り、手助けをする近所の人たちとのやり取り、赤ん坊を連れて歩くことで垣根が低くなり、そこから生まれる町の人々との人間関係が実にいい。 「弟夫婦に返すまでの期間限定だから育児を楽しめるのだ」というシニカルな見方もあるだろう。だけど、なずなの小さな変化も見逃さず、保育を愉しむ菱山さんの姿勢と、なずなによってもたらされた自らの成長を受け入れていく彼のありようがとてもいい。 こんな子育てができたら、孤独にさいなまれ、イライラし、子供にあたることもなくなるだろうに・・・と羨ましくなる。 年末年始にかけてこの物語をゆっくり読んでいる間中、おっぱいを飲んでは湯気を上げ、おなじように爆裂していた小さな存在を懐かしく思い出し、とても幸せな時間を過ごせました。
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ずっと育児している本です。地方紙の記者が主人公なのでそれなりに何かが起こりそうな感じなのですがひたすら子育てです。 弟夫妻が2人とも怪我と病気で育児出来ず、叔父として0歳児の育児をするという本です。かなり分厚いので結構時間掛かりましたが、なずなちゃんの顔が思い浮かぶくらいにひたす...
ずっと育児している本です。地方紙の記者が主人公なのでそれなりに何かが起こりそうな感じなのですがひたすら子育てです。 弟夫妻が2人とも怪我と病気で育児出来ず、叔父として0歳児の育児をするという本です。かなり分厚いので結構時間掛かりましたが、なずなちゃんの顔が思い浮かぶくらいにひたすら育児の事で500P弱を読まされます。 自宅で仕事をしながら子育てしているのですが、周りにいい人が沢山居てその協力を仰いてどうにかこうにか乗り切ります。魅力的なご近所さんたちに助けられて胸が温かくなること請け合いの本です。 大事件が起こるわけでもなく、刺激的な事は全然出て来ないです。心が凪いだ状態でこれだけのボリューム読ませるのは大したものです。叔父が姪っ子を一時的に育てるなんて言ったら最終的に姪を手放し難くなるまでの感動話を想像します。しかし繰り返し言いますがほぼ事件は無いです、ミルクをあげて散歩してオムツを変え寝かしつけて、熱を出してはおろおろし、うんちの色がいつもと違っていればびくびくする。ずっと育児です。 なずなちゃんの成長が紙面から立ち上がるかのようで、僕もご近所さん気分で読みました。うーんいい本でした。
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赤ちゃんを預かり世話をすることになった独身男性の話。とはいえハプニングは特になく日常の描写が続く。それでも日々確かに赤ちゃんは成長するし周囲も主人公も変わっていく。世の中ってそういうものだと思うけど、そういうものをそういう感じで淡々と描写していく本。退屈っちゃ退屈だけどね。。。で...
赤ちゃんを預かり世話をすることになった独身男性の話。とはいえハプニングは特になく日常の描写が続く。それでも日々確かに赤ちゃんは成長するし周囲も主人公も変わっていく。世の中ってそういうものだと思うけど、そういうものをそういう感じで淡々と描写していく本。退屈っちゃ退屈だけどね。。。でも、こういうレベルでの世界の機微を表現するのってなかなか無い。そこはすごいと思う。
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