草祭 の商品レビュー
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草祭 「美奥」という地域で繋がっている連作短編5編です。 幼い頃に偶然迷い込んでしまった異界の空間のお話、「けものはら」。「けものはら」の主人公の同級生が異界の街に迷い込み、そこである役目を担うことになる「屋根猩猩」。「美奥」の成り立ちが語られる「くさのゆめがたり」。全身全霊をかけて臨む「苦解き」のゲームのお話、「天化の宿」。訪れる人の記憶が影響を与えるという町「朝の朧町」。 「夜市」ですでに完成されている独特の語り口を使って様々なアイデアが盛り込まれた幻想譚。これが恒川氏の作家としての限界なのでしょうが、その職人のような技に今後も触れたいと竹蔵は思います。 できれば、異界の空間をもっと緻密にもっと壮大に描くシリーズを期待します。 竹蔵
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美奥という土地が舞台の短編集 恒川さんの作品は、不思議で懐かしくもあり なんと表現したらいいのか分からないような ふわふわした気持ちになります 現実と異界の境界 本当にこんな事があるんじゃないか こんな場所があるんじゃないかと思わせる ワクワクします けものはら 星4 良かった 好きな感じ 屋根猩猩 星4 話が軽く繋がってるのも楽しい これもとても好み くさのゆめがたり 星3 美奥=美しい山奥 なるほど 天下の宿 星2 ちょっと難しかったかな 朝の朧町 星2 香奈枝さんは美奥に行き、美奥の人と 結婚して、その人との間にできた子供が けものはらにでてくる佐藤愛か
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恒川さん2冊目読破 読書中は幻の中にいるような感覚。そう言えばあのシーンはどこの短編集だっけとペラペラめくるが見つからず。違う本なのか?それともそのシーンそのものが幻だったのか。まあ良いやと読み進めながらもズボズボ沼にハマっていく感覚。私の好きなスタイルをとことん書き続けてくださ...
恒川さん2冊目読破 読書中は幻の中にいるような感覚。そう言えばあのシーンはどこの短編集だっけとペラペラめくるが見つからず。違う本なのか?それともそのシーンそのものが幻だったのか。まあ良いやと読み進めながらもズボズボ沼にハマっていく感覚。私の好きなスタイルをとことん書き続けてくださる恒川さんに出会えてよかった。
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複数の世界が地続きになっていて、その境界は曖昧。夢の中の出来事のようだけど、闇が巣食うのは人の心に他ならないと考え至るところは重たい。しかし、猩猩さんの話は可愛らしくていい。
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「美奥」という土地にまつわる短編集。どれもこれも面白い設定。 次々とめくるページがとまらずに読み進め、これといったオチもなく物語が急に終わってしまったかのよう。終わった後のさみしさ。 どれも面白かったですけどいじめに会っている女子高生が出会ったタカヒロという不思議な少年が、いじめている女子高生に復讐する「屋根狸狸」が面白かった。 最後の「朝の朧町」は、冒頭に出てくる愛という娘は誰でしょう?子供いたの?、香奈恵と長船さんとの子供だったのでしょうか? 恒川さんの短編集は他にも読んでいますが、やっぱり「夜市」が1番面白いです。 他の皆様のレビューを読んで、とても深く読み込んでおられる方もいて、反省。 恒川さんの文章は、ひとつひとつの表現が上品で丁寧なので もっとゆっくりしみじみと味わいながら大切に読まないといけない作家さんですよね。
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「夜市」を読んだのはずいぶん前のこと。 あの、不思議な感覚は、その後、どの本とも一致することはなかった。 〈美奥〉という場所での不思議な出来事を綴った、作者独特の5篇の連作短篇集。 現実と幻想の境界が曖昧になるとき、“それ”は起こる……。 でも、どの物語でも“それ”が起こるも...
「夜市」を読んだのはずいぶん前のこと。 あの、不思議な感覚は、その後、どの本とも一致することはなかった。 〈美奥〉という場所での不思議な出来事を綴った、作者独特の5篇の連作短篇集。 現実と幻想の境界が曖昧になるとき、“それ”は起こる……。 でも、どの物語でも“それ”が起こるもとは、“ひと”の業……。 夏の夜の生温く冷たい風のようなお話。
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恒川さんワールド全開の短編集で、本当に面白かった! ホラーというよりもファンタジー色が強く、不思議な世界に浸れました 特に好きなのは、屋根猩猩。会話のテンポが面白く、皆仲直りでいい展開で終わるのかと思ったら、最後の展開に驚いた。背筋がゾクッとしました!
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「美奥」という途中での連作短編集。 不思議な話にノスタルジックな風味が足された作品。 安定の恒川光太郎ワールド
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この世界のひとつ奥にある美しい町〈美奥〉。 日常のすぐ側に存在していそうな不思議な場所。 そこは少し怖いのに、ノスタルジックで死さえも自然で美しく、どこか惹かれてしまう。 行ってはいけないけど行きたくなるような…そんな感じ。 美奥のはじまりの話、「くさのゆめがたり」が特に好き。
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〈美奥〉という町のお話5つ。こちらも容赦無いけれど、暮らす世界からすぐ隣にあるような気がする不思議な世界でした。山深い森の奥にありそう。 恒川さんのお話は時代ものの空気が強いのが特に好みかもしれない、と気づいた〈美奥〉のはじまりのお話「くさのゆめがたり」が好きです。春沢は廃れたけ...
〈美奥〉という町のお話5つ。こちらも容赦無いけれど、暮らす世界からすぐ隣にあるような気がする不思議な世界でした。山深い森の奥にありそう。 恒川さんのお話は時代ものの空気が強いのが特に好みかもしれない、と気づいた〈美奥〉のはじまりのお話「くさのゆめがたり」が好きです。春沢は廃れたけど、〈美奥〉として再生したんだろな。 前に読んだときはたしか「天化の宿」で行われたカードゲーム「天化」がすごく気になりました。このお話の結末も好きでした。 再生…同じ形のときもあれば違う生命だったり。クサナギ、動物になる人と化け物になる人となにか違いがあるのだろうか。。
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