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ナニワ・モンスター の商品レビュー

3.4

213件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    73

  3. 3つ

    85

  4. 2つ

    26

  5. 1つ

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2012/08/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

バチスタ・シリーズの番外編でもあり、また地方と中央の軋轢を寓話の形で描いた物語でもあり、それらの全ての根底に「医療」というテーマが横たわっています。 個人的に、大好きなキャラである斑鳩室長が活躍(?)するので楽しく読むことができました。 内容的なものの評価については、インフルエンザによるパニックとそれによる経済封鎖、日本三分の計などの個々のアイデアを羅列しただけで、物語としてのまとまりに欠けるという印象を受けました。 とはいえ、起きている出来事にスピード感やカタストロフが求められるのはあくまでも小説や映画の「作り話」に対してであって、現実に起きる出来事というのは多く、まとまりもなく、だらだらと続いて、特に盛り上がりもないまま収束していくものです。そういう意味では、とてもリアルな小説だといえるかも知れません。

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2012/08/09

ああ・・・やっぱりまたその話かい・・・しかし、あああ~、そうなってしまうのかい・・・!まぁ、凄いといえば、凄いんですけどね~。

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2012/07/15

さすが海堂尊!いつもまずハズレはないけど、この作品も平均レベルを大きく超えている。言葉の論理を積み上げて行くやり方は相変わらず、楽しくてお見事。桜宮や極北が出てきて、海堂ワールドの物語に入り込めて大変良い。

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2012/07/08

浪速府の革命知事、村雨の話。医療立国を目指し、中央からの独立を目論む、そのモデルとなっているのは橋本知事か。その村雨を支える二大巨頭が医師界のスカムラージュ彦根と司法界のカマイタチこと鎌形。医療による司法の監視を目指す彦根の目に映るのは、日本三分の計だが、そこに警察庁の沈黙狂犬(...

浪速府の革命知事、村雨の話。医療立国を目指し、中央からの独立を目論む、そのモデルとなっているのは橋本知事か。その村雨を支える二大巨頭が医師界のスカムラージュ彦根と司法界のカマイタチこと鎌形。医療による司法の監視を目指す彦根の目に映るのは、日本三分の計だが、そこに警察庁の沈黙狂犬(サイレント・マットドック)こと斑鳩芳正が巧妙に絡んできてーーー。医療と司法の境界線上に現れた新領域、善意と悪意がクロスオーバーするAiを巡る争いはまだまだ続くが、アリアドネの弾丸とパラレルで進んでいる物語であり、ここ最近の海堂さんのテーマである「医療による司法の監視」が加速化して行く。 アリアドネの弾丸で、高階・島津・田口が桜宮岬でAiセンターの前に佇んでいた2人のシーンと対をなす形で、村雨・彦根がAiセンターを前にそれぞれの思惑を胸の中に秘めながら佇むシーンが象徴的。それを背後から密かに観察する、斑鳩の不気味な気配は残ったまま、最後の鎌形からの意外な要求に、この先のいばら道が想像される。

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2012/06/29

地方自治の道に進まざるを得ない、縮む日本の解決策が書いてある。例えば扶養控除を西日本は復活するとかもありだな。霞ヶ関はもはや機能不全になりつつあるしな。中央集権構造ももはや寿命が近い。

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2012/07/11

浪速市で展開する思いがけない事件。 浪速診療所は菊間徳衛が昭和40年代に開いた。 今は息子の新一が院長、徳衛は名誉院長として特別外来を受け持ち、常連の話し相手となっている。 浪速市医師会の講演会に、浪速大学の講師・本田苗子(みつこ)を招くことになった。 新型インフルエンザ・キャ...

浪速市で展開する思いがけない事件。 浪速診療所は菊間徳衛が昭和40年代に開いた。 今は息子の新一が院長、徳衛は名誉院長として特別外来を受け持ち、常連の話し相手となっている。 浪速市医師会の講演会に、浪速大学の講師・本田苗子(みつこ)を招くことになった。 新型インフルエンザ・キャメルの実態がテーマ。 免疫がない新型のため、アジア各国で猛威をふるっていて、日本での流行が心配されると。 キャメル・ファインダーという開発されたばかりのインフルエンザ・キャメルの迅速検出キットも配られた。 やがて、本田苗子はテレビに出て、時の人となる。 ついに発症者が出ると、水際で食い止めようという作戦が日本全体で展開される。 空港で足止めされたり、修学旅行が中止になったりという騒動に。 どこかおかしいと思う人も出るようになるのだが… 浪速診療所で患者が出るが、海外旅行など行ったこともない普通の子ども。 これは既に、インフルエンザ・ウィルスが日本に入っていることを示す。 診療所は一時閉鎖の憂き目を見て、患者の家族もこの町に居づらくなるほどの空気に。 しかし、しばらくたっても重傷者や死者は出ず、普通のインフルエンザより弱いぐらいとわかってくる。 一般にこの事実が広まるには、時間がかかるのだが… 一部は、以前に実際にあった騒動を思い起こさせます。 日本人の熱中する性格やきれい好きが高じたような~ちょっと的はずれなような気はしましたっけ。 え、あれは… どうなったんだっけ…まさか?!? 独自な動きをしようとしていた浪速市を、経済的に孤立させようという包囲網だったというのが、この本の展開。 おなじみ白鳥や、その周りの人間も登場します。 浪速地検に赴任してきた鎌形雅史や、浪速府知事の村雨らの政治的な動きも、どう絡んでくるのか、スリリング。 医療界のスカラムーシュ(大ぼらふき)彦根新吾は、村雨知事を九州のとある小さな町、舎人町に案内する。 小規模だからこそ出来る理想的な運営の一つの形。 町長の真中ゆう子は、保健福祉センターの事務局長でもあった。 彦根はさらに、東北の万台市へ彼らを案内。 そして、青葉県庁の新村知事のもとへ。 ここですぐに決着がつく規模の話ではないんですが~。 意欲的な知事や、そのブレイン、道州制をめざす理由と、可能にするための作戦とは。 誰やらを思い起こさせるキャラクターの真実は? 斬新で面白い部分と、眉に唾を付けたくなるような部分と。 桜宮サーガ、どこへ行く? 日本がこのままで良いかという問題意識があるなら~読んで損はないかも。 2011年4月発行。

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2012/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

医療と司法の対立は過去の海堂作品に描かれていましたが、 今回はこれに行政も絡んできます。 そして新たに個性が強いキャラクターも登場します。 過去作品を読み、登場人物たちの立ち位置や利害関係などを把握していた方が、 よりこの作品を楽しめると思います。 キャメル騒動と大阪地検特捜部がどこでどう繋がるのだろうと 興味を持って読み進めていきました。 次への伏線も気になりながらそれなりに面白く読めましたが、 強引に話を結んでしまったように感じられ、正直物足りなさが残ってしまいました。 “ブレイズメス1990”で出てきた“スリジエ・ハートセンター”。 それが頓挫した経緯にチラッと触れていて、 「そうなのか!?」と次が気になって仕方ありません。

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2012/06/18

 久しぶりに海堂さんの作品を読んだ。強烈なキャラに疲れるかなと思っていたのだが、意外に読みやすくて、最後まで面白かった。  とうとう政治分野にまで進出してしまったか…という気もしたが、検察はこれまでの流れからすると、出てきそうな分野だったのでなるほどという気がした。ここまで膨らま...

 久しぶりに海堂さんの作品を読んだ。強烈なキャラに疲れるかなと思っていたのだが、意外に読みやすくて、最後まで面白かった。  とうとう政治分野にまで進出してしまったか…という気もしたが、検察はこれまでの流れからすると、出てきそうな分野だったのでなるほどという気がした。ここまで膨らませて、どう収まりをつけるんだろうなぁ。

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2012/06/17

一体この話し、この世界はどこに行くのか?パラレルワールドのSFとは知らなかった。県の名前が変。最初から医療の問題を取り上げていたが完全に政治シミューレーションSF小説に変貌していて驚いた。

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2012/06/14

とにかく政治家って最悪だな、とあらためて思ってしまった。こんな日本で本当に未来はあるのか?と不安に。突破するにはやはり、この本に出てくるような強靭な救世主が必要だ。大阪市長の顔もちらほら浮かんできて・・・一般人も自分で考えていかないといけないのかも。

Posted byブクログ