やさしいため息 の商品レビュー
毎日同じようなことの繰り返し、代わり映えのしない起伏のない日々。日常生活の手ごたえのなさや、とりたてて希望の持てない明日にふと寂しさをおぼえたり、不安を感じたりするなんてことは、多かれ少なかれ誰にでもあることでしょうネ。そんな感情の微妙な揺らぎが、ごくありふれた言葉で、巧みに表現...
毎日同じようなことの繰り返し、代わり映えのしない起伏のない日々。日常生活の手ごたえのなさや、とりたてて希望の持てない明日にふと寂しさをおぼえたり、不安を感じたりするなんてことは、多かれ少なかれ誰にでもあることでしょうネ。そんな感情の微妙な揺らぎが、ごくありふれた言葉で、巧みに表現されています。 併録されている短篇「松かさ拾い」は、とても静かな物語でした。作家がひとつの物語を書くとき、その動機はいったいどこにあるのだろう?と、ふと気になるような小説でした。磯崎憲一郎氏との特別対談も、すごく興味深い内容でした。
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小説のコツをわかってる人が、「こうすればいいんでしょ?」って書いた感じ。 でもセンスがいいから、それでどうにかなっちゃってるっていう。 キャラクターが鮮やかで、セリフがおもしろく、見栄えのする設定もあって。 『ひとり日和』のおばあさんとの生活しかり、『やさしいため息」の弟の観察日...
小説のコツをわかってる人が、「こうすればいいんでしょ?」って書いた感じ。 でもセンスがいいから、それでどうにかなっちゃってるっていう。 キャラクターが鮮やかで、セリフがおもしろく、見栄えのする設定もあって。 『ひとり日和』のおばあさんとの生活しかり、『やさしいため息」の弟の観察日記的ノートしかり。 肌触りがいいんだよね。 でも、空疎。 煮詰まってないイチゴジャム。 女の子っぽくて、かわいくて、それだけ。 綿矢りさみたいに過剰ではない孤立感に、共感はできる。とても。 陰湿じゃないんだな。ねじれてない。 OLの「わたし」がお昼をひとりで食べるところも、会社の飲み会に憂鬱になるところも。 島本理生もそうだけど、若い女は恋愛を描くのがすきだなぁ。 でも島本理生のように少女趣味ではない。大人の恋愛。 ストーリーもご都合主義じゃなく、抑制されていた。
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単調で平坦なモノクロの毎日に、少しだけ彩りが加えられるお話。 全体的に水彩絵の具で描かれたような、ぼんやりとした優しくて柔らかい雰囲気で描かれていて好きでした。 ただどの登場人物にも感情移入できなかったのと、あまりに出来事が起こらな過ぎて(多分そこも魅力なのかもしれませんが)個人...
単調で平坦なモノクロの毎日に、少しだけ彩りが加えられるお話。 全体的に水彩絵の具で描かれたような、ぼんやりとした優しくて柔らかい雰囲気で描かれていて好きでした。 ただどの登場人物にも感情移入できなかったのと、あまりに出来事が起こらな過ぎて(多分そこも魅力なのかもしれませんが)個人的には少し苦手かな。 もう一遍も「松かさ拾い」も同じくとてもやわらかい雰囲気で描かれていました。このラストシーンの映画館の描写がお気に入り。
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今の若い人には支持されやすい本なのかなぁとは思うけれど、肝心なことは言わなくて、重量軽くすべてを処理しようとするところが私には合わない。
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