やさしいため息 の商品レビュー
表題作、起伏のない代わり映えしない日々でも、その変わらない事が救いになるのかもしれない、と思いました。 他人の日常を記録する、ってえっと思いますが、風太はそこに自分の主観を入れずに淡々と記録しているので誰も嫌悪感みたいなものを抱かないのだろうな。勝手に幸せ・不幸せとか評価されてた...
表題作、起伏のない代わり映えしない日々でも、その変わらない事が救いになるのかもしれない、と思いました。 他人の日常を記録する、ってえっと思いますが、風太はそこに自分の主観を入れずに淡々と記録しているので誰も嫌悪感みたいなものを抱かないのだろうな。勝手に幸せ・不幸せとか評価されてたら嫌だけど彼はそれをしない。 どうしても物事をややこしく考えてしまう人はいるので、こうやって軽く「やってみればいいじゃん」みたいに言われると(やってみよかな)となれる気がします。やりたくない事は無理してやらなくていいけど。。 緑君、こういう人居るんだろうなと思いました。亀を飼っている所で、植物みたいなある人を連想しました。 「松かさ拾い」、主人公は苦しい恋愛ばかりしてるんだろうなと思いました。ナッツを口実にしているけど、小日向さんへも抑えつけてるだけで気持ちありそう。気付いてて付き合ってくれてる西君は優しいな。 ぼんやり読みましたが、どちらの主人公も幸せになってくださいと思います。妙に現実味が感じられたので、現実にいるこういう人たちも。
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うーん、なんとも言えない。どちらの話も主人公に感情移入できず、最後まで何を伝えたいのかよく分からなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人の作品に例えるのはどうかとおもいつつ、読み終わった後で島本理生「リトルバイリトル」を思い出した。ストーリーが似ているのではなく、個人個人で人生をおくる中でいろんなことは起きているのに、ごく身近な周囲以外は「いつもどおり」に過ぎていく。ミニマムな世界の、でも人ひとりにとっては大きな話。誰かが救われたり何かが変わるわけじゃない。ラスト、弟の所在にはぐっと来た。こういうオチを書けるのは才能だと思う。
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17/03/25 (22) 『ひとり日和』の延長のよう。さみしい人生。それでもふとつくため息はこんなにもやさしい。 ・「うん。じゃあとりあえず、さよならまどか。アディオス。アデュー。さよなら」 「はい。バイバイ」(P31 やさしいため息) ・靴を脱いだら、コンタクトをはずして...
17/03/25 (22) 『ひとり日和』の延長のよう。さみしい人生。それでもふとつくため息はこんなにもやさしい。 ・「うん。じゃあとりあえず、さよならまどか。アディオス。アデュー。さよなら」 「はい。バイバイ」(P31 やさしいため息) ・靴を脱いだら、コンタクトをはずして、服も脱いで、さっさとお湯につかって寝てしまおう。風太のノートなどもういらない。自分の生活がどう記録されようともう興味はない。本当の人生はこんなにもつれなくて、安全だけどもどこまでも不毛だ。(P109)
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やさしいため息というのは、呆れつつも受け入れてる状態だったり、良い意味で諦めがある場合につくため息のことだと思う。主人公も弟も今のままで駄目なことは分かっているけど、小説にあるように人は容易く変われない。でも、外部の働きかけや自分の意志でたまに普段と違う行動をとったりすることを繰...
やさしいため息というのは、呆れつつも受け入れてる状態だったり、良い意味で諦めがある場合につくため息のことだと思う。主人公も弟も今のままで駄目なことは分かっているけど、小説にあるように人は容易く変われない。でも、外部の働きかけや自分の意志でたまに普段と違う行動をとったりすることを繰り返して、少しずつ変わったり、変わらない部分は諦めがついていったりする。そうやって徐々に失望のため息からやさしいため息に変わっていくのが人間の成長なのかなと思う。自分が変わる順序としてまず諦めが必要な場合もある。主人公に自分と重なる部分がありすぎて嫌な汗が出るのを感じながらの読書だったが、この読書経験も自分の変化への1ステップだといいなとかそんなことを思った一冊。
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まどかは自分から人生をややこしくしてるなって。にこにこしてれば、たいていのことはうまくいくのに、なんでそういうことに気づかないんだろうって。 「ねえ、明日はいい日になると思う?」 2015/11/14
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冬のひだまりみたいな、静かな物語でした。 たしかに、風来坊な弟が登場して、誰かの人生を毎日綴り続ける、なんてちょっと変わった設定はありますが、基本的には何か大きな事件が起こるわけではなく、淡々とした日常が続いていきます。 人付き合いが得意ではない主人公が、職場での人間関係にも...
冬のひだまりみたいな、静かな物語でした。 たしかに、風来坊な弟が登場して、誰かの人生を毎日綴り続ける、なんてちょっと変わった設定はありますが、基本的には何か大きな事件が起こるわけではなく、淡々とした日常が続いていきます。 人付き合いが得意ではない主人公が、職場での人間関係にもやっとしたり、ちょっと気になる人ができたり、とにかく不器用なところに共感を覚えます。 青山さんの文章はたまにすごくリアルな質感を持っていてドキっとするのですが、気になる人にメールを送ろうか迷って迷って、えいっと送った後の表記とか、すごくわかるなー!と。 “送信ボタンを押した。押した瞬間、電波がこの狭い浴室の壁に跳ね返って、戻ってくればいいと心から思った。気づかないでほしい。いい返事がもらえないなら、返事もしないでほしい。“ 本書は表題の「やさしいため息」と、「松かさ拾い」の2作からなっています。 「松かさ拾い」の方が「一人でいる」ことの輪郭が濃くて、登場人物は他にもたくさんいるのに、青山さんのこうした「一人」に焦点が当てられた作風が疲れたときにはほっとします。 最後は磯崎憲一郎さんとの対談ですが、こちらも読み応えあっておすすめです。 小説をすこし、書いてみたくなる対談です。
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今まで受け入れていた日常の、すっぺりとした平板さに気付いた時、それをそのまま受け入れることが難しい時が、確かにあるなぁ、と思う。ただ私は、そこを通過してしまったとも思った。
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この人はいつもタイトルがきれいすぎる。 毎晩今日のこと聞かれたら かわりばえしなさすぎて語ることない。 平凡すぎる毎日に呆れるだけだ。
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青山七恵さんは『ひとり日和』が好きなのと私と同世代ということでこの小説を読んでみようと思いました。この方の文章はやっぱり好きです。後半に収録されている磯崎憲一郎さんとの特別対談もとても良く、私も小説書いてみようかな!!なんて思ってしまったほどです。
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