風待ちのひと の商品レビュー
こういう小説好きだなあとしみじみ思えるお話でした。 心のしんどさを抱えながら人を思いやることや、そのしんどさを自分なりに乗り越えたいと試行錯誤すること、自分ができることは頑張ってやること、相手にきちんと気持ちを伝える努力をすることなど、とても気持ちのよい時間を過ごせた。
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インフルエンザにかかり、手に取れる場所にある本はホラーやミステリばかり。 何だかなぁと思い、主人に『優しそうな感じの本を持ってきて〜』とお願いした所、本書を持ってきてくれました。 ちなみに主人は本はほとんど読まず、タイトルと表紙のイラストで『優しそう』な感じがしたんだとか。 病...
インフルエンザにかかり、手に取れる場所にある本はホラーやミステリばかり。 何だかなぁと思い、主人に『優しそうな感じの本を持ってきて〜』とお願いした所、本書を持ってきてくれました。 ちなみに主人は本はほとんど読まず、タイトルと表紙のイラストで『優しそう』な感じがしたんだとか。 病床の身にはピッタリな優しい大人の恋愛。 もちろん大人なので優しいだけではなく、シビアな現実の話も出てきますが、やはりこの本は優しい。 話の中に出てくる椿姫のオペラの曲、ラ・トラヴィアータを聴きながら読みました。 心の風邪をひいた哲司と一緒に、ノンビリした空間の中で私の体も少しだけ元気になった気がします。 膨大な積読の中から一冊を選ぶのは迷ったり悩んだり中々大変だったのですが、これを期にたまに主人にお願いして選んできてもらおうと目論んでいます。 新たな本の楽しみ方をまた一つ発見。
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「心の風邪」で休職中のエリート会社員の哲司とあけすけでおせっかいだが繊細で家族を失った心の傷を抱える喜美子という39才の2人の恋と再生の物語。舞台は三重県東紀州の「美鷲」。ストーリーもそうだが、町や家の描写など、小説全体がやさしい雰囲気につつまれている。舜をはじめ脇役もキャラが光...
「心の風邪」で休職中のエリート会社員の哲司とあけすけでおせっかいだが繊細で家族を失った心の傷を抱える喜美子という39才の2人の恋と再生の物語。舞台は三重県東紀州の「美鷲」。ストーリーもそうだが、町や家の描写など、小説全体がやさしい雰囲気につつまれている。舜をはじめ脇役もキャラが光っていた。ただ、最後の結末はちょっとご都合主義かな、と思ってしまった。
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内容紹介 “心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心...
内容紹介 “心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。 喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。癒えぬ悲しみを抱えたまま明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。 目利きがこぞって推薦! 書評家からの声、続々! チキン南蛮、椿姫、ガンダムプラモ 素敵なものがたくさん詰った一夏の体験で、男と女は魂の再生を果たす。 やり直せない人生なんてないと、この小説で知りました。―杉江松恋 人の人との心が解け合っていく過程を丁寧に、じんわりと描いて、やがてこちらの心 も柔らかくなっている。福々しい笑顔を持つ喜美子が最高に魅力的。―瀧井朝世 次の季節に踏み出す力をくれる、胸震わせる珠玉のセカンドラブ小説。―三村美衣
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功罪を求めるなんて野暮なこと。人はそんなに強くないし、一人では生きていけないのだから。 あらすじ(背表紙より) “心の風邪”で休職中の男と、家族を失った傷を抱える女。海辺の町で偶然出会った同い年のふたりは、39歳の夏を共に過ごすことに。人生の休息の季節と再生へのみちのりを鮮やかに...
功罪を求めるなんて野暮なこと。人はそんなに強くないし、一人では生きていけないのだから。 あらすじ(背表紙より) “心の風邪”で休職中の男と、家族を失った傷を抱える女。海辺の町で偶然出会った同い年のふたりは、39歳の夏を共に過ごすことに。人生の休息の季節と再生へのみちのりを鮮やかに描いた、著者デビュー作。『四十九日のレシピ』にも通じるあたたかな読後感に心が抱まれる物語。
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図書館で。四十九日のレシピが面白かったので借りてみたんですがアレの後に読むと同じようなお話だなあと思ってしまう。この作家さん、きっと美人よりも愛嬌があって家事(特に料理)上手な女性が好きなんだろうな。 それにしても彼の奥さんがあまりにテンプレな悪女過ぎてなんでこんなのと結婚した...
図書館で。四十九日のレシピが面白かったので借りてみたんですがアレの後に読むと同じようなお話だなあと思ってしまう。この作家さん、きっと美人よりも愛嬌があって家事(特に料理)上手な女性が好きなんだろうな。 それにしても彼の奥さんがあまりにテンプレな悪女過ぎてなんでこんなのと結婚したんだ、と思うけど…もしかしたら彼女なりに変わろうとした努力とかあったのかもしれないし、二人の話し合いが見えなくて残念。四十九日の話の次に読むと男の浮気は許すけど女の浮気は許さないぞ、みたいにも見えてちょっとな、と思います。 ペコちゃんも最初はちょっとおせっかいすぎるし図々しいしあまり好きなタイプではないな~と思いながら読みました。人の話聞かない人ってなんて言うかニガテ。自暴自棄な主人公君もナンダカナ、と思うし。 夏休み楽しかった、でも日常に戻ります、というオチでも人生って感じで良かったんじゃないかなあ。ペコちゃんと過ごした優しい時間を心に奥さんと娘さんに優しくしてあげることはできなかったんだろうか?と思うのは私が感傷的すぎるのかな。そして取って付けたようなペコちゃんの家族候補とその最後もナンダカナ、と思うし。そんな全方向的にハピエンにするならペコちゃんには独立してきちんと働いてほしかったな、と思いました。大体、店を持つと家の面倒見てもらうが一緒ってちょっと公私混同すぎるよね…。そして。 39はオバハンじゃないでしょ~(笑)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本を読み始めてすぐに、心の中に心地よい風が吹きわたりました。 残念ながら途中で風は止んでしまいましたが、エピローグを読んで、さらに爽やかな風が心を満たしましたo(^∀^*)o 「海沿いの町」という紙を掲げて、ヒッチハイクしている中年女がいたら、必ず乗せて丁重に扱え。不二家のペコちゃんに似たその女は腕利きの美容師で、乗せるとその礼にかならず髪を切ってくれる。 そうして男ぶりが上がったドライバーには決まって福が舞い込むらしい。 そんな素敵な噂を持つ、ペコちゃんこと福井喜美子と、東京から母の亡くなった家の片づけに来た、須賀哲司は知り合う。 うっとうしがる須賀には構わず、家の中に入り込み、どんどん彼の心の中にも入っていくペコちゃん。 片意地を張って、心に風邪をひいていた須賀の心を溶かしていく、美鷲の人々。 途中須賀の奥さん等の障害はあるけど、最後のハッピーエンドが良かった。
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第一印象は「大人な文章で少し退屈」。クラシックの話がたくさん出てきたからかも。あと基本的には大人というか、おっちゃん、おばちゃんの恋愛物語なので、展開が緩かったから、というのも退屈さを感じた原因のひとつかも。 とはいえ結果的には読み終えて良かった。何度も読むのを挫折しそうだったけ...
第一印象は「大人な文章で少し退屈」。クラシックの話がたくさん出てきたからかも。あと基本的には大人というか、おっちゃん、おばちゃんの恋愛物語なので、展開が緩かったから、というのも退屈さを感じた原因のひとつかも。 とはいえ結果的には読み終えて良かった。何度も読むのを挫折しそうだったけど。5章あたりから一気に畳み掛けられた。大人な恋物語の底力を見せられた感じ。 最初のほう、退屈でも是非あきらめずに読み進めてほしいです。きっととても幸せな読後感が待っています。 最後に気になった文章を引用。 「きっと、自分に自信がある人は、好きなものを堂々と好きだと言えるのだ」→喜美子の言葉 「親子の愛情に変わりはないが、男女の愛情は育てていかないと枯れる」→哲司が娘に宛てた手紙
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一度読んでたのを忘れて手にしました。 読み直してつくづく、とても優しい物語だと思いました。 大人になると辛いことや、うまくいかずに傷つくことも多いもの。それだけ怖がりにもなってしまう。常識や世間体まで入ってくるから変わることはとても難しい。 でも、心の底から愛せる人が現れたら、絶...
一度読んでたのを忘れて手にしました。 読み直してつくづく、とても優しい物語だと思いました。 大人になると辛いことや、うまくいかずに傷つくことも多いもの。それだけ怖がりにもなってしまう。常識や世間体まで入ってくるから変わることはとても難しい。 でも、心の底から愛せる人が現れたら、絶対に勇気を出したい。そんな時に読むと素敵な作品。
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プロローグから一気に引き込まれ、心をもっていかれた。 明るくて世話好きの喜美子をはじめ、美鷲に暮らす周りの人達みんながとても魅力的。妻子持ちの哲司とどうなるのかドキドキで、お互いに抱えるものが多く気持ちだけではどうにもならない、そんな場面ではせつなくてたまらなかった。哲司の妻は嫌...
プロローグから一気に引き込まれ、心をもっていかれた。 明るくて世話好きの喜美子をはじめ、美鷲に暮らす周りの人達みんながとても魅力的。妻子持ちの哲司とどうなるのかドキドキで、お互いに抱えるものが多く気持ちだけではどうにもならない、そんな場面ではせつなくてたまらなかった。哲司の妻は嫌な女だけれど、哲司を離すまいとする気持ちはなんとなくわかる…
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