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風待ちのひと の商品レビュー

4

90件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

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  3. 3つ

    22

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2021/08/08

最近、青春小説ばっかり読んでいたので、久々に大人のお話。 心のバランスを崩し休職中のエリートサラリーマン哲司が紀伊半島の港街、美鷲を訪れる。そこで出会った喜美子。明るい振る舞いの裏には悲しい過去があり。 最初はこの喜美子の田舎のオバちゃん然とした感じがイヤだったけど、読み進めてい...

最近、青春小説ばっかり読んでいたので、久々に大人のお話。 心のバランスを崩し休職中のエリートサラリーマン哲司が紀伊半島の港街、美鷲を訪れる。そこで出会った喜美子。明るい振る舞いの裏には悲しい過去があり。 最初はこの喜美子の田舎のオバちゃん然とした感じがイヤだったけど、読み進めていくうちにそれが彼女の自信のなさやあきらめてきたものからくるものだとわかってくる。本当は誰よりも純粋でまっすぐで。だから哲司もそんな彼女に癒され、徐々に自分を取り戻していくんだね。大人の夏休み。 「風待ち」という言葉がいいね。「道を踏み外したのではなく、風待ち中。いい風が吹くまで港で待機しているだけ」 惹かれあう二人だけど、この年になると大人の事情とか分別とかあって、じゃあとすんなりはいかない。色んなしがらみがあるし、周りの人たちの気持ちも考えてしまうし。なかなかに切ないです。 特に哲司には東京に妻と娘がいて、そこは読んでいても難しいなぁと。奥さんにかなり難ありだけど、彼女の言うこともわからなくはなくて。最後までどんな結末に落ち着くのかわからなくてはらはらしました。大人ならではのストーリーで面白かったです。 あと、ストーリーの中でオペラ音楽(椿姫)がキーになっていて、哲司に教わってだんだん喜美子が音楽を理解し世界が広がっていく過程は興味深かったです。私もオペラを聞いてもさっぱりわからないけど、聞き込めばわかるようになるのかなぁ…

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2021/04/19

めちゃくちゃよかったけど、 大人向けの大人のお話でした。 学校図書館にはおけないかな。 心が風邪をひいたら、どうする? 大人こそ、疲れちゃうし、 風邪をひいてしまうこともあるんだよね。 大人に読んで欲しい、心地よい物語。 伊吹有喜さん、完全に推し。

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2021/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み残してたデビュー作 「心の風邪」この発想ができるからこその作品たちなのだなあと ガソリンスタンドのくだり、そうやってくしか生きていけない感じはあるけど、キンコなら前を向いて生きててほしかったような

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2020/12/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

また大好きな本が増えたー。 「大人のけじめの付け方が、子どもの人生に影響する」 確かになー。また、喜美子がした渦の話もよかった。人生に喩えられるね。 哲司と喜美子の関係がなでしこ物語のヨウヨとリュウカくんに通じてる気がして。 それにしても伊吹さんのデビュー作、彼女は最初からこんな繊細で豊かな人間性を持つ登場人物を描けていたんだな。すごい。

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2020/09/26

 心が風邪を引いてしまったら、どうする?  そんなことで寝込んでなどいられないと、自身を叱咤激励するか、それとも、癒されるまで、ゆっくり過ごすか。  心が風邪を引いてしまったら、無理をしちゃいけない。周りの速度が速いから、取り残されてしまうのではないかと心配になるかもしれないけ...

 心が風邪を引いてしまったら、どうする?  そんなことで寝込んでなどいられないと、自身を叱咤激励するか、それとも、癒されるまで、ゆっくり過ごすか。  心が風邪を引いてしまったら、無理をしちゃいけない。周りの速度が速いから、取り残されてしまうのではないかと心配になるかもしれないけれど、焦らなくていい。 「風待ち中。いい風が吹くまで待機しているだけ」  いい風が吹いてきたら、帆を上げて漕ぎ出せばいい。  でも、それは一人じゃ無理。傍にいてくれる誰かが必要。支え、励ます、時にはユーモアをもって。その中で、もしかしたら、風邪が治りきっていなかった自身も癒されていく。  読後感がとてもあたたかい小説でした。

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2020/09/15

人生には行く時か風待ちの時間が必ずある。 風待ち、港に泊まる船のように。 共に39歳、人生を四季に例えると最後の夏の年(本編では2,30代を夏としている) 傷ついた風待ちの男女がひと夏をとある田舎町で過ごす物語。 今後の自分の人生に本当に必要なもの、ひとは誰なのか。幸せとはなんな...

人生には行く時か風待ちの時間が必ずある。 風待ち、港に泊まる船のように。 共に39歳、人生を四季に例えると最後の夏の年(本編では2,30代を夏としている) 傷ついた風待ちの男女がひと夏をとある田舎町で過ごす物語。 今後の自分の人生に本当に必要なもの、ひとは誰なのか。幸せとはなんなのか。 そんな答えを出すかけがえのない年の物語。

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2020/07/18

7月−17。3.0点。 不眠症になり、亡き母の田舎に来た銀行員。息子と夫を亡くした同世代のじょせいと知り合いに。 「雲を紡ぐ」読んで、この作家の本が読みたいと手に取った。デビュー作だが、ほんのりと暖かくなるストーリー。

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2020/07/18

随所に現れる瑞々しい表現が心を掴む 瓜の汁を指で拭うシーンは美しい映像が浮かびました 誰かの大事な人になるタイミング、過程 少女漫画以上にときめきました

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2020/07/10

二人の視点から描かれるストーリーにより、互いに抱える問題、過去にできた傷が読み取れる。 美しい風景が目に浮かび、人の温かさを感じることができる作品。

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2021/06/15

今の世の中の空気感で、自分の心も疲れている実感があり、少しほっこり楽な気持ちになれそうな本を読みたくなり、手に取った。 心に傷を持った、39歳の哲司とキンコ(喜美子)が、夏のひとときに出会い惹かれていく。 正直、第一印象は、哲司は少し偉そうで、キンコは元気と下品を取り違えてるオ...

今の世の中の空気感で、自分の心も疲れている実感があり、少しほっこり楽な気持ちになれそうな本を読みたくなり、手に取った。 心に傷を持った、39歳の哲司とキンコ(喜美子)が、夏のひとときに出会い惹かれていく。 正直、第一印象は、哲司は少し偉そうで、キンコは元気と下品を取り違えてるオバチャンみたいで、微妙に感じたのだけど、 一見、全く交わることがなさそうな二人が、いつの間にか、距離が近づいていくと、交わす言葉に、優しさや、哀しみを隠した明るさや、温度みたいなものが感じられるようになる。すると、不思議。二人ともが魅力的に思えてきて。こう言う二人が、これからの人生を支えあっていけたらいいな、と思う気持ちが出てきた。 ものすごく心を揺さぶられるとかではないけど、読む前に思った、ほっこり優しい感じ。そんな時間をもらえたと思う。

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