ジェノサイド の商品レビュー
難解な専門用語に打ちのめされながらも、先が気になって読み進めずにはいられなかった。 ・強欲と権力と傲慢が渦巻くホワイトハウス ・濃密なジャングルの湿度と血なまぐさい戦闘に渦巻くコンゴ ・荒削りでそしてフレッシュな頭脳をフル回転させている2人の若い科学者が潜む日本の小さな1部屋 ...
難解な専門用語に打ちのめされながらも、先が気になって読み進めずにはいられなかった。 ・強欲と権力と傲慢が渦巻くホワイトハウス ・濃密なジャングルの湿度と血なまぐさい戦闘に渦巻くコンゴ ・荒削りでそしてフレッシュな頭脳をフル回転させている2人の若い科学者が潜む日本の小さな1部屋 この3つの拠点で、新薬と未知なる生命を巡りそれぞれが命をかける。 これでもかというほどの残虐な描写が続くストーリーのラストは、暗雲の中から一筋の美しい光が射すような思いがけず爽やかなものだった。 なんといっても魅力的だったのは大学院生2人の愛おしいまでの情熱だろう。 時間との戦いとなる後半はハラハラしどおしであった。「無理だ」と言わなくなった研人が自分の命を顧みずに薬を届ける場面では手を握りしめながらページをめくった。窮地でも柔らかく笑ってきっちり仕事をこなす正勲がまたパートナーとして素晴らしい。余談になるが、韓国の「情(ジョン)」の考えにもとても惹かれた。 エマの敵への報復もまた見どころである。 大統領にも思い切り報復を与えて欲しいとおもったけれど、未来永劫の恐怖を与えることが1番の報復なのだなぁと解釈。 本編中、人類とは人類の歴史とはなんと強欲と血にまみれた穢らわしいものなんだろうと悲しくなった。 日本では報道されない理不尽な紛争が世界にはあふれているのだろう。 ラストに研人がアキリに言った「この国の人たちは、もう戦争はしないと決めたんだ」という言葉が嘘になりませんように。と願ってやまない。 ピグミーのような愛すべき民族も平和で暮らせる地球であってほしい。 この著名な著者の作品を読むのは今回初めてだったが、なかなか生気を吸い取られる作品だった。 読み終わってしばしぼーっとしてしまった。 また他の本も読んで生気を吸い取られてみたい。笑
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人類への問題提起を進化した人類という高次元の存在を装置として行なっている作品。 テーマは重いが、登場人物やストーリーが娯楽向けに落とし込まれているので、読みやすい。 しかし、所々に筆者の主観での思想じみた表現があり、人類の思考の枠組みを超越した超人類を装置として使っている都合上、そこが気になった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
アフリカ・日・米を舞台にした『24』のような壮大なエンタメ作品。もっと大統領にも副大統領のようなお仕置きがあればより痛快だったが、逆にオペレーター候補者選別時や、脱出機撃墜時のF22パイロットのような人達があっさり殺されるあたり、超人類が普通の人類とは異なる価値判断がリアルに思う。 細かく伏線回収されるし読後感最高だが、第一部(前半1/3)は下準備としてやや我慢して読んだ印象。そこからは最高に楽しい。エマの存在と活躍が痛快。 p219:物理的距離と残虐性と権力者の話もなるほど。
Posted by
伏線を綺麗に回収しきった良作でした。 ただ、10年以上前の作品ということで、設定や題材は他の本や漫画でも見たことがあるといった感じで、新鮮さはなかったです。 それから、題名も爽快な読後感には似合わなく感じました。でも、作者が伝えたかった部分はここだということなのかもしれない…。 ...
伏線を綺麗に回収しきった良作でした。 ただ、10年以上前の作品ということで、設定や題材は他の本や漫画でも見たことがあるといった感じで、新鮮さはなかったです。 それから、題名も爽快な読後感には似合わなく感じました。でも、作者が伝えたかった部分はここだということなのかもしれない…。 否定的な事を書いてしまいましたが、設定が細かく練られていて、作者の努力が伝わってくる作品でした。 難しい用語が多いので、序盤は面食らうかもしれませんが、がんばって読んで後悔はしないと思います。
Posted by
発売当時に購入したが、中学生だった私には難しすぎたため10年越しに読了。 テスカトリポカが好きな人は大好きだと思う。 怖がりなので得体の知れない恐怖と戦いながら読んだけど、ちゃんと最後まで読んでよかった。最後まで読むとそんなに怖くない、読んだから言えることだけど。やっぱり全貌...
発売当時に購入したが、中学生だった私には難しすぎたため10年越しに読了。 テスカトリポカが好きな人は大好きだと思う。 怖がりなので得体の知れない恐怖と戦いながら読んだけど、ちゃんと最後まで読んでよかった。最後まで読むとそんなに怖くない、読んだから言えることだけど。やっぱり全貌が掴めないもの・予想のつかないものが1番怖い…宇宙とかオバケとか… 並行して2つの舞台で物語が進行していくのだけど、片方はスケールデカすぎ、戦闘シーンありなのに片方は小さな一室で実験したりなど化学や医学と向き合う繊細な描写が多い。理系にはたまらん。 だけどどっちもハラハラする。 こんな名作にまた出会えるのかな。もう一回読みたい!
Posted by
ストーリーはすごく面白くて一気に読んでしまいました。ただ、ちらほらと著者の偏見では?と思う部分があって、純粋に楽しめない部分も。 あと、あり得ない展開が多すぎて、薬学とか医療分野の監修が本当に入ってるのか疑問です。
Posted by
後半にさしかかるにつれて、予想もしてない展開に終始ドキドキして読み終えました。 専門知識の多さに読んでる自分まで賢くなった気になった。もう忘れたけど笑 戦争の怖さ、人の怖さ、戦争を剥き出しに表現されてる描写に顔をしかめてしまう場面もあったり、 親子愛で泣ける場面もありで楽しませて...
後半にさしかかるにつれて、予想もしてない展開に終始ドキドキして読み終えました。 専門知識の多さに読んでる自分まで賢くなった気になった。もう忘れたけど笑 戦争の怖さ、人の怖さ、戦争を剥き出しに表現されてる描写に顔をしかめてしまう場面もあったり、 親子愛で泣ける場面もありで楽しませてもらいました! 見終わって疲れた〜面白かった〜って感じですね! 『恐ろしいのは知力ではなく、ましてや武力でもない。この世でもっとも恐ろしいのは、それを使う人格なのです。』←ほんまそれ。に尽きる一言 世界中の権力者たちが平和を望む欲に鈍感な人たちなら、本当に戦争などなくなるのかなーと 思いました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
映画にしたら面白そうな小説。 2時間で収まるのか疑問ですが。ドラマとかでもいいかも。 ミックと菅井さんが最後まで何のために出てきたのか分からなかった。 長かったけど飽きずに読めました。
Posted by
人間性とは残虐性、否定したいけど否定できない重い言葉。まさにそれを証明するかの様に欧州で表面化しているし、世界中で大小様々起こっている。 読みながら人間とは、共存とは、人種とは、差別とは、などなど考えていると何がBestなのかわからなくなってくるそんな作品でした。楽しめました。...
人間性とは残虐性、否定したいけど否定できない重い言葉。まさにそれを証明するかの様に欧州で表面化しているし、世界中で大小様々起こっている。 読みながら人間とは、共存とは、人種とは、差別とは、などなど考えていると何がBestなのかわからなくなってくるそんな作品でした。楽しめました。 ただ気になったのは日本と日本人の扱いがあからさまに冷たいのが感じ取れました。急に南京大虐殺を出してきたり、日本人傭兵のミックをそれこそ狂人みたいに描いたり、この作家の思想が透ける様に見えた事が残念でした。
Posted by
今、この瞬間を切り取った先100年。 ほとんどの人間は存在していない。 それでも人は殺さずにはいられない。
Posted by